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タナカカナタのカタナ  作者: キクメン


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第104話

 美味しい夕食の後、皆でお茶をすすりながら、いよいよ私とニッキとシルビアが実はこの世界とは別の地球からやってきたという事を話し始めた。


「凄い話しだ!これ以上ない程面白い話しだ!」


「とても信じられない位凄い話しだね!でもこうして三人を目の前にすれば嫌でも本当の話しなんだっていうのが分かるよ!」


「きっと神様がかなた達を連れて来たんだ!多分皆がこの世界に必要だと神様は思ったんだ!」


「えっ!?そしたらあの大男も神様が必要だと思って連れて来たって事?」


 ちなみに私はドグリアスの穴付近の森にいた鬼怪人についても皆に話していた。


「ううむ、それは・・・」


「神様にも色々いるんだよきっと、邪神と呼ばれた悪の神も信仰されていたくらいだからね」


「あっそれ知ってるぞ!大昔は色んな神様がいて、仲が悪い神様同士で大喧嘩して地面が割れて海が出来たとか色んな話しが残ってるやつだ!」


「私達の元いた世界でもそうした神話はあちこちに沢山ありますよ!」


「でも僕はこの世界で目が覚めたとき、神様どころか誰にも会わなかったよ」


「私もです、目が覚めたらこの世界にいました」


「そうですね、普通異世界モノに出てくる神様とか天の声とか管理者とかまったくいなくて、何の説明もなくクモの姿で卵から生まれました」


「それ、相当ショックだったんじゃない?」


「はい、それはもう凄いショックでした・・・」


「なんでかなただけは人間の姿だったんだろう?」


「うーん、なんでだろう・・・」


「そうですね、タナカさんだけが人の姿ですし、タナカさんのステータス画面だけが見れないのも不思議です」


「あと、タナカさんだけが記憶を失っていて、この世界にいる人と最初から言葉が通じたというのも不思議ですね」


「不思議といえばかなたのカタナも不思議だ」


ウンウン


 なにせ何の説明もないままこの世界で突然生まれ変わったものだから、仮に神様みたいな存在がいたとしてもどういう意図で私達に何をさせたいのか全く分からなかった。そもそも何故私達が選ばれたのかも分からない。


「ところでそのすてーたす画面とかいうものだが、アタイはどれくらい強いんだ?」


「そうですね、戦闘力はニッキさんよりも強くて、私よりもちょっとだけ少ないです」


「アタイはシルビアと同じ位強いのか!やった!」


「これまでジャングルの中に入って来た人や猛獣と比べてシャルさんは凄く強いですよ、とても人並外れた超人だと思います、私は最初見たとき同じ地球人の生まれ変わりだと思いました」


「オォー!それは嬉しいぞ!」


「もしかしたら、シャルは僕が目覚めた森の中にあった果物を少し食べたからかも知れないね」


「なるほど!そしたら今度はその果物を生で丸ごと一つ食べたらかなたみたいに強くなれるかもしれないな!」


「うーん・・・でも普通の人が魔の森の物をそのまま口にしたら命の危険があるって言われているから正直食べて欲しくないなぁ・・・シャルに何かあったら僕は立ち直れない位悲しくなるよ」


「ムッ!・・・確かにそれはイカン!」


「まぁそれとは別にアタシは魔の森には凄く興味があるね」


「私もです!」


「私も!」


「アタイはかなたのカタナみたいな剣が欲しい!」


「うーんどうだろう?あるかなぁ・・・」


「カタナはないかもしれませんが、タナカさんが目を覚ましたという場所には興味があります!」


「私もです!タナカさんだけがヒトの姿で不思議な小屋の中で目が覚めたというのは何か理由があるのかもしれません!そこに行ってみれば何か手掛かりがあるかもしれませんよ!」


「手掛かりかぁ・・・一通り数日間小屋の近くをうろついてみたけど結局何もなかったんだよね、でもまぁもう一度戻って皆でよく調べてみてもいいかもしれない、もちろん皆が行きたいというなら喜んで賛成するよ」


「アタシは行きたい!魔の森の果物やキノコにとても興味がある!とりわけまだ知らない毒があるなら是非とも知りたい!」


「ムルギンらしいね・・・でも気を付けてよ、ムルギンが危険な目にあったら、シルビアは凄く悲しむだろうし僕等も悲しいよ」


ウンウン(シルビア)


「有難う、気を付けるよ、でも知りたいィー!」


「「「アハハハハハ!」」」


 そうしてとうとう私達の秘密を初めて全て打ち明けたのだが、シャルもムルギンも思っていた通り、これまでと変わらぬ態度でいてくれたので、話して良かったと思うと共にとても嬉しかった。


 そして翌朝、私達は私がこの世界で最初に目を覚ました魔の森と呼ばれる場所に全員で行くことになった。


「私も引っ張れればいいんですが・・・」


「まぁその姿じゃ無理だよねぇー、私もずっと座って乗ってるだけだから申し訳ない気持ちだよ」


「気にしないで!二人増えても全然重くないし大して疲れないから」


 まさにその通りに三人交代で全く疲れることなく駆け足で進んだので、なんと前回来た時よりもさらに早く、その日の夕方にはシャルの祖父母が住んでいる家に到着し、シルビアを布でくるんで私が抱えて全員で祖父母の家に入った。


「あらあらまぁまぁ沢山お友達を連れて来てくれたのねシャル」


「うん!皆とても頼りになる大事な友達だ!」


「おうそうかそうか、皆さん良く来てくれたのう」


「あとクモガミ様も連れてきたぞ!」


「へっ!?クモガミ様?」


「まぁ!もしかしてタナカさんが抱えているのがそうなの?」


「さすが婆ちゃんするどいな!かなた!シルビアを見せてやってくれ」


「えっ!?いきなり大丈夫?」


「うーん・・・爺ちゃん婆ちゃん大丈夫か?、かなりでっかいクモだけど、見慣れれば可愛いぞ」


「大丈夫よ!」


「シャルやお友達が大丈夫というならワシも大丈夫じゃ!」


「えーと・・・それじゃあ・・・」


ハラリ・・・


「こんにちは!シルビアです!大きなクモの姿をしていますけど、生まれ変わる前は人間でした!」


「まぁまぁまぁ!本当に大きいわね!」


「ひゃあ!たまげた!だがこりゃ間違いなくクモガミ様だ!」


「ニッキも本当の姿を見せてあげてくれ!」


「分かりました!」


ハラリ・・・


「こんにちは!私はニッキといいます!私もシルビアと同じで、生まれ変わる前は別の世界の人間でした!」


「ンマァーーーッ!なんと愛らしい事!」


「ひゃあーっ!今度は獣の神様じゃ!こりゃたまげた!これまで生きてて一番たまげだ!」


「シルビアちゃんニッキちゃん!ばぁばになでなでさせてくれないかしら!」


「「はい!」」


なでなでモフモフ!


「まぁまぁまぁー!二人ともなんと可愛いらしいのかしら!フサフサしてとても素敵な肌触りよ!」


「これ婆さんや!バチあたりじゃぞ!」


「わっ!お爺さん大丈夫です!」


「はい!私達は神様じゃありませんからバチはあたりません!」


「そうですよ、二人ともとっても良い子のシャルのお友達ですよ」


「いや、しかし・・・ううむ・・・」


 その後ムルギンからのお土産のキノコや山菜に加えて、久しぶりにもう一度美味しいカニを食べたかったのでここに来る途中で沢山買っておいたカニを使ったお婆さんの絶品料理に全員舌鼓を打ち、ニッキもシルビアもムルギンもすこぶる喜び、そんな皆の賑やかな様子を見てお婆さんもお爺さんもとても嬉しそうだった。

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