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天啓的異世界転生譚  作者: ウスバー
第十四部 真面目にファンタジー編
89/102

間章 『零夜の奇妙な転生』

今までで一番の悪ノリです

本編を楽しむ上では全く読む必要ありません

見ようによっては悪趣味な代物ではあるので、読まれる方はくれぐれも自己責任でお願いします

あと携帯の人は最初の方たぶん見辛いレイアウトになります、申し訳ありません


さぁ、ツッコミ禁止の暗黒ダーク漆黒ブラック幻想譚ファンタジーの開幕だぁ!!!

しおりを挿む 零夜の奇妙な転生 作者:ブラックファントム・ゼロ

               << 前の話 次の話 >>



             転生1.宇宙最強の最強転生者!!


≪SIDE零夜≫


 おれ、闇堂あんどう零夜れいやは今日もVRMMO『ナイトキング・オブ・ワールド』をやっていた。


「チッ!!雑魚どもが!!」


 おれは自分のキャラ『ゼロ』を操作して身のほどしらずにもおれにPKを挑んできたプレイヤーたちをけちらした。

 PKしてきたプレイヤーたちのレベル150。これはかなりのレベルの高さだ。

 『ナイトキング・オブ・ワールド』は指数関数的にレベルアップの大変さが代わるため、レベル0から50まで上げるより、50から100。100から150まで上げる方がずっと大変だ。それは大体100倍くらい大変だといわれている。


 悪漢プレイヤーたちはわざと初心者ダンジョンの近くを歩いていたおれを見つけると、

「ヘヘッこいつレベル1じゃねえかやっちまえ!!」

「武器全部とあり金おいていけばたすけてやるぜヒャッハー!!」

いきなり襲ってきて問答無用だったが、それはおれの思うつぼだった。

 なんと、おれのキャラはキャラレベルが最高の200にならないとできない転生をもう10回もやっているのだ。

 転生1回で能力値が500レベル分くらい上がるので、レベル1でもおれの能力値は5000レベル相当ということになる。


 それでもおれの職業が太陽戦士でなければ逃げられたかもしれない。だが、太陽戦士なので到底無理だ。

 おれが太陽戦士なれたのは、ほんの偶然だった。。


 なんでも後で聞いた話によると、太陽戦士になるには下級職である戦士を最高レベルの200まで上げた後、一日のうちにランダムでほんの一秒の百分の一の間だけある太陽が黒くなる瞬間に太陽を見た人だけが太陽の戦士へのクラスチェンジ資格が与えられるらしい。

 そもそもおれのほかに戦士なんて下級職をレベル200まで上げたやつはおれ意外にいなかったし、あとから太陽戦士のクラスチェンジ条件を知った奴がおれの真似をしようと戦士をレベル上げしたがぜんぜんダメだったらしい。

 それはやっぱりおれが偶然経験値が10倍になる指輪と戦士でも装備できるSSSランクの剣を手に入れていたことが大きい。

 この二つが偶然手に入ってなかったらおれだって戦士をレベル200まで上げることはとても無理だったので本当におれは幸運だった。


 それに、太陽の情報も幸運だった。

 太陽戦士というくらいだから太陽を見るとクラスチェンジできるんじゃないかとひそかに思っていた(これを思いついたのはやっぱりおれだけだったらしい)おれは、フィールドを歩いている時でも戦闘中でも三秒に一回くらい太陽を見上げるようにしていた。

 おかげで視点移動のコツがわかったのも思わぬ収穫だ。

 やっぱりいくらキャラクターが強くても、プレイやースキルが低いとどうにもならない。その点おれはプレイヤースキルも高かったので視角はない。


 特にこの『ナイトキング オブ ワールド』(正式名称は『nightking of world』)はさすがに『騎士王の世界』というだけあって、ほかのステータスさえ高ければ勝てるVRMMOと違って、特に剣とかの駆け引きが大事になるため、プレイヤースキルがないとレベル100のキャラでもあっさりレベル1のキャラに負けたりする。

 まあおれレベルになるとそんなことはなくなにもしなくても負けないが、おれはプレイヤースキルをみがいているので、たまにおれを偶然と運のおかげで太陽戦士になれただけの雑魚だと思う奴はおれの剣さばきを見てこしを抜かしていたこともある。


 そんな色々な幸運とみがきつづけた実力のおかげで太陽戦士に転職できるとなったときはおれも手が震えた。

 そして、ソラウルという太陽戦士転職用の隠れNPCを見つけて、実際に転職してみて、まるで太陽のような黄金の装備、まるで太陽のように光り輝く自分の姿をみて驚いた。だがもっと驚いたのは太陽戦士になったあと、雑魚と戦ってみておれはまた驚いた。

 なんと太陽戦士レベル1は戦士の上級職である騎士のさらに上級職である聖騎士のレベル200より強かった。

 しかもオリジナル技『太陽の華(サン・フラワー)』はその場にいる全員に一斉に攻撃する上に普通の技の2倍以上の攻撃力を持っていたので、PKしたやつらは一瞬だった。


「うそだろなんでレベル1でこんな・・。」

「あ・・ありえない・・・・。」

「うわああああ・・・化け物だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 死ぬ時の光るエフェクトをのこして悪党プレイヤーは死んだ。

 本来なら絶体絶命の状況を生き抜いたのにべつに達成感はない。

「つまらないな・・・。」

 むしろ胸にぽっかり穴があいたような虚無感があるだけだった。


 悪党どもが死んでアイテムを落とす。

 さすがに150までレベル上げしているやつらだからそれなりの装備をたくさん装備していたのでそれを落としていた。

 それは普通のプレイヤーだったらひとつ取っただけで興奮して夜眠れなくなるほどのすごいものだったのだが、

「つまらないな・・・。」

おれはそんな物には興味がなかった。


 おれの持っている装備は全部SSSランク。しかもSSSの中でもさらに一番貴重だといわれるアイテムばかりだ。それを知り合いの鍛冶屋に頼んでSSS級の魔法石で強化している。

 普通SSS級の鍛冶はなかなかうまくいかないのだが、おれの時は幸運にも30回連続でうまくいった。

 知り合いの鍛冶屋もこんなことは生まれて初めてだすごいといっていた。

 だから、ほかのやつらならともかくおれはいまさらレベル150のアイテムを手に入れてもゴミとしか思えなかった。


 しかたないのでその高価なアイテムを特に身もせずに全部のアイテムをインベントリにしまうと、街にもどって店に行った。

「全部換金で」

 そういったら隣でアイテムを見ていた女戦士が、

「えっ!!これすごいレアアイテムよ!!売り物じゃなかったらわたしが欲しいくらいよ!!」

「じゃああげるよ。」

「えっそんな悪いわ!!よく知りもしないのに。」

「でもおれは本当にいらないんだ。ほら。」

 ちょっと迷ったがおれは自分の装備欄を見せた。


「すっすごい!!全部SSS級アイテムじゃない!!しかもこの聖真龍王の剣ってもしかして、あのイベントで一本だけしか出て来ないっていわれているあの・・・!?」

 女戦士が騒ぎ出してまわりがざわざわとしはじめた。

 これはまずい。

「ごめん。おれ太陽戦士だからめだちたくないんだ。」

「えっ!?太陽戦士ってあの伝説の職業でいままでに一人しかなれたことがないっていわれているあの・・・!?」

「とにかくそういうことだからあげるよ。」

 おれはすぐに装備欄をとじるとお姉さんにアイテムをわたした。

 お姉さんはもっとおれの装備をじっくり見たかったようだがおれはあまりめだつのは好きじゃない。

 不満そうなお姉さんと別れておれは外に出てログアウトした。



「つまらないな・・・。」

 現実の退屈さを忘れるためにやったはずの『ナイトキング・オブ・ワールド』だったのに、あまりに強くなりすぎて張り合いがない。

 トッププレイヤーが六人がかりで行って一発もダメージを与えられなかったという最強のあん黒龍『ダークネスオブシャドウドラゴン』ともソロで戦ったが、こっちが一発軽く攻撃しただけで死んでしまった。

 本当は喜ぶところだが、最強といってもこんなものかとおれはぎゃくにがっかりしてしまった。

 かといって違うキャラを作って最初からやったり別のゲームをするのも気が乗らない。


 おれがゲーム機の前でボッとしてると、


「な、なんだ!!?」


 とんでもないことがおこった。


 突然おれの家の壁やぶってトラックが突っ込んできたのだ。


 おれは持ち前の反射神経であわてて逃げようとするが頭に『ナイトキング・オブ・ワールド』用の装置をつけていたせいで動きがにぶった。

 だがおれの反射神経のレベルならそれだけならなんとか逃げられた。

 だが、目の前には飼い猫の子猫がいた。


 このままではおれだけなら逃げられても子猫だけなら死んでしまう。

 おれは考えるより先に子猫をかばってしまっていた。


「うわあwjfwヴぁwjふぃじゃ;!!」


 途中から自分でもなにをいっているのかわからなくなってしまった。

 それぐらい痛かった。


(ああ。おれは死ぬのか・・・。)


 おかしなことだがくやしさはなかった。

 むしろそれよりおれは子猫を助けられたことに満足しながら、おれは闇の中に堕ちていった。






 気が付くと雲の上にいた。

 どうやら天国のようだ。


「チキショウッ!! VRMMO中に子猫をかばってトラックにはねられて死亡なんてなんてテンプレだよ!!」

 おれはくやしさをおさえきれずに怒鳴った。

 おれだってそういう物語を読んだことはあるが、自分がまさかそんな悲愴な運命に巻きこまれるとは思ってもいなかった。

 テンプレなんていって悪かったなと昔の小説の主人公たちにおれは謝った。


 するといきなりひげの爺さんがあらわれた。

「すまなかったのう。お前が死んだのはわしのミスなんじゃ。」

 爺さんはいった。

「ちょっと隣にいた死ぬ予定のやつがいたのじゃが、ちょっと死ぬファイルの操作をミスっての。かわりにお前を殺してしまったのじゃ。てへw」

 てへwじゃない!!

 おれは爺さん、いやクソ爺に怒りがこみあげてくるのを感じたが、冷静に冷静に、と自分の怒りをおさえた。


「じゃあおれが死ぬのは予定外だったってことですか?」

「そうじゃな。むしろお前は200歳近くまで生きて寿命で死ぬ予定じゃったらしいがわしがミスったせいで死んだ。」

「えっそれじゃああなたは誰なんですか?」

 おれは本当はわかっていたがたしかめるために聴いた。


「ふふふ!!わしは神じゃ!!人間の命の管理もわしがやっておる!!」

 クソ爺、いや、クソ神様が胸をはっていった。

 その時おれはわかってしまった。

 神というのは人よりもずっと強い力を持っている。だから人の痛みがわからないのだと。

 おれはいつも弱い者にもやさしい気持ちを持つように自分で気をつけているが、こいつは自分の力に頼るばかりで弱い奴の気持ちを考えようともしない。


「なんじゃ?反抗的な態度じゃのう?お前を地獄に落としてやってもいいんじゃぞ?」

 クソ神様が気分が悪くなるようなネコナデ声でいった。

 普通の人間だったらここで土下座でもして鳴いて誤る場面だっただろう。

 だがおれはそんなことはできなかった。


「神様なんていってもこんなものか・・・。

 つまらないな・・・。」

 口からつい、正直な気持ちが出てしまった。

「なんじゃと!?いまお前はなんといった!?」

(しまった・・・。)

 おれは自分が闊達うかつだったと悟った。


 クソ神様は怒り狂った。

「ちょっとは見どころがあると思ったが所詮は人間か!!わしのように力を持たない下等な生き物にはわしのすばらしさはわからないなそうだ人間など全部滅ぼしてやろうか!!」

「なんだとっ!!」

 おれはクソ神様の目を見た本気だった。

(こいつ本気だ・・・!?)

 おれは恐ろしくなった。こいつは本気だった。

 本気で単なるひまつぶしで人間を全て滅ぼそうとしているとなぜかおれにはわかった。


「まずはお前をアッ!!」

 クソ神様はまずおれを倒そうとしたが、それは遅すぎた。

 そのときおれは目に見えないほど速く、いうなれば疾風や台風よりも早く動き、クソ神様の二の腕の関節を決めて動けなくしていた。


「なっなんだと・・・!?」

「思ったとうりだな・・・。」

 クソ神様は必至でおれの腕から抜け出そうとするが、そんなことはできない。

 いくら神だとかいってもちょっと不思議な力が使えて世界を創ったり壊したりとかできるだけで、しょせんは戦いの素人。

 本物の戦場にいて敵を数千人以上殺して黒い死神と呼ばれたおれのスピードにはついてこれなかった。


「な、なにがおこったんじゃ・・・。

 お、お前!!お前はただものではないな!!いったい何者じゃ!!」

「なんだそんなことか。つまらないな・・・。

 おれはちょっと昔傭兵をやっていただけの、ただのどこにでもいる平凡な少年だよ。」

 おれはそういって二の腕の関節に力をこめた。

「う、うわああああ!!やめてくれ!!いや、やめてくださ・・・やめてくだしゃい!!」

 クソ神様はすぐに根をあげて悲鳴をあげた。

 おれは拷問術にもすぐれているので普通の100倍の痛みがあるはずだった。


「もうおれにひどいことしないか?」

「はっはいしましぇん!!」

「約束をやぶったらひどいぞ!?」

「ぜっぜったいやぶりましぇえん!!」

 クソ神様が泣き叫んだ。ここまでやれば大丈夫だろう。

 さっきまでえらそうな態度をとっていたクソ神様が泣き叫ぶのをみておれはすっとした。


「じゃあすぐおれをもとの世界にもどせ」

「そっそれはムリでしゅ!!」

「なんだと!?」

 おれはおもいきりクソ神様のひげを引っ張った。

 力を入れすぎたせいか、神の頭が地面にめりこむ。

 ざまあみろだ!!


「本当のことをいえ!!うそをつくと承知しないぞ!!」

 おれはさらにクソ神様の頭をふみつけにする。

 神様の頭をふみつけにできるなんて、おれくらいの実力者くらいしかいないだろうにちがいない。


「む、ムリなものはムリなんでしゅ!!一度死んだ魂をもとの世界にもどすと因果の流れが狂っておそろしいことが起こるでしゅ!!最悪時空が崩壊して世界が大変なことになるでしゅ!!」

「じゃあおとなしくおれに死んでろっていうのか?」

「ほかの世界なら大丈夫でしゅ!!もちろん零夜さまなら記憶とか姿とかをそのままでマンガの主人公みたいなチートな能力をたくさんつけてゲームの世界に送ることだってできるでしゅ!!」

「ゲームの世界に・・・。」

 クソ神様のやつは気に食わなかったが、ゲームの世界に行けるというのは魅力的だった。


 ただ、だまされていたりする可能性もあるのでもう一回だけ確認する。

「つまりおまえは下手すれば世界を滅ぼしかねないレベルのチート能力をわたしたり好きなゲームの世界に送れるほど全能なのに、因果の流れとかなんか事情があるからおれをもとの世界に生き返らせることはできないってわけだな!?」

「はっはいそうなんでしゅ!!だからころさないで!!」

「チッ!!」

 こんなやつ殺す価値もない。

 おれは神のひげをぶちぶちちぎってから、神を開放してやった。


「ありがとうございましゅ!!ありがとうございましゅ!!」

 ゴミがなにかをいっていたが、聞く価値もない。

 本当はこんな無能な神なんて殺した方が世界のためかもしれないと思ったが、いくらおれだって死んでから生き返るすべなんてしらない。おれのためになるから生かしてやっただけだ。


「しょうがないな。異世界に行ってやる。」

「ほ、ほんとでしゅか!?」

「ああ。そのかわり、色々選ばせてもらうぞ。」

「も、もちろんでしゅ!」

 さて、ではどうするか。

 これからの一笑にかかわる問題だから、慎重に考えなければいけない。


「よし決めたぞ!!」

 まず、当然行くのは『ナイトキング・オブ・ワールド』の世界、『ザッハトルテ』だ。

 剣と魔法の世界『ザッハトルテ』。おれの新しい世界にふさわしい勇壮な名前だ。

「それと、能力についてだが・・・そうだな。

 まずおれが使ってたデータのキャラの能力をおれにコピーしろ。

 あと、この状態から年をとらないようにして、二つの職業を同時につけられるようにして、経験値を100倍に、成長限界も外せ」

「そっそれだけでいいんでしゅか!?」

 条件をいったら驚かれた。

 どうやらおれはほかの転生者に比べてずいぶん良心的だったらしい。


「ほ、ほかのチート転生の人たちはひどいでしゅ!!

 マンガの能力全部とかバ〇スっていったら魔王城が壊れて魔王が死ぬようにしろとかそもそも神様の力を全部よこせとかチートすぎでしゅ!!」

「それはひどいなww」

 おれはおもわず失笑がもれた。正直理解ができない。そんなに強くなってどうするつもりなんだろうか。


「おれは成長する余地がのこっている方が好きなんだ。

 簡単にどんなやつでも倒せたらつまらないからな。」

 簡単に手に入るものに価値なんてない。

 最初はよくても、すぐに力を悪用して悪の道に走ってしまったり、強過ぎる力を使いこなせずに破滅してしまうのがオチだ。

 おれはそれをよくしっていたためそういう失敗はしなかった。


「さっさすがでしゅ!!ただ強いだけじゃないでしゅ!!」

 クソ神様がおれを尊敬の目で見ていた。

 男にそんな目で見られてもちっともうれしくない。

「さっさと転生しろよ!」

「はいでしゅ!!」

 最初とは全く正反対になった立場におれは笑いながら、おれは転生した。




「ここはどこだ・・・。」

 転生をすると、おれは見知らぬ場所にいた。

 自分の格好を見てみると、漆黒の鎧に漆黒の小手、どうやら無事にゼロの装備をひきつぐことができているようだった。


「しかし街がどこにあるかもわからないしどうしようか」

 おれが突然の異世界のことにとまどっていると、


「キャーーーーーーーーーー!!!」


 どこかから女性の悲鳴が聞こえた。

「あっあれは・・・!?」

 悲鳴が聞こえた方を見てみると、逃げているみすぼらしい身なりの女の子ふたりを馬車に乗った太った男たちが追いかけていた。

 ここで素人ならすぐに助けにいくところだが、もし女の子たちが悪の手先だったらおれは悪者になってしまう。

「このやろう!!お前みたいな奴隷が、この貴族で奴隷商人のオレ様から逃げ出すなんて100年早いんだよ!!」

 そこで豚みたいなバカ貴族が大声を出してくれたおかげで、すぐに事情を理解することができた。


 助けに入ろうと決めたところで、豚貴族が腕を振り上げた。

「あっまずい!!」

 おれはそう思ったが、どうしようもなかった。

 豚貴族はもう武器を振り上げ始めているし、馬車との距離はまだ30メートル以上ある。

 ゲームキャラのゼロとなったおれの身体能力なら光速を越えて移動することもできるが、いまのは完全に間に合わないタイミングだった。


 バサッ!!という音がして女の子のひとりが倒れる。

 距離があったのでよく見えなかったが、視力が5.0のおれの目には見ただけで即死だとはっきり見えた。

「おねえちゃん、いやーーーーーーーーーー!!」

 もうひとりの女の子が悲鳴をあげた。


「くそっ!!」

 おれは危険もかえりみずに飛び出すと、女の子の前に立った。

「お前たちはいったいなにをしているんだ!?」


 突然でてきたおれに、当然豚貴族たちは驚いた。

 すぐに豚貴族が勝手な言い分をまきちらす。

「こいつらは奴隷なんだよ!!おれは貴族でそいつらの持ち主なんだよ!!」

「ちっちがいますこいつらは無理矢理わたしたちを街からさらって・・・!!」

「うるせえ黙れ!!」

「きゃぁっ!!」

 また豚貴族が女の子を剣の腹でなぐる。

 おれが女の子の前に立っているのにその目の前で馬車の上からそんなに長くない剣の腹で女の子をなぐるなんて・・・。

 位置関係を無視した豚貴族の最低な行為に、おれの怒りはもう有頂天だった。


「とにかくやめろっ!!」

 おれは豚貴族の剣をつかんだ。

「なんだお前さからうのか!?おれの父親は伯爵だぞ!!」

 みえみえな脅しだった。

 だがそんなみえみえの脅しに屈するおれではない。


 けれどこんなやつでも先に手を出したらおれが悪いことになってしまう。

 おれは耐えた。

 戦うだけで問題を解決するのは二流のやることだからだ。

「とにかく事情を聞かせてください。二人の事情をくもりなきまなこで見定めて正しいほうに味方します」

「えっ?」

 奴隷の女の子が驚いて声をあげた。

 まるで荒野に咲く一輪の花のようにかわいらしい声だった。


「相手が貴族だというのに奴隷の言葉を聞いてくれるだなんて・・・。」

 なにかぶつぶついっているがよく聞こえなかった。

 おれの悪口じゃないといいんだが。

 いや、この子はそんなことをする子じゃないな。

 おれはすぐに反省した。


「そんなことしったことか!おいこいつもやっちまえ!!」

 無視されて怒った貴族が命令した。

 馬車のうしろからごつい男たちが何人も何人もでてくる。

「キャー!!にげてえっ!!」

 女の子が叫んでいるがおれはにやりとふてぶてしく笑った。


「いいんですか?・・・ぼくに手を出したら・・・・・・死にますよ。」

 おれは剣に手をかけながらそう忠告したが、

「かまわん!!いけー!!」

男たちはかかってくる。

 しかも、男のひとりが鑑定スキルを持っていたのか、さけんだ。

「ギャハハハ!!こいつレベル1だぜ超雑魚だ!!」

「そんなっ!?にげてえっ!!」

 女の子が全部の希望をなくして悲しそうなのに叫ぶ。

 自分の身があぶないのにおれの心配をしてくれるなんてなんて純真無垢な人なんだ。おれはすごく感動して助けよう思った。


「なんだおまえ最低レベルじゃねえかおどかしやがって!!」

 少しびびっていたほかのやつらもおれにかかってきて、女の子が目をつぶる。

 しかし、

「バッバカな・・・。」

男たちの攻撃は、おれにかすり傷ひとつ負わせることができなかった。

 男たちの武器はおれの体の表面で止まっている。

 あまりの防御力のちがいに攻撃がまったくきかないのだ。

「これでも最低レベルですが(笑)」

 そういって、おれは攻撃してきた男の剣を指一本でつまんで折ってみせた。


 それを見た男たちは、

「うそだろなんでレベル1でこんな・・。」

「あ・・ありえない・・・・。」

「うわああああ・・・化け物だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

といって逃げようとするが、それはおれが厳密にゆるさない。

「おかえしです!!くらえ!!」

 おれが闇よりも濃い漆黒の剣を振るうと、

「ぎゃーーーーーーーー!!」

「いてえいてえよ母ちゃんーーーーーーーーーーーー!!」

「ゆるしてくれなんでもするゆるしてくれーーーーーーーーーーーー!!」

男たちは数秒の長い悲鳴をあげながら一瞬で全滅した。



 おれは用兵時代に数千人も殺して死神と呼ばれたが人を殺したのは始めてだった。

 だがこんなやつらは死んで当然だった。

 だからふつうだったら人を殺したら罪悪感とかが大変だが特になにもかんじない。

「あ、あわわわ・・・・。」

 あとにのこった豚貴族は馬車の上で失禁していた。

「きっ貴族にさからうのかそんなことしたら・・・。」

「そうですか。おれはべつに手を出すなんていってないのに一方的に手を出してそっちがやられるとか笑えますねw」

「しっしまった・・・。」

 豚貴族は顔を蒼白にした。

 自分から手を出していないのだからおれは正当防衛だ。

 そのことに気付いて豚貴族は顔を蒼白にしたのだ。


「まっまて!お、おれはえらいんだぞ?!おれの父親は貴族で・・・ひぃっ!!」

 おれが剣を突きつけると豚貴族が豚みたいに鳴いた。

「それはべつにお前がえらいわけじゃなくて父親がえらいだけだろ?かんちがいしてるんじゃないですか?それにおれはお前の父親の権力なんてこわくないですしww」

 そのまま剣を突き出すと、

「ぶひぃ!!」

豚貴族は気絶した。


「当たってないぜ。ただのみねうちなのに気絶するとかバカみたいだなwwww」

 おれは剣を寸止めしていた。

 ふつうの剣士なら簡単ではなく難しいが、おれくらいのレベルなら簡単にできることだ。


 小便をちびったまま気絶した豚貴族を放置して、おれは少女のほうに向かう。

「大丈夫かい?」

 そうしておれはやさしい笑みで自分が助けた奴隷の少女のところに歩いて行った。

 無理矢理奴隷にされて奴隷商人にひどい目にあわされてほんの数分前に目の前で姉を殺されたばかりの少女に、返り血を浴びた黒づくめのおれが歩いて行ったらきっと怯えさせてしまうと素人なら思うだろう。

 だが、おれの持つ雰囲気を読み取ったのか、少女はすなおにうなずいた。


(か、かわいい・・・!!)

 よくみるとみすぼらしいかっこうをしていたが、少女はどこかの国の王女だといっても信じられるくらいかわいかった。

 そのせいで、おれはよく妹にしていたみたいに頭をなでてしまった。

「あっ・・・。」

「わっ悪い。いやだったか?」

 こわがらせてしまったかと思ってそう聞いたが、少女は首をマシンガンみたいにぶんぶんと振った。

「お、王子様みたい・・・・ポッ///」

 少女は小さな声でなにかいったが、おれにはよく聞こえなかった。

「なにかいったか?」

「い、いいえ、なんにも・・・。」



 これが裏切りと破壊と凌辱りょうじょくと血と臓物と畏怖と憐憫と侮蔑と嘲笑と尊敬と凌辱りょうじょくと非日常にまみれた地獄のような世界での最初のであい。

 おれと、のちのおれの最初の妻となるリスティーナ姫との最初のであいだった。



               << 前の話 次の話 >> 目次

























「……………………」

 小さなワームホールから無理矢理取り出したミニノートPCの画面を前に、鋼は硬直していた。

「ど、どうじゃ!? す、すごいじゃろ?」

 そんな鋼に、シロニャがワクワクした顔で問いかける。

「ある意味ものすごいけどな……」

 それ以上は鋼にはコメント不能だった。


「じゃ、じゃってアレじゃぞ!

 こう、絶対的な力で何でもかんでも螺子伏せてじゃのう!

 もう日ごろのストレスを制空権のカナタにフットバスが如く……ふ、ふひひひ!!」

 感情移入しすぎてシロニャの目がやばくなっていた。


「いや、シロニャ? おいシロニャ?」

「そう、そうなのじゃ!

 逆らうものなどだれもいない!

 ワシが、ワシこそが神になるのじゃぁあ!!」

「いや落ち着けよお前は生まれた時から神様だからな!?」

 鋼は全力でツッコミを入れるが目の逝っちゃったシロニャは聞いてもいない。


 これ以上トリップされると面倒なことになる。

 そう判断した鋼は強硬手段に打って出た。


「きっ貴様なにをするやめっ……うにゃーん」




 シロニャ(分身)を撫で回すことで何とかことなきを得た鋼。

 数分後、夢見心地で目を覚ましたシロニャはなぜか零夜に関する全ての記憶を失っていた。

 とりあえず悪夢の再来を恐れた鋼は、シロニャにネット小説禁止令を出したのだった。









『零夜の奇妙な転生』の感想


投稿者 シロニャ [20xx年 12月 27日 (火) 15時 26分 08秒] ----女性


▼良い点

今まで散々味方キャラを殺しまくってきた惨殺の白猫将軍がすごく美人でしかもこっちに寝返ったのがちょおビックリしたけどグッジョブ!


▼悪い点

零夜という名前はかっこいいと思うが、鋼鉄とか鉄鋼とか、堅そうでハ行で始まる三文字くらいの名前の方がかっこいいと思う

ここは変えるべき


それと、最初の方で出て来た転生させる神様は、もっと白くて猫っぽくて幼女っぽい方がよかったと思う

あと、その神様と主人公をなかよくさせてマスコットキャラにすれば人気倍増まちがいなしじゃと思う


▼一言

この作品を嫉妬したやつらが『厨二小説』とか『それは言い過ぎ。むしろ小児小説』とか書いてるみたいじゃけど、負けないでこれからも更新がんばってください!!!!!!!

p.s.

あまり自身はないのじゃが、それなりの確立で以外にも黒猫将軍の鎧の中身も美人でしかも巨乳なのではないかと思うのじゃが、そいつは敵のままでむごたらしくやられればよいと思う



『零夜の奇妙な転生』に対する批評・批判はブラックファントム・ゼロ先生にお願いします

あるいは読んだそばから忘れてください




これを書くのに三日かけたとか言えやしない、言えやしないよ……

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