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第38話 実行

陽キャ一行もテンプレの様に1階層を楽々と突破していく



「やっぱり1階はどこも大した事ねーなあ!!」

大柄で大剣を使う男が余裕そうな顔で喋る。声だけでなく、態度もデカそうだ。Lv.13だがステータスで身体能力と物理耐久はDで元の能力の高さが伺える



「…油断しないで」

高身長の薙刀を扱う女が注意を促す。同じくLv.13ながら身体能力と物理耐久はDだ


「そうだよ。ダンジョンの傾向として罠が少ないけど、油断は禁物だね。それに急に高ランクのモンスターが出てきてもおかしくはないんだ」

といかにも頭がよさそうな眼鏡の男も追加で注意をうながす


「あ~、でもまあいいでしょ。あんまピリピリしても持たないっしょ」

軽薄そうだがモテそうな男がフォローをする


どうやらこの4人がこのグループの主力だそうだ

モテそうな男は魔法使い、眼鏡の男は弓使いらしい


続く2階層、インプやライカンに加えキャプテンゴブリンの統率の元アーチャー、メイジ、ライダーなどが徒党を組み戦い始める


陽キャならゴブリンの戦法とか詳しく無いだろうと偏見を持っていたが

昨今のアニメの視聴者層の広がりか3つのダンジョンを攻略してきた

経験値のせいか、横の穴からの奇襲や死んだふりに引っかからず攻略してくる


正直、卑怯な事が通じなければ数がいてもゴブリンは雑魚だ

大した足止めも出来ず吹き飛ばされていき、陽キャ達は順調に探索を進めていく



するとダンジョン探索の王道、宝箱を発見したようだ


「ヴァーミリオン」

・炎の魔力を持つ突剣。魔力を込めて振ると炎の刃を飛ばしたり、高熱を纏った斬撃を飛ばす事が出来る



「「「おおっ!!」」」


「2階層でこれ!?」


「コスパよすぎぃ!!」


盛り上がる陽キャ達。気を良くした一行はその後も探索を続け3階層まで到達した


3階層に配置したのは ボア、グール、ホブゴブリン、ゴブリンチーフ、ダイヤウルフなど


モンスター達も出来るだけ複数で行動させている為若干だが、陽キャ達の進行速度が遅くなっているように見えるが


「人馬薙ぎ!」


「剛刃!」


前衛の主力である二人のスキルでモンスター達が吹き飛んでいく

モンスターのレベルが上がるにつれて生命力の強さから

突き技だとなかなか倒せないが、大剣や薙刀の斬撃だとダメージの効率がいいな


「剛弓」を始めとした後衛の火力も十分な為か苦戦もせずに探索を進めていき「鋼鉄の大剣」、「炎の書」などをGETし全体的にLv.15まで上がったようで固有スキルにキャッキャしている



固有スキル取るまでに勝負を仕掛けるべきだったな…と俺の後悔を知る由もなく

陽キャ達は4階層まで突き進んで行くが、さすがに足が止まり始める


4階層ではインプの強化版であるガーゴイル、オークやオーガにグリズリーと嫌がらせでキラービーなどを投入した。


オーガぐらいのモンスターになると知能と技術も備わり始めるからスキルがあっても簡単には喰らわなくなってくる


風華一閃(ふうかいっせん)!!」

破衝弓(はしょうきゅう)!!」


斬撃を飛ばすスキルと、矢の先端に魔力の塊を付けてダメージの範囲と威力を上げるスキルか。元々のステータスの高さもあり、ダメージがそれなりに通るが致命傷とまではいっていない


「剛刃!!」


致命傷に至らずとも体勢が崩れたオーガへ大剣の強力な一撃が入る。全員がそれなりの火力を持ちつつも大剣使いというメインアタッカーがいる辺り、パーティの底力が伺える


1体を倒した後も、休むことなく他の7人で足留めしてしていたオーガ達を再度連携を駆使して倒していく。体育会系か陽キャ特有のコミュ力の高さ故かこのレベルでも十分やれているようだ



しかし早いペースで来たためか全体的に魔力が少なくなっており、地味に疲れが出てきているのを見ると、ゴブリン達も役になったとみるべきかな


時間も夕方近くになってきたという事で今回は引き返す事にしたようだ





まあ、本番はこれからなんですけどね


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