第141話
「なにコレ!?これで機械なの?全然そうは見えないよ!さすが宇宙人が作った物だ!」
リュウトの言う通り私が知っている機械とはかけ離れていて、なんというか私には良く理解出来ない芸術作品のオブジェのように見えた。
キュゥン、キュゥン、キュゥン
ピキン、ピキン、ピキン
「やっ!音が変わった!何か・・・多分助けて欲しがっているような気がする」
「オイラもそう思う!」
「そうだね、間違いないと思う、でもどうすればいいんだろう・・・」
「とりあえず倒れているのを起こしてあげたらいいんじゃない?・・・って、こんなに大きくて重そうな鉄の塊どうやって起こせば良いのか分からないけど」
「とりあえずやってみましょう!」
シルビアが一番手前の不思議な形の金属の塊に近付き6本の脚で踏ん張って2本の足で金属の塊を掴んだので、私達も一緒に引き起こすのを手伝った。
「せぇーの!・・・それぇー!」
ゴトリ・・・ゴトォォォン!!
「うまくいったぞ!」
「驚いた!意外にいけるもんだね!」
多分普通の人には絶対無理だと思う重さだったが、私達が力を合わせれば引き起こせられた。
その後二手に分かれてそれほど大きくないモノを先に次々と引き起こしていった。
床はかなり広く機械もかなり沢山あるようで、私達はひたすら倒れているモノを起こしていった。
途中でお腹が空いたので、リュックから干し肉を取り出そうとすると、八面体が近付いてきて何やらトレイのようなものを差し出してきた。
キィンキィン・・・キィンキィン・・・
「えっ?干し肉が欲しいの?」
キキュン、キキュン
私はトレイに干し肉を乗せたが、金属音は鳴りやまなかった。
「えっ?もっと?欲しいの?ビスケットも?えっ?全部欲しいの?」
キキュン、キキュン
「僕等も食べる分が欲しいんだけど・・・」
キキュン、キキュン
「乗せてみたらどうだ?かなた、もし食べ物がなくなっても上に戻って果物を取ってくればいいし」
「そうだね、多分何か必要なんだろうね」
私はリュックの中に入っている食べ物を全部トレイに乗せると、トレイは八面体の中に取り込まれ、その後八面体はピカピカと点滅し始めた。
キキン、キキン、キキン、キキン、キキン
キキン、キキン、キキン、キキン、キキン
キキン、キキン、キキン、キキン、キキン
キキン・・・キーン!
「なんか電子レンジみたいだ!」(リュウト)
「うん!私もそう思った!」(ニッキ)
「アハハ!私も!」(シルビア)
その後トレーが出てきて、トレーの上には湯気が出ているビーフシチューのような物が入ったお皿とスプーンが人数分乗っていた。
「凄く良い匂いがするぞ!」(シャル)
「ホントだ!凄く美味しそう!」(リュウト)
「美味しそうですね!」(ニッキ)
「キュキュキュ!キュキュキュー!」
「ステータスに食べると10日は持つ完全栄養食って書いてあります!」(シルビア)
「10日も!?それは凄い!」(ムルギン)
「そういう訳だったんだね!有難う!」
「「「 ありがとう! 」」
「キュウウゥー!」
キィン、キィン、キィン
私達は早速全く何の疑いも躊躇もなくシチューを食べ始めた。
「「「 おいしいィーーーッ!! 」」」
「キュキュウゥーーーーッ!!」
「凄いぞ!そんな不思議な姿で何でアタイ達人間が美味しいって思う料理を作る事が出来るんだ!?」
「凄い宇宙人だからだよ!僕等人間よりも凄く凄い宇宙人だから出来るんだ!」
「凄く凄いのか!さすがうちゅうじんは凄いな!ちきゅうじんよりも凄いのか!それは凄く凄いぞ!」
5分もかからずあっという間に完食し、食べ終わったお皿はトレーに戻すように催促されたので、トレーニ戻すとそれらはまた八面体に取り込まれた。
「なんか・・・力がみなぎってきた感じがする」
「オイラも元気いっぱいになった!」
「私もです!」
「私も!」
「アタシもだ!」
「よし!やってみる!」タタタ・・・「エイッ!」
ゴトリ・・・ゴトォォォン!
「スゲェシャル姉ちゃん!オイラ・・・は、あっちの少し小さいのをやってみる!」
パタパタパタ・・・「ヤァーッ!」
ゴトリ・・・ゴトォォォン!
「私も!」
「アタシも!」
「よし僕も!」
「私はあの一番大きいのを!」
「えっ?アレはシルビア一人じゃ無理じゃない?」
「なんか今なら出来そうな気がします!」
ゴゴゴゴゴゴ・・・ググググググ・・・
・・・ゴドオォォォォン!!
シルビアは一人で小型トラック並みの大きさのオブジェを引き起こした。
「ひゃあスゲェー!シルビア姉ちゃんスゲェー!」
パチパチパチ!
キィン、キィン、キィン
私達もそれぞれ金属オブジェを次々と一人で起こしていった。なんとザンブロワもサイズの小さいモノを起こした。その際ナメクジのような腕を伸ばしたり、身体そのものを変形させたりして器用に引き起こしていた。結構キュートな光景で可愛くてついつい見入ってしまう程だった。
そうして全く休むことなくどんどん起こしていき、疑似太陽が沈んで辺りが暗くなると八面体が上昇して発光して周辺を明るく照らした。
その後八面体が点滅して明かりを弱めていき、トレイから今度はホットドリンクが出てきた。
「何だコレ!甘くて凄く美味しいぞ!」(シャル)
「こんなの飲んだコトない!」(ムルギン)
「ホットチョコレートみたいだ!それも凄く高いお店のヤツ!」(リュウト)
「ホントだ!凄く美味しい」(ニッキ)
「こんな美味しいカカオドリンク、ブラジルにもないですよ!」(シルビア)
「キュキュキュ!キュキューキュ!」
確かにこれはココアと呼ぶには尋常じゃない美味しさで、とても濃厚で疲れた身体に染み渡る実に心地よい甘さのホットドリンクだった。
「ハァ~・・・美味しいだけじゃなくて、心も体も凄く癒される感じのする飲み物だ・・・」
「オイラもそう思う~・・・ハァ~・・・」
全員飲み終えたカップをトレイに戻すと、とても眠くなってきたので、その場で全員横になって眠り始めた。
「オイラ歯磨きは明日起きたらやるぅ~・・・スヤスヤ・・・」
「アタイも~・・・スヤスヤ・・・」
「私もです~・・・スヤスヤ・・・」
ザンブロワは今日もマクラになってくれて、固い金属の床の上だというのに、頭を乗せた瞬間に私は心地良い眠りに落ちていった・・・
キキン、キキン、キキン、キキン
「ふわぁ~・・・あ~良く寝た」
「キュウゥゥ~」
「う~ん、アタイもグッスリ寝た気分だ」
「私もです~」
「おはよ~オイラもグッスリ寝た~」
「おはようございます~」
「う~~~ん、不思議だね、こんな固い鉄の上で寝たのに全然身体が痛くないどころか、凄く良く眠れた感じがする」
その後八面体からトレーが出てきて、その上に人数分の歯ブラシが出てきたので全員歯を磨き、残りのオブジェを引き起こす作業を開始した。
その日もまるで疲れ知らずで一切休息なしで働き続けたところ、夕方前にはすべてのオブジェの引き起こしが完了した。
すると地面が光り輝き、まるで何かの回路図のような線が浮かび上がり、引き起こしたオブジェ達は自ら動き始めていき、その回路図に従って次々と位置や角度を変えていった。
しばらくの間その様子を眺めていると空飛ぶ鉄板がやってきて、八面体が私達に催促するように音と光を発したので、私達は金属板に乗るとゆっくりと浮上し始めて地上へと運んでくれた。
さらに八面体は私達に後ろに下がるように促してきたので私達は素直に従うと、なんと地面の割れ目が少しずつ閉じ始めていった。結構大きくて長い裂け目だったが、15分程で完全に閉じて塞がった。




