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タナカカナタのカタナ  作者: キクメン


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第88話

「いっ、いただきます!」

「えいっ!いただきます!」


「えっ?なに?いただく?ます?流行り言葉?」


ガブリ・・・モグモグ・・・モグモグ?・・・モグモグ!?・・・ゴクン・・・!!


「「ウンメェーーーッ!!」」


「でしょーっ!?ウマイでしょーっ!!」


「マイッタ!コレはウマイぞ!ムルギン!」


「うん!参った!僕も参った!凄く美味しい!」


「アハハハハハ!だから言ったでしょ!絶対美味しいって!でも嬉しいよ!凄く嬉しい!」


「うんヤバイよコレ!クセになる!すっごく美味しい!」


「モグモグ、ゴクン!かなたの言う通りだ!これはヤバイ!ヤバヤバのウマウマだ!」


「もう一本食べるかい?」


「いいのか!かなた半分こするか?」


「するする!お願い!」


「アハハハハ!愉快愉快!嬉しいねぇ!」


 実際直火焼きトカゲ足は嘘偽りなく美味しく、ムルギンの秘伝のタレは確かに美味しいのだが、それだけでここまで美味しくなることはなく、3日間干してしっかり仕込んだというトカゲの足が本当に美味しいのだという事が十分分かった。


「いかん、美味しくてあっという間に食べ終わってしまった」


「大丈夫!もっと美味しい主役が残ってるよ!」


「そうか!やった!」


「その前に揚げたてのイモモチも食べてごらん、美味しいよ!」


「やっ!これも美味しそうだ!」


「うん、コレは僕も気になっていたんだ、米のモチは好物だからコレも気に入ると思う」


ムニュゥ~モグモグ・・・ゴクン・・・


「「ウマァー!」」


「気に入ったかい?」


「うん!これは美味しい!米のモチそっくりで僕は凄く気に入った!」


「アタイも気に入った!このムニュウーっていうのがいいな!ムニュウーが!」


「そうか!それは良かった!後でそれと同じ芋を取りに行こう、作り方も教えてあげるよ!」


「ムルギン!オヌシ良い奴じゃのう!アタイと友達になっておくれ!」


「ああいいとも!君等なら大歓迎だ!」


 その後、お待ちかねのメインディッシュ、大トカゲの蒸し焼きが完成し、ムルギンが木のフタを取った瞬間に溢れてきた香りがとても良く、それだけでこれはウマイの間違いなしと思った。先程までダダ下がりだった食欲は一気にV字回復していた。


「さぁ召し上がれ!」


「「いただきまぁす!」」


「いいねソレ、アタシも使おう」


パクッ・・・モグモグ・・・ゴクン


「どう?」


「「!!」」


コクリ・・・パァン!!


「「ウンメェーーーッ!!」」


「ハハハ!ホント仲良いね君達!」


 今の一連の行動を説明すると、私とシャルは既にもう食べる前から美味しいのは間違いないだろうと思って口にしたのだが、その予測をぶち破る程の美味しさだったので、互いに見つめ合いながら頷き合って互いの手の平を叩き合わせたのであった。


「とっておきの尻尾の付け根を君達にあげるよ、ビックリするくらい美味しいから覚悟しておいてよ」


 そうしてムルギンはとても太い尻尾を大胆に輪切りにしたが、なんと骨は入ってなく筋肉と脂肪が良い感じの割合でみっちり詰まっていた。


「この脂肪が丁度良い具合にあるのはなかなか見つからないんだ・・・はい、どうぞ」


「こりゃたまらんのう!食べる前から分かるぞ」


「うん、これ絶対ウマイヤツ!」


パクッ・・・モグモグ・・・ゴクン・・・


「「アハハハハハ!アハハハハハ!」」


「アッハッハッハ!」

「アハハ!アハハ!」


「えっ!?何?どうしたの?アタシ間違えて笑いキノコ入れちゃった!?ウソ!?」


「ハハハハ、ハァーーー、いや、大丈夫大丈夫!もうね、美味し過ぎて笑うしかなかったんだよ」


「かなたの言う通りだ、もう度を超えた美味しさで笑っちゃうしかないぞ!言い方はアレだが、本当に馬鹿げた美味しさだ!かなたの馬鹿げた強さと同じで笑っちゃうくらい感動した!」


「あ~良かった、心配したよ!でもそれくらい美味しいって言ってくれるのは嬉しい!作った甲斐があったってもんだよ!」


 その後も私とシャルは一口食べるごとに笑いが止まらず、それくらい本当に美味し過ぎて笑うしかなかく、どんどん食べ続けてあっという間に大きなトカゲを丸々完食した。


「ひゃあー君達食べっぷりも実に見事だねぇ!」


「アタイ達は良く動くから良く食うぞ!」


「ハハハ!そうなんだね、そしたら一休みしたらよく動いて働いてもらおうかな」


「うん!ご馳走してくれた分は大いに働くぞ!なぁかなた!」


「もちろん!荷物運びは任せて!」


「頼もしいねぇ!そしたら一杯採るぞ!」


「「オオーーーッ!」」


 それからはまさに有言実行で私もシャルも大いに働き、ムルギンが教えてくれて指し示した薬草や山菜にキノコや果物などをどんどん採取していった。


「凄いね!まるでサルみたいだ!じゃああそこの木の上にある実を採って来れる?」


ダダダダッ!ピョンピョンピョン!


「これでいーかーい!?」


「いーよー!」


シュタッ!


「かなた・・・君ホントに人間かい?」


「なっ!凄いだろ?かなたは超人なんだ!」


「これはここだけの話、3人だけの秘密にして欲しいんだけど、実は僕が思うにこの力は魔の森の果物を食べたからだと思うんだ・・・」


「えっ!?魔の森の物なんて口にしたら人間は即死するんだよ!?」


「そうだ!アタイも物凄く水で薄めたのを数口飲んだだけで・・・ウッ!な、なんでもない・・・」


「えっ!?何っ?シャルも何かやらかした感じ?」


「う・・・うん、まぁ、そんなところ、昔少しの間仮死状態になった・・・その、秘密で頼む」


「分かった!といってもほとんど密林暮らしで、普段滅多に人と会って話す事もないから安心して」


「僕が食べたのは果物と白いキノコで、どれも凄く美味しかったんだけど、果物は力が満ち溢れてじっとしていられなくなって、朝から真夜中まで剣を振り続けたんだ、そしたら次の日身体中針で刺されたような激しい痛みの筋肉痛と強烈な空腹で死ぬほど辛かった・・・」


「なっなんと・・・」(シャル)


「ヒエエ・・・」(ムルギン)


「キノコもかなりヤバくて一度その香りを嗅いだらもうすっかりその虜になって、いくら拒絶しても我慢出来なくでムシャムシャ食べたんだ、そしたら気が変になったように笑い始めて、そしたら自分の魂が身体から抜け出して空高く浮かんでいくという幻覚を見た、次の日には元に戻ったけど」


「こ、怖ぇ・・・」(シャル)


「ヤバ過ぎる・・・」(ムルギン)


 二人からは良くそれで死ななかったと驚かれ、それを乗り越える肉体があったから魔の森から生きて帰る事が出来て、超人的な肉体を手に入れたんだと納得していた。自分も多分そうだろうと思った。


 その後もシャルと二人で色々と採取し、私は薬草と山菜とキノコと果物がドッサリ入ったカゴを軽々と持ち上げてムルギンの家まで運んでいった。


 シャルは昼にご馳走になった大きなトカゲを2匹かついで運んでいた。両方ともムルギンの罠とシビレ餌で捕まえたもので、そうじゃないと美味しい尻尾がトカゲのしっぽ切りで切り離され、味も劣化するとのことだった。


 ムルギンは大いに満足した顔で、二人がいてくれたおかげでひと月分以上の稼ぎが1日で得られたと言ってとても喜んでいた。


 その後ムルギンから今日の夕食と明日の朝食に使える食材を色々もらって帰り、早速シャルと一緒に調理して美味しく食べた。

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