コード79「サマーツールフェス」
第79話
前回、サマースペルフェスが開催したところから
第1週
サマーツールフェス
様々な魔道具や技術発表会。
ちょび髭おじさんが出資した、魔駆動車もテスト段階が終わり、
このサマーツールフェスでも試作機以上のパフォーマンスを持つ
魔駆動車が展示及び、発表された。
今のままでは、大量生産は出来ないが、製作段階へと進んでいる。
そして、運転出来る者が、他の者達への講習。
それの講師にフウお姉ちゃんが選ばれた。
それもそのはず、フウお姉ちゃんは今この世界唯一の運転者なのだから。
「マスター、私もサマーツールフェスに行って来てもよろしいでしょうか?見てみたいものがあります。」
マナからお願いされることは少ないため、
むしろ行ってきてとこちらからお願いした。
「マナからそう言って貰えるなんて、嬉しいなぁ…そうだ!こっそり付いて行こうかな?」
カナリーはメガネをかけ、帽子を被り、変装してマナを追いかけた。
マナが向かったのは、魔駆動車展示会。
入念に魔視+を使いながら全てを観測する。
(なるほど。可動部はこのように。エンジンは、魔石を溶かしたもの。マスターの話では前回、魔石をエンジン代わりにしたと仰っていましたね。)
マナは、フーお姉ちゃんにも話を聞いている。
「すみません、フウ様。お聞きしたいことがあります。」
「フウ様ってなんだか、むず痒いな…。はい!いいですよ!カナリーちゃんところのメイドさんでしたよね?」
話はそこまでしか聞こえなかったが、マナは恐らく、
魔駆動車の内部について聞いていたのだろう。
(これで、アレの開発も進みますね。ところで…。マスター、見ていますね。)
マナは見られている事に気が付いていた。知らないふりをしつつ、サマーツールフェスの展示を見て回っていた。
カナリーとリーナが合流し、マナを見守る。
「カナリーさん…マナさんは何をしていらっしゃるの?」
「ううん、私にも分からないんです。でも、何か見ているような感じで。」
そこへリベラが通りかかる。
「あれ、カナリーさんとリーナさん。どうしたですか?」
リベラの腕には食べ物がたくさん抱えられていた。
「静かに…!今、マナを尾行中なの…。何やってるのかな~って。」
リベラはそんなこと不可能なのでは、と考えたが、
カナリーとリーナと一緒にマナを追跡した。
(マナ…何やってるんだろう…。)
(変装してるカナリーさん…かわいい…。)
(あ、これおいしいです…。)
(マスター、バレバレですけど、楽しそうなので知らないふりしておきましょう。)
マナはドワーフ達の展示会へ来た。
「お!そこの人ちょーっと、まった~!!あたいらの魔道具見てってよ!安くするからさ!」
ドワーフ種。耳の長さはエルフ種よりも短いが、
その耳は人間種よりもとんがっている。
人間種の子供くらいの小さな体だが、手先が器用で
パワーのある有名な種族である。
「あたいらが制作したこの、魔力増幅装置!どうどう!?みんなで作ったんだ!すごいでしょ~!へへっ!」
魔力増幅装置。
最新型の魔列車に搭載されている、最新装置である。
魔石を粉々に粉砕。熱する。熱された魔石から魔蒸気が発生。
その蒸気をエネルギーに変換する際、マソリンと、魔蒸気に分かれる。
そのふたつのエネルギーを循環させ内部の回転装置を回転させる。
回転エネルギーを使い、更に濃縮された魔力を生成。
画期的な技術であった。
「なるほど…このようにすれば…更に魔力が増えるのですね。」
ドワーフの少女は嬉しそうに説明していた。
「へへっ!そんな風に興味津々であたいらも嬉しいよ!」
しかし、マナはある疑問を投げかける。
「技術を盗まれたりとか、考えないんですか?」
だが、そのドワーフの少女は答える。
「大丈夫さ!これは、すごく繊細に作られてるし、設計図はない!あたいらの頭ん中入ってる!だから、真似は出来ても、本物は作れないんだよ!みんなが作れるようになっても、あたいらが更に進化させたものを作ってるさ!へへっ!」
職人魂を感じられた。
このドワーフの少女が居れば…マナの研究も更に…。
「あの、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?私の名前は、マリナ・アステライト。マナとお呼びください。」
そのドワーフの少女は名乗る。
「あたいの名前は、『ラトナス・ブリッドヴェル』っていうんだ!魔工房ヘファストラって知ってる?伝統的で有名な大きな鍛冶屋なんだけど…魔術学園を休学してて今はそこで弟子入りしてバイトしてんだ!」
魔工房ヘファストラ。
サテリッズではかなり有名で老舗で、巨大な鍛冶屋である。
「えぇ、知っております。数多の魔道具制作に携わっていて、ブランド品として有名ですよね。」
ラトナスの顔が明るくなった。
「へへっ!嬉しいなぁ!たくさん見てってよ!それから、何か道具が欲しくなったら、ヘファストラへ来てね!」
しかし、マナはとんでもない事を言った。
「では、ラトナス様。あなたが欲しいです。」
ラトナスはぽかーんとした顔になった。
「え?あたい?あたいが欲しいってのかい?あっはっはっは!面白い人だなぁ!」
後ろでカナリー達が見守っている。
(マナのしたい事に、あの子が必要なんだね。)
(あぁ…カナリーさんの横顔、可愛い…。)
(もぐもぐ…これも美味しいです…。)
「おっと、失礼しました。ラトナス様の手助けが欲しいのです。」
こういうジョークを入れると良いと検索結果が出ていた為、マナはジョークを入れていた。
カナリーは、うんうんと頷いている。
リーナの目線はカナリーへ向けている。
リベラの目線は食べ物へ向いている。
「良く分からないが、あたいの手を借りたいって言うなら、喜んで手伝おう!それに面白いし!よろしくな!えーっと、マナ氏!」
こうして、ドワーフの少女と知り合う事が出来た。
ラトナス・ブリッドヴェル (女)
ドワーフ種。小さな体で手先がとても器用。
手入れはあまりしておらず、ぼさぼさの髪になっている。
次回からサマーデュエル予選が始まります。
第79話、読んでいただきありがとうございます。




