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天啓的異世界転生譚  作者: ウスバー
第十二部 賑やか帰還編
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第六十六章 ある一人の天才


「で、では第一回、魔王が復活しちゃいそうだけどどうしたらいいかな会議を始めたいと思いまぁす!!」

 クリスティナの掛け声と共に、鋼、シロニャ、ラトリス、クリスティナによる魔王対策会議が始まった。



「それじゃここは一つ、クリスティナに加速結界の中で数年ほど修行してもらって、世界移動魔法を覚えてもらうとか」

「それは難しいじゃろうな。むしろコウの能力値が上がっとるのが例外で、普通はこんな魔力のない場所で強くなるとか無理なのじゃ。

 あと、あそこにはそもそも人生で36時間までしか入れないしの」

「200倍速で36時間までですかぁ。365倍速で48時間までに比べるとけっこうな劣化ですねぇ。

 ……じゃなくて、二人とも平然とこわいこと言わないでくださいよぅ!

 いくらわたしでも、あんな狭いところで一年近くも修行とか心折れますから!」



「ならいっその事シロニャ様を加速結界に放り込んで回復を早めるのはどうでしょうか?

 この前買ってきたにぼしの袋と一緒に四時間程放置すれば十分でしょう」

「普通に餓死するんじゃよ! そもそも神力は信仰パワーでチャージされるから、ワシだけ加速しても回復は速くならんのじゃ!」

「え? お前、信仰とかされてたのか…?」



「ああそうだ、自力が無理なら向こうの神様と連絡を取って……」

「その時点で無理じゃ! 向こうの世界と通信するには次元の扉を開かねばならないから転移と同じくらい力を使うし、古神の連中は基本、人が辿り付けなかったりそもそも生存できないような辺鄙なところにひきこもっとる!

 運よく下界に降りた時に通信できればよいが、そうでなければ神力だけ消費して、たぶんつなげることすらできんのじゃ!」

「状況、さらに悪化したじゃないか……」



「それよりワシとしては、いっそ計画を前倒しするべきじゃと思うのじゃ!

 無理矢理でもどうにか頑張って二週間くらい早く向こうの世界に行ければ……」

「いやいやいや! だから向こうに行く日付ってのは一番動かせない要素だろ!?

 というか、さっきの話聞いてたらなおさらそんなことするつもりにはなれないって!

 転移の結果、人が生きられない場所に飛ばされて全滅、とか僕は嫌だぞ?」

「じゃ、じゃからさっきのは神様が住んでる場所の話であって、神の力で無理矢理に転移したからといってそういう場所に飛ばされる危険性は……まあ、まったくないとは言えぬのじゃが、むぅぅ」



 結局これといった名案は出ない。

 やがて、全員の口数が少なくなった頃、鋼が立ち上がった。


「よし、やめ! とりあえず、計画通りに行こう」


 そう言って、話し合いの打ち切りを宣言する。


 その言葉に、シロニャは目を見張った。

「な、なんじゃと! しかし、12月31日にはもう魔王が復活しちゃうんじゃぞ?

 今の計画のままじゃ、とても間に合うとは……」

「でも代案がないなら仕方ないだろ。

 まあ25日、クリスマスの日の朝から情報収集すれば、一応ギリギリ一週間は使えるんだ。

 その間に、何か魔王の復活を阻止できるような情報が見つかることを祈るしかない」

「しかし、そんな都合よく行くとは……」

 シロニャは考える。


 こちらの世界で向こうの世界の魔王に関する情報が簡単に手に入るとは思えないし、もし何か有益な情報が手に入ったとしても、こちらの世界から魔王の復活を止められるとはとても思えない。

 かといって何か別の方策を取ろうにも、とにかくシロニャの力がたまるまでは向こうの世界には行けない。

 八方ふさがりだとシロニャ自身も感じてしまっていた。




 シロニャがまだ必死に考えているというのに、鋼は本気であきらめてしまったようだった。 

「ということで、僕はちょっと勉強する。

 自分の部屋にもどるから、何か用事があったら……」

 あっさりと投げ出してしまった鋼に、シロニャはむかむかして自分の首についていた首輪を投げつけた。


「おわっ! い、いきなり何するんだよ!

 ってコレ、証石の首輪じゃないか!」

「ふん! そんなもんもう要らんのじゃよ!

 向こうの世界よりもそんなに勉強が大事なら、さっさと行けばいいのじゃよ!」

「いや、そんなこと言われても……」

 鋼は困り果てて、その場に立ち尽くした。


 しかし、この場は任せて下さい、というラトリスからの目配せを受け、

「僕も、何かないか、考えてはみるから……」

 鋼は結局自分の部屋にもどっていった。




「なんじゃよ! 本当に根性のないやつじゃな!」

 そんな鋼を見て、シロニャは怒りを露わにする。

 それをたしなめたのは、ラトリスだった。

「シロニャ様。考えてもみて下さい。

 このまま12月31日を迎えれば高い確率で魔王が復活し、向こうの世界は恐るべき死地となってしまいます」

「そうじゃ、じゃというのにコウは……」

 シロニャは思い出して憤る。


 が、ラトリスはそのシロニャが言いかけた文句を逆手に取って、

「だというのにハガネ様は、一度も向こうの世界に『行かない』とは口にしませんでした」

 冷静にそう指摘した。

「む、むぅ……」

「本当に根性のない人間に、その様な事が出来るでしょうか?」

「それは、そうじゃが、でも……」

 それでもまだ納得しきれないシロニャ。


「マキ様から、ハガネ様の昔のお話を伺いました。

 ハガネ様は交友関係が広いとは言えませんが、ハガネ様をよく知る者からは、まるで二つ名のような渾名で呼ばれる事もあったそうです」

「二つ名のようなあだ名?」

 ラトリスの語り口に、つい興味を引かれたシロニャはラトリスの術中にはまって聞き返してしまった。

 それをおくびにも出さず、ラトリスは答えを口にする。

「曰く、『誤解の天才』と」


「『誤解の天才』か」

 シロニャにも、それは鋼を表す言葉としてぴったりだと思えた。

「はい。ハガネ様は昔から、なぜか人に誤解されたりご自分が誤解なされたりという事が多かったそうです。

 今回も、そうではないでしょうか?」

「もしかすると、そうかもしれんの……」

 鋼には真面目にこの事態を解決しようというつもりがないとシロニャは思ったのだが、本当はずっと、思い悩んでいるのかもしれない。


 そう考えると言いすぎたような気もしてくるのだが、シロニャから謝るのも何だかおもしろくない。

「あ、あの!」

 そこで、今まで黙っていたクリスティナが口を開いた。


「わ、わたし、急に魔王が復活するとか言われてびっくりしちゃってますし、なんか、まだ色々実感わかないんですけど……でも、これだけは分かります。

 今、ハガネさんでも解決できないような問題が起きてて、ハガネさんはとっても困ってるんです。

 だからこれは、不謹慎ですけど、チャンスだと思うんです」

「チャンス、じゃと?」

 いぶかしげな声を上げるシロニャに、クリスティナはいつもとは違う、真剣そのものの表情で言った。


「ハガネさんでも状況がどうにも出来ないからこそ、今、わたしたちが頑張らなきゃいけないんです。

 それで、ハガネさんに解決までの道筋をつけてあげるんです。

 相手が困ってる時に力を貸す。

 それが、友達で、な、仲間、ってものだと思うから!」

「クリスティナ……」

 シロニャは目を見開いた。


 シロニャはそんな風に考えたことはなかった。 

 鋼が匙を投げた時、シロニャはただ、鋼に失望するだけだった。

 それはもちろん、シロニャがそれだけ、鋼に期待していたという証拠ではあるのだが。

「そういう考え方も、あるのじゃな……」

 クリスティナの言葉は、シロニャが想像もしなかったもので、しかし、シロニャの心に火をつけるには十分なものだった。


 そして、シロニャだけはではない。

「さて。なら私は、この世界の魔王についての伝承でも当たってみましょうか」

「ラトリス?」

「情報収集は25日の朝から。

 ハガネ様の計画に従うならそういう風になりますが、早く始める分には構わないでしょう」

 どちらかというとシロニャと対立しているはずのラトリスも、やる気満々だった。


「よーし! 方針は決まったのじゃ!

 ワシら三人、力を合わせて、コウの度肝を抜くような解決策を見つけてやるのじゃ!

 そして、コウに、自分は頼りになる仲間を持っていると、思い知らせてやるのじゃよ!」

 シロニャのその言葉に、

「や、やりますよぅ!」

 クリスティナがどもりながらも拳を突き上げ、

「全力を尽くしましょう」

 ラトリスがいつも通り、表情を変えずにうなずいた。


 ――こうして、シロニャたち三人の戦いが始まったのである。




 シロニャたちは、そこから必死で打開策を考え続けた。

 シロニャは神様のネットワークを利用してどうにか情報を手に入れられないか試み、ラトリスは図書館とインターネットを駆使して魔王についての情報を集め、クリスティナはこちらの世界でも使える魔法を開発しようと研究を続けた。


 どこからそんな活力が、と見る者に思わせるほどの情熱だった。

 彼らはひたすら、努力を続けた。

 雨が降っても、風が吹いても、鋼がマキと二人でイチャイチャと試験勉強をしても、雪が降っても、街の至るところに電飾が飾られるようになっても、鋼が鬼気迫る様子で腕立て伏せをしていても、街にジングルベルが鳴り響いても……。

 つまり、

















「キングクリ〇ゾン!! ですね?」


「ワシの台詞を取るんじゃないのじゃ!

 じゃなくて、結局無理だったではないか!」


 シロニャたちは決定的な策を何も見つけられないまま、あっという間にイブの朝を迎えてしまったのだった。



「ま、まだ諦めるのは早いですよ。

 12月31日までまだあと八日あります!

 たとえ前日でも、何とか向こうに行きさえすれば可能性はあるんですから……」

 そう言って鼓舞するクリスティナだが、その言葉にも今一つ力がない。


 やはりそれを聞いても元気は出ず、シロニャはがっくりと肩を落とした。

「コウともなんかちょっとギクシャクしたままじゃし、じゃが何も成果がないままでは顔向けできんし、もう一体どうすれば……」

 そんなシロニャに、ラトリスはいつもの冷静な口調で言った。

「いっそ、素直に謝ってしまったらどうですか?」

 ラトリスとしては、シロニャと鋼が不仲なのは歓迎してもよいのだが、さすがにこの状況において、仲間内での不和は歓迎できない。そんな計算から発せられた台詞だったが、

「そ、そんなかっこわるいことできんのじゃ!」

 妙なところで意地っ張りなシロニャは突っぱねた。


 と、そこに、

「みんなー、朝ご飯できたぞー」

 噂の人物、鋼が顔を出す。


「わ、わぁあ!!」

 クリスティナがあわててさっきまで広げていた研究資料を隠し、シロニャがそっぽを向いて口笛を吹き始める。ラトリスはそんな二人を見て、無言で額を押さえていた。


 それを見た鋼は、呆れて言った。

「そこまであわてなくても、みんなが僕に隠れて色々やってるってことは気付いてるって」

 隠し通せていると思っていたのは、シロニャとクリスティナだけだった。


「そ、その、ワシらは……」

「僕はみんなが、頑張ってたのを知ってる。それが、あんまりうまくいってないみたいだってことも。

 もしかすると、その努力の内の何割かは、僕のためなのかもしれないけど……でも、それでもあえて言うよ。

 もう、ここまで来ちゃったんだから、じたばたしても仕方ないと思う」

「じゃ、じゃが……」

「明日からは僕も動くし、確実に忙しくなる。

 だからさ。今日くらいは、ゆっくりしようよ」

 鋼の言葉にシロニャはキュッと唇を噛み、しかし静かにうなずいた。



 そうしてシロニャたちは久しぶりに、全員で食卓を囲んだ。

「あ、あれ? 今朝の食事、なんだかすごいです!」

 クリスティナの驚きの声が朝の居間に響く。

「今日は特別な日だから、ちょっと張り切っちゃったわ」

 と胸を張るのは鋼の母親だ。

 寝食を忘れて研究に没頭していたせいで、そういう普通の家族のやり取りすら懐かしい気がして、クリスティナはなぜか涙が出そうになった。


 全員で「いただきます!」と唱和して、朝食にかぶりつく。

 いつにもまして豪華な朝食と、鋼と仮にとはいえ仲直りができたという安堵。

 シロニャたち三人は、鋼の母親がびっくりするくらいの勢いで朝食をたいらげた。



 昼時には、この世界に来てから初めて、鋼と鋼の両親、それにシロニャ、クリスティナ、ラトリスというフルメンバーで外出した。

 魔力補給の名目で鋼とずっと手をつないでいたラトリスはずっとご機嫌だったし、それを見ておもしろくない顔をしていたシロニャや人ごみに酔ってしまったクリスティナも、みんなで買い物や食事をする内に全員笑顔になっていた。



 そしてその後。早めに取った夕食は、朝食よりももっと豪勢だった。

 鋼の母親は今日に備えてこれでもかとばかりに料理や食材を買い込んでいて、その完成図たるや、満漢全席もかくや、というほど。

 もともとこの世界にいた鋼やシロニャはともかく、こちらの世界に来てから日の浅いラトリスやクリスティナが見たことのない料理も数多く食卓に並び、鋼たちの目と舌を楽しませた。

 終始にぎやかに食事は進み、途中、鋼による家族&仲間全員へのプレゼントの贈与などのサプライズイベントもあり、その日の夕食は大盛り上がりに盛り上がった。たぶん、鋼がこの世界にもどってきてから一番騒いだと言っていいほどの盛り上がりっぷりで、涙もろい鋼の母親などは感極まって泣き出してしまったほどだ。




「こ、コウ! ちょっと、話したいことがあるのじゃ」

 楽しかった夕食の後。

 シロニャは、鋼と二人きりで話をした。


「その……ワシは少し、焦っていたようなのじゃ」

 おずおずと、そんな風にシロニャは切り出した。

「おぬしを見返すことばかり考えて、色々なものを見失っていた。

 それを今日、気付かされたのじゃ。

 たぶん、おぬしの両親にも迷惑をかけたじゃろうと思う。

 ……すまかったのじゃ」

 ぺこりと、シロニャが頭を下げた。


「大丈夫だよ。僕の親は、どっちもおおらかだからさ。

 たぶん全然、気にしてない」

「そう、言ってくれると、ワシも気が楽じゃ。ありがとう」

 それで、シロニャはだいぶ表情を緩めた。


 それでも、話はまだ終わっていない。

「じゃが、ワシはまだ魔王の復活を止めることをあきらめたワケではないのじゃよ?

 もちろん明日からは、今まで以上に努力するつもりじゃ。

 ほ、ほら、じゃって、向こうの世界がなくなったらワシの仕事もなくなっちゃうワケじゃからな。それは、やっぱり困るじゃろ?」

 シロニャのとってつけたような理由に、素直じゃないなと笑いながら、

「……ああ。僕も、頑張るよ」

 鋼はそうやってうなずいていた。


「う、うむ。こ、心強いのじゃ。

 ええと、じゃがそれは、明日からでも構わないワケで、今日はまだ終わってないワケで、じゃな……」

 そこで、急にシロニャの動きが怪しくなった。

 顔を伏せながら一気に言う。

「と、ところでじゃが、クリスマスイブというのは、アレじゃそうじゃな?

 そ、その、聞くところによると、世の恋人たちはこの日、ずっと前からデートの約束をして、きらびやかに着飾って、二人きりで映画やコンサートに出かけて、その後、予約しているレストランに行って、そ、それから、予約しているホテルで……や、いや!

 と、とにかくじゃ! そんな風に一日を過ごす風潮があると、ワシも聞いておる」

「う、うん? ああ、まあ、そういうこともあるかもしれないけど……」

 話が読めずに首をかしげる鋼。


「な、なら、ワシらもその風潮に、ならってみんか?」

「え?」

「も、もちろんワシらの計画なんて今日決めたものじゃから前からの約束なんてないし、きらびやかに着飾った服も、映画やコンサートのチケットも、レストランやホテルの予約も、何もないのじゃ!

 じゃ、じゃが……それでもワシは、コウと一緒に過ごせれば、きっとそれは、最高の時間になると思う。

 じゃから、コウ!」

 そこで、真っ赤になった顔を上げて、シロニャははっきりと鋼の顔を見た。



「ワシと、今夜一緒に過ごしてほしいのじゃ!」



 ありったけの勇気と想いを込めたシロニャの言葉。

 それを受けて、鋼は、


「誘ってくれてありがとう。でも、ゴメン」

「え?」


 心底すまなそうな表情で、頭を下げる。



「分かってるだろうけど、今日は、特別な日だからさ。

 さすがに今夜ばっかりは、シロニャに付き合ってあげる余裕なんてないんだ」

「え? え?」

 自分の誘いが断られたことについていけてないシロニャに向かって、いつの間に手にしていたのか、12月24日と日付の書かれた、つまり正しく今日のために用意されたチケットを、シロニャに見せつけるようにひらひらと振ってみせて、


「なんというか今日は、先約を優先させてもらうってことで。

 ほら、女の子との約束は、やっぱりちゃんと守らなきゃいけないからさ」


 慣れないおどけた仕種で、鋼はキザったらしくウインクをした。



 そして、

「おっとっと、そろそろ電話しなきゃ間に合わないな……」

 呆然とするシロニャの前で、鋼は携帯を取り出すと、誰かにかけ始める。


「あ、もしもし、マキ?

 その、これから会いたいんだけど、大丈夫かな?

 ほら、前から約束してた通り……え、覚えてない?!

 いやいやいや、それはないだろ!

 僕がずっと前からこの日のために色々計画してたの、マキも知ってるだろ!?

 え? そりゃたしかに、今日会おうってはっきりとは言ってなかったけどさ。

 それは話の流れ上、分かってほしいというか……。

 うん。……うん。

 ああ、それでいいよ。

 じゃあ待ち合わせの場所は……」


 携帯に向かって楽しそうに話しかける鋼の声を聞きながら、


(ま、さか……)


 シロニャは、閃光のように突然、自分の頭にとある考えが浮かび上がってくるのを感じていた。


 情報収集なんていつ始めてもいいはずの作業を、今日までやらなかったのはなぜか。

 20日にはもう鋼の学校は終わりになったはずなのに、実際に動き始める日をあえて五日後の25日に定めたのはなぜか。


 それは、シロニャの頭の片隅にずっと引っかかっていたちょっとした疑問。だが、それもある一つの仮定のもとに考えを進めれば、全て納得できる。

 

 つまり、それらの全ては……。



「今日のデートのためかアホンダラァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」






 不真面目かと思えば実は真面目。しかして真面目かと思えば実は不真面目。

 結城鋼という少年は、つまりこういうやつなんじゃな、とシロニャは少しだけ、鋼のことを理解したという。



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