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第2話「鏡の中の屋敷」

 ミラは目を覚ますと、そこが見覚えのあるはずの屋敷のようでいて、何かが決定的に違う場所だと気づいた。壁にかけられた絵画は逆向きに描かれており、廊下の曲がり角も右と左が入れ替わっている。すべてが逆向きになったこの異様な空間に、彼女は不安を覚えた。


「ここは……どこ?まさか、鏡の中なの?」


 ミラは自分が鏡に吸い込まれたことを思い出し、何が起きたのかを理解しようとする。しかし、目の前に広がる不自然な屋敷の光景が、彼女の思考を混乱させた。何度か深呼吸をして心を落ち着けると、彼女は屋敷の中を慎重に歩き始めた。


 ドアを開けるたびに、すべてが逆になっていることがはっきりとわかる。左に開くべきドアが右に開き、階段は上下が反転している。ミラはそれらを確認しながら進んでいくが、すぐに奇妙な感覚が彼女を襲った。屋敷の外に出ようと試みるが、どのドアも外には繋がっておらず、代わりに別の部屋へと続いているだけだった。


「どうしてこんなことに……?」


 彼女は窓の外を見ようとするが、ガラスの向こうには何も見えない。ただ、霧が立ち込めていて、外の景色を遮っているだけだった。ミラはもどかしさを感じながらも、別の手がかりを探そうと決心する。


 歩き続けるうちに、ミラは時間の感覚が曖昧になってきた。どれだけ歩いたのか、どれだけ時間が経ったのか全くわからない。彼女は不安を感じながらも、何とか状況を理解しようと努める。


「もしかして、この場所は私を閉じ込めようとしているの?」


 ミラはふと呟くが、すぐにそんなことを考えても意味がないと思い直し、冷静さを取り戻そうとする。


「ここから出る方法を見つけないと……」


 ミラは自分に言い聞かせ、さらに屋敷の中を探索する決意を固める。出口が見つからないまま歩き続ける彼女の心には、少しずつ焦りと恐怖が広がっていった。


「きっと何か方法があるはず……このままじゃ終わらない。」


 彼女はそう自分に言い聞かせながら、奇妙な屋敷の出口を見つけるために、さらに奥へと進んでいった。

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