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タナカカナタのカタナ  作者: キクメン


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146/152

第146話

 案内された部屋はそれはもうあまりの豪華さと広さでしばし声も出ない程だった。


 確かにお城の貴賓室もハイラル家の客室も素晴らしく豪華で上品だったが、今回の部屋はそれとはまた違った点で豪華で、まず何といっても眺望が段違いに素晴らしく、その眺望を眺めながら風呂にも入れるというのがこれまでにない豪華さだった。


「スゲェーッ!オイラこんな凄いホテルに泊まるの生まれて初めてだよ!」


「アタイもだ!」


「極一級のかなた兄ちゃんのおかげだ!」


「いや、それを言ったら神の使いのリュウト様のおかげだよ!」


「いやぁ~そうだけど、でもそれも結局かなた兄ちゃんのおかげでしょ?」


「確かにそうだ、かなたが大ウソついてリュウト達を神の使いにでっちあげたんだ、さすがかなた、時々かなたはアタイも驚く程凄く大胆な事をする」


「うっ・・・」


 なかなかに鋭い指摘に少したじろいでしまった。


 ともあれ、こうして素晴らしい宿に泊まれることを皆大いに喜び、宿を押さえたら次は美味しいグルメだという事で、私達は宿の受付カウンターに戻り、美味しいレストランについて教えてもらった。


 時刻は夕暮れ時に差し掛かっていたので、今日は美しい夕日を見ながら食事をしようという事で、先ほど教えてもらった同じ階層にあるおすすめのお高いレストランに行く事にした。


 リュウトがいるとどこでもVIP待遇で、本来であればトカゲと一緒に入店は無理だと思われるが、神の使いとなれば話は別で完全に個室のとても見晴らしの良い席を案内してもらった。


 早速ディナーのコース料理を頼むと、とても綺麗なお皿にチョコンと小さく盛り付けられた前菜が出てきて、味は大変美味なのだが大食漢に近い私達には足りず、出される料理はほぼあっという間になくなり、全てを食べ終わっても腹八分どころか半分にも満たなかった。とはいえ、味はすこぶる美味しかったし、窓から見える夕日と河岸段丘の街並みはとても美しかったので、その点では大いに満足した。


 そしてこの店でもお題は無料という事で、こうなるとなんだか申し訳ない気がするが、店の人達は作り笑顔ではなく、本当に嬉しそうにいつでもまた来てくださいと言ってくれたので、今度は朝食をご馳走になりに来ますと言って店から出た。


 外に出ると今度は夕日の明かりではなく、階段状の町の灯かりがとても綺麗に彩られ、下の階では様々な飲食店が賑わっていたので、私達は少し物足りなかった分を補充しに行く事にした。


 一番下の階は屋台料理の店が多く、二回戦目はそうした屋台料理店で少しずつ色んな物を食べようという事になった。


 定番の串焼きに鉄板料理、さらに驚いたことにおでんのようなものまであったが、醤油味じゃないのが残念だったがそれでもダシの効いた塩味スープは大変美味しかった。


 せっかくなのでお酒も飲もうという事で、結構並んでいる所に行ってみると、どうやらカクテルのようなものを出しているようで、早速一番人気のものを頼んで飲んで見ると甘い果実にパンチの効いた炭酸と後から爽やかな酸味が口に広がって、これは美味しいと全員気に入ってすぐにおかわりを飲んだ。


 ちなみにここでもリュウトは姿を隠すことなくパタパタ飛んでおり、人々の注目を集める事になったが、それでも特に人が集まってくることもなく、手を振ったりして見守ってくれた。


 ちなみに屋台でもタダで良いと言ってくれる所が多かったが、恐らく屋台料理店は組合に請求に行く事はないんじゃないかと思い、全てちゃんと支払った。


 屋台料理店はまだまだ多くあったが初日で全部行く事はせず、楽しみは後に取っておこうという事で、宿に戻り絶景の眺望を楽しみながら風呂に浸かった。もちろん先にシャルに入ってもらい、私とリュウトとスラちゃんが一緒に入った。シャルは私だけ3人で仲良く風呂に入って良いなと羨ましがったがこればかりは仕方がない。


 翌朝、まずは腹ごしらえという事で昨日夕食をご馳走になった高級レストランに行ってみると朝早くからモーニングを提供しているようなので、早速入ってモーニングセットを注文すると、どうやら昨日のディナーで気付いたらしく明らかに他の客達よりもボリュームがあった。


 昨夜二回戦目で結構お腹いっぱい屋台料理を食べたにも関わらずさすが人気の高級料理店という事で非常に美味しかったので全て綺麗に平らげて満足すると、店の人達もとても嬉しそうだった。


 どうにも一銭も支払わず出ていくのに慣れないが、店の人達は皆とても笑顔でまた来て下さいと言ってくれるし、一応組合に請求しているようなので、朝はなるべくここを利用する事にした。


 その後例の八面体が描かれた古代壁画のある洞窟の場所を聞きに行くため、私達は探検家組合に向かっていった。


 最上段の場所から下から二段目までの移動なので、普通の人ならかなり時間もかかるし、疲労もすると思われるが私達にとっては食後の良い運動程度で、前に人がいない場合は2段飛びどころか10段飛びで転がるように下の段に移動した。恐らく常人ではヒザに深刻なダメージを受けるだろう。


 そうして大分周りの注目を集めながら探検家組合に到着し、早速窓口にて古代壁画のある洞窟の場所について尋ねてみたところ、すぐに別の職員がやって来て応接室に案内されて、詳しい人を呼んでくるのでそれまでお待ち下さいと言ってお茶を出してもらった。


 しばらく美味しいお茶を飲みながら待っていると、数冊の本と大きな巻物を抱えた学者風の人がやってきて、リュウトとスラちゃんを見るなりオォーッ!と声を上げて喜んだ。


「まさかこうして皆さんと直にお会いできるとはとても感激です!おっと、申し遅れました、私はこの辺りの遺跡や洞窟を専門に研究しているポロント・ドゥ・パルメロンと申します、一応超一級探検家などという肩書を頂いておりますが、皆さんの前では恐れ多いです」


「キュキューキュ!キュキュキュウー!」


「ポロントさんは古代壁画の洞窟発見者なんですね!とても会いたかったです!・・・と、スラちゃんが言っています」


「えっ!?もしかしてこちらの神の使いの召使い様がそう言っているのですか?」


「はい、ええと・・・実はその・・・スラちゃん、本当の事言っていいの?」


「キュウ!」


「実を言いますと、スラちゃんは元探検家のザンブロワさんなのです、口で説明するよりも直に触れて見ると分かると思います、かなりショッキングな光景ですがポロントさんには是非真実を知って欲しいです」


「ゴクリ・・・わ、分かりました・・・」


 そうしてポロントはスラちゃんに触れて、例のショッキングな映像を見た。


「な、なんと・・・なんという・・・」


 ポロントは頭をのけぞらせ目の辺りに手を当てて天を仰いだ。


「フゥー・・・、確かにコレは世間に公表しない方が良いと私も思います、ですがザンブ、いや、スラ殿、苦渋の選択であった事、心中お察し致します」


「では、私も皆さんに私の秘密を打ち明けます、実は私も魔の森の食べ物に近い物を口にしたのです、そのおかげでそれまでの私とは全く違う強靭な肉体を手に入れました」


「「「 !! 」」」


 ポロントの説明によると、彼は一度古代壁画のある洞窟内で滑落して大怪我をして動けなくなり、激しい痛みによる高熱と極度の空腹で意識が朦朧として正常な判断が出来なくなり、思わず周辺に生えていたコケを口にしたところ気を失い、その後目を覚ますとすっかり元気になり、両足に加えて肋骨も折れて、折れた骨が内臓に刺さっていたはずなのに身体のどこにも異常がなくなり、それどころか以前の自分とは比べ物にならない程の筋力や持久力や免疫力が身に付いたとの事だった。

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