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タナカカナタのカタナ  作者: キクメン


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第98話

 すぐに村長及び各組合の長と職員達が駆け付けてきて、ボロジキン本人で間違いない事と、3人の野盗については他の村で指名手配されている人相の野盗に合致している事が確認され、ボロジキンについては即刻死刑が実行されることになった。


 村の中央広場に仮設の死刑台が設けられ、その上で鍛冶屋が作った最高の剣で、鍛冶屋に変わってシャルがまだ気絶したままのボロジキンの首を一瞬で斬り落とすと村中大歓声に包まれ、村人たちの中には号泣して地面に泣き崩れたり、互いに号泣しながら抱き合っていたりしていた。


 私はシャルが剣を持ちあげたところで目を落として地面を見ていた。人の首が斬られる光景もそれをシャルがやっている姿も見たくなかった。私はまだ甘い人間なのだろうか。


 その後村中あげてのお祭り状態となり、女性達は皆建物から出てきて顔を覆っていた布をとり、恋人同士抱き合ってキスする者などもいた。


 私とシャルはそのまま近くの食事処に案内され、酒と食べ物が出てきて祝賀ムードとなった。


 首を斬り落とした直後だというのにシャルは全く意に介さず飲食を楽しみ、私もショッキングなシーンは目を伏せていたのと、昼食がまだで先程まで結構な重労働だったので腹が減っていたので、出てきた料理をどんどんモリモリ食べた。


 いい感じに腹が仕上がったところで、その場で村長からの感謝状や組合からの報奨金をもらい、シャルのランクがさらにあがって5級になった。


 結局もう一晩この村で過ごし、翌日ほぼ全ての村人達に見送られながらニッキのいるハイラル家までの移動の旅を再開した。


「いやはやなんとも予想以上に有名人になってしまった、こりゃちょっと次からは気を付けて行動しないといかんな・・・反省反省」


 確かにシャルの言う通りで、とりわけ「今の」シャルにしても大分モルサールに近い存在なので、あまり有名になりすぎると要らぬ風聞がで回ってしまう可能性がある。そうでなくともこの美しい容姿は目立つので、あまり表立った行動は控えた方が無難なのは間違いない。


「多分今回は大丈夫だと思うが、手を出した相手によってはそいつらに繋がってる連中から恨みを買う可能性もある、正義は良いが次からは素性を隠して行動する事も考慮しないといかんのう」


「なるほどそうだね、次からは正義の仮面をつけてやろう」


「正義の仮面?アハハ!かなたは面白い事を言うのう!だがそれは面白そうだ!」


 子供向け特撮ヒーローものは大抵変身して仮面をつけたりヘルメットを被ってお揃いのコスチュームを着ているのが定番なので、ついその発想が口から出てしまった。


 そうして夕方前に到着した次の村にて宿屋のチェックインを済ました後に、近くの戦士組合に寄って窓口で今の話を相談してみた。


「依頼の際、討伐対象の仲間から報復されるのを防ぐために自分達の正体を知られないように依頼を受ける事は可能でしょうか?」


「はい、もちろん可能です、護衛依頼や復讐の依頼を受ける組合員の大体7割くらいの方々は自分達の素性を知られないようにして依頼を受けます」


「そうなんですね、具体的には皆さんどうなされているんでしょうか?」


「現場に向かう際に覆面をする方が多いです、またライセンス証などの正体が知られるような持ち物は身に着けなかったりします、さらに武器や防具なども特定されないように色を変えたり装飾を変えたりなどします」


「なるほど」


「もちろん組合はしっかり守秘義務を守り、余程の事がない限り誰が依頼を行ったかという事は誰にも教えません」


 と、組合職員からなかなかに有用な情報を教えてもらい、シャルと二人で次から正義の依頼を受ける時はこうした事に配慮して素性が知られないように匿名性を高めて依頼を受けようという事にした。


 それからさらに移動の旅を続け、明らかに立ち寄った村の規模が大きくなり、さらに上下水道が完備されてほとんどが水洗トイレになってきたので、いよいよ王侯貴族連合が治めている西のエリアに入って来たなというのが分かった。


 そうして次の到着目標地点が村ではなく町になるという事で私もシャルもこれまでよりも少しウキウキした気分で進んで行った。


「何か美味しいものがあるかのう!」


「足を伸ばして入れるお風呂があるかなあ!」


「「アハハハハハ!」」


「ヤイ!そこのガキども待て!!」


「ヤレヤレ・・・」


「ハァ、またか・・・」


 私とシャルはリュックから目の部分だけが空いている頭からスッポリ被る頭にフィットするフルフェイスマスクを被って木刀を手にした。


「ウワッ!?何だテメェら!?」


「ワシらは世直し仮面じゃ、貴様ら盗賊には容赦せんぞ!」


「・・・」


「ブワッハッハッハ!子供の遊びもたいがいにせいや!なんだその木剣は?剣すらも持ってないガキに何が出来る?とりあえず貴様達は奴隷にして貴族に売り飛ばしてやる!」


「えっ?この世界ってまだ奴隷制度とかあるの?」


「アタイもこれまで箱入り爺ちゃんじゃったから、あまり世の中の事は知らんが、奴隷制度はとっくに廃止されておったんじゃないか?」


「バカめ!お前達は奴隷は奴隷でも性奴隷よ!一部のアレなお貴族様はアレなプレイが大好きで、お前達のようなガキには金払いもいいんだ!」


「終わっとるな・・・」


「ホントだね・・・」


「まぁ殺しやしねぇ、顔とアソコを傷つける事もしねぇ、だが手や足の一本二本は覚悟するんだな、手足がなくてもお貴族様は気にしねぇんだ、むしろ逃げ出す心配がないから良いって言ってくれるんだ!ガハハハ!おめぇら覚悟しろ!」


「さすがに今日は刀で気絶させるのはやめた、木刀で頭を叩かないと気が済まない」


「手加減の試しには丁度良いんじゃないか?まぁ頭が木っ端微塵になってもコヤツらのような人間のクズならカナ・・・いや、オヌシもそれ程心を痛めることもないだろう」


「ハァ・・・」


 失望をこめたため息の後、きっかり4秒で4人のどうしようもない野盗の頭を木刀で叩き、なんとか頭を木っ端微塵に爆発させることもなく全員気絶させた。多分頭蓋骨骨折はさせていないと思うが、もしかたら脳内出血させてその後の生活に支障をきたす者もいるかもしれない。


 その後私は近くの林から適当な木を切り倒して丸太を作り、一緒に丈夫なツタも入手して、4人を固く丸太に縛り付けて道の真ん中に置いて、地面に子供を誘拐する極悪非道な野盗と書いた。


 それからいつもより速いペースで移動して、町に着いてすぐに戦士組合に行ってこれまでのいきさつを説明すると、すぐに確認のための人を現地に派遣すると言ってくれた。


 私達はいったん宿を探してチェックインしてきたいと言い、直営の良い宿はないか尋ねると、探検家組合直営の少し高い宿があると教えてくれたので、すぐにその宿に行って受付にライセンス証を見せると、高ランク組合員の特別割引価格で最上級の部屋を通常価格の十分の一で泊まることが出来た。


 かなり良い宿にチェックイン出来たので再度組合に戻り、掲示板で依頼を眺めながら待っていると、職員から呼ばれて応接間へと入り、お尋ね者の野盗であるという事が確認されたと説明された。


 シャルと私は野盗達が子供を誘拐して、一部のアレな性癖の貴族に性奴隷として売っている事を報告すると、職員はとても深刻な表情をして組合長を呼びに行った。

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