コード93「交わるは体術と火炎」
第93話
前回、ココロ等の戦いがあり、カナリーが入場したところから
カナリーはブザーが鳴ったと同時に、魔破片で剣を生成。
相手側の選手は、脚を震わせながら魔力球を飛ばす。
カナリーはダンスを舞うかのようにその魔力球を斬り裂いていく。
「う、うわああああ!来るなぁぁぁ!」
「氷球椀魔術<スペル・凍手腕>ぅぅ!」
相手選手が氷属性魔術を使用。掌の中に氷の球があり、
それをカナリーに向け攻撃しようとしていた。
だが、
「ふふん、閉じ込めちゃうよ!」
魔破片で、結界を生成。氷そのものを閉じ込めた。
「くっそぉぉぉぉぉ!おおおお!」
カナリーは魔破片で生成した剣の持ち手部分の先端で
相手選手を上からコツンと当て、気絶させた。
「勝者!カナリー・アステライト~~!」
カナリー・アステライト1回戦突破。
カナリーの試合中レイラは第8ブロックの方しか見ていなかった。
各々が勝ち上がり、時は進み、
第2ブロック、準決勝
ケイト・ライジェル vs フェニ・アステライト
観客の皆が期待し、待ち焦がれていた試合。
ケーシィは学生の間でも人気であり、知名度も高い。
一方、フェニの方は学生の間だけでなく、大人や
サテリッズでも新聞にも載ったことがある為、
知名度はケーシィを超えていた。
そんな二人の戦いが始まろうとしている。
「ケーシィさん、いえ、ケイト・ライジェルさん。あなたとは戦いたかった。私と全力で戦ってくれますか?」
ケーシィは深呼吸をし、空を仰ぐ。
青い空がケーシィの目に映る。
ふと客席を見ると、ケーシィの父親、レミーが居た。
マナが裏で手を回していた。レミーは不安そうな顔をケーシィに向ける。
ケーシィは、客席に向けて、人差し指をレミーに向け指す。
その人差し指を、上に上げ、腕を上げ、こう叫ぶ。
「フェニさん!あなたを…倒して1位を目指します!わたくしは強くてかっこいい女性になりますわ!!!」
そう、大好きなお母さまのように。
レミーの目には、ケーシィがキャサリンのように見えていた。
「あぁ…キャシー…僕らの子はこんなにも育ったんだね…。見ているかい…。」
「双方、準備はよろしいか?」
フェニはにやりと笑い、剣を抜く。
その剣には既に炎が纏っていた。
「もちろん。いつでも。」
「えぇ。大丈夫ですわ。」
「第2ブロック、準決勝、試合開始!」
ブザーが鳴り響く。
「散れ…我が華麗なる焔達よ。舞え火炎よ。巻き上がれ熱風よ。我が道を、火先を示せ…」
フェニが唱える。
「なな、なんと~!詠唱術式だぁぁぁ!開幕ブッパかぁ~!?」
熱風が、火の粉がフェニの周りに集まる。
「…くっ!させません!はぁぁぁぁ~!ライジェル流…」
フェニは剣をケーシィへ向ける。
「火炎詠唱複合魔術<スペル・火焔灼光剣>!」
剣先から、炎の太めのレーザーがケーシィに向け飛んで行く。
ケーシィは躱す。だが、
フェニがそのまま薙ぎ払いをし、ケーシィへ当たる。
辛うじて腕でガードをするが弾き飛ばされてしまう。
(くっ…あっついですわ…これが火属性魔術…)
フェニの体から熱風が噴射され、冷却していく。
「っ…くはっ!ふぅ…。熱が籠る…でもこれで左腕は使えないんじゃないか?」
ケーシィの左腕が痺れている。魔力で守っていた為、
火傷はしていなかったが、痺れて動かない。
(スタン属性もあるのでしょうか…先制攻撃を受けてしまいましたわ…これは…スピード勝負…!)
「ライジェル流格闘魔術<スペル・魔力速脚>!」
足に魔力を込め、一気に解放。
「ふっ!そんな速度じゃ…!え!?どこに!?」
フェニの視界から、ケーシィが消える。
「はぁぁぁぁ~!
ライジェル流格闘魔術<スペル・鈍脚>ぁぁぁぁ!」
ケーシィは魔力速脚の脚力でジャンプをし、空中回転。
落下エネルギーと回転エネルギー、更に魔力を合わせ、
鈍脚を、かかと落としを思いきり繰り出した。
フェニは剣でガードをするが、地面に亀裂が走る。
「まだまだですわ!!!はぁぁぁぁ!」
ダメ押しに魔力を増加させる。
(くっ!!お、重い…!横にずらせば…!)
剣を傾け、鈍脚を逸らした。
地面が割れる。ケーシィはそのまま、横回転し追撃を狙う。
「ライジェル流!旋脚!」
鈍脚のエネルギーのまま回し蹴りを
間髪入れずにフェニに繰り出す。
ケーシィは簡易詠唱を使用した。
威力を落とさずに魔術の高速化、
僅かな溜めで魔術を放つことが可能となる
ケーシィの持つ常時魔術である。
彼女はライジェル流に誇りを持ち、簡易詠唱が常時発動
しているのにも関わらず、省略せずに魔術を使用していた。
だが、今回、フェニと戦うにあたり、簡易詠唱を
使用せざるを得なかった。実際、使わされたに近い。
旋脚はガードされ足を掴まれてしまい、投げ飛ばされる。
地面にめり込み、砂埃が立ちのぼる。
フェニが剣を持ちながらケーシィへ歩み寄ってくる。
「さっきのは…少し焦った。頭部に当たりそうだった。負けられないな。私はカナリーに良い所を見せたいんだ。」
ケーシィにとってはかなりの強敵だった。
魔術、戦闘、知識、経験その全てが劣っている。
だが、ケーシィにも負けないものがあった。それは
「ここで勝てなきゃ、ここを突破しないと…これからも強さを求めるだけじゃいけませんわ!マナさんやカナリーさん達と一緒に修行した成果をここで見せますわ!体術じゃ、絶対に負けませんわ!!!」
体術 vs 火炎
この戦いはどうなるのでしょうか。
とても熱い戦いです。
どちらが勝つのでしょう。
第93話、読んでいただきありがとうございます。




