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私とAIの異世界転生!  作者: 星廻 月華
【アステライト家編】
8/257

コード7「辻褄合わせ」

第7話

前回、AIにマナと名前を付けた後から

私は今、マナと並んで歩いている。


私は先ほどマナに体を貸しており、

その際の戦闘により、魔力枯渇で立ち眩みがするけど

マナに肩を支えられながら歩いている。

一緒にアステライト家の前まで戻って来ると、フェニお姉ちゃんが倒れていた。


「あ!お姉ちゃん…!そうだった!マナ!お願い!状態を確認できる…?」


しかしマナは表情には出していないが、

少し考え込むような動作をした。


「マスター、申し訳ございませんが、マリナ様の魔力量では、<スキル・アナライズスキャン>を使用することが出来ません。あのスキルは、カナ様の魔力量で補えたものであり、通常は使用が不可なものでございます。また、スキルはカナ様ほどの魔力量が無いと使用不可にございます。」


私はスキルについては詳しく知らなかったけど、

魔術スペルとは全く違う力だという事は理解していた。

マナはすぐさま代用案を提示してくれた。


「ただ、マリナ様の観測魔術<スペル・魔視(サーチ)>+私の演算能力で対象の状態を的確に確認することは出来ます。使用しますか?」


マリナの時と明確に違うのは、脳内演算能力が格段に違っており、

アナライズスキャンほどではないだろうけど

的確に情報を読み取ることが可能になったらしい。


「うん!お願い!」

私は迷わず、お姉ちゃんの状態を確認してもらった。


「かしこまりました。観測演算魔術<スペル・魔視+(サーチプラス)


マナは、くまなくフェニの状態を確認していく。だが、回復魔術を使用する必要はなさそうであった。


「さすがは、魔術士のフェニ様。恐らく、剣で攻撃の威力を少しでも抑え込んでいたのでしょう。素晴らしいです。これなら、回復魔包帯を巻くだけで次の日には回復しているでしょう。」


マナからはすごい説得力を感じた。さすがはAIといったところなのかな。


朝。鳥のさえずりが聞こえてくるのが心地いい。

フェニは目覚めていた。だが、昨夜の事はあまり覚えていないらしい。

それもそのはず、<存在を消滅させる攻撃>というものは、その名の通り、

存在を消すもので、あのドラゴンと関わった記憶も消滅しており、

森に入ったところまでしか覚えていないらしかった。


私たちが覚えているのは、私たちがその存在を消滅させたからだと、マナが教えてくれた。


フェニはマリナの体、マナに対しての

ほんの少しの違和感を感じているようだった。

それもそのはずだよね…と私は内心焦っていた。

だが、マリナもフェニに対して常に敬語で話していたため、

そこまでの違和感はなく、勘違いかなと思い込んでいるようだった。


「それにしても…私は何故森なんかで気を失って…。何も思い出せない…」


どうしようかと私が悩んでいると、マナが助言してくれた。


「フェニ様。昨夜はお酒入りの甘菓子を間違えて渡してしまい、誠に申し訳ございません。恐らくは、フェニ様が酔ってしまい、そのまま森で寝てしまったのでしょう。私たちは探し回って、そして回収したのです。」


すごい噓ではあるけど、確かに、お姉ちゃんは前に

お酒入りの甘菓子を口にした時、かなり弱いみたいで泥酔していて、

家の外で寝ていたことがあり、記憶が飛んでいたみたいだった。


「それなら…まあ分からなくはない…。でも、森って…うーん…恥ずかしいなぁ…」

お姉ちゃんは顔を手で覆っていた。


私はひやひやしていたけど、マナは表情を崩さない。


(ていうか、私仕事で来たはずなんだけどな…?)

フェニお姉ちゃんが怪しみながらも街へと帰っていく。


ずっと疑問に思っていた事をマナに直接聞いてみた。

「マナ、フェニお姉ちゃんと話したことがないはずなのに、どうしてあそこまで辻褄を合わせて話せるの?」


マナは丁寧に事細かに教えてくれた。

「それは、私がマリナ様の体に入った際、記憶も一緒に確認したからにございます。<スキル・インストール>というのは、記憶の引継ぎ能力もあります。そこで確認が出来たというわけです。」


なるほど…でも、個人情報が全て筒抜けだったというわけなんだね…。

ん?もしかして私も…?


「ね、ねえマナ?私の記憶も見た…?」


マナは表情を崩さずに

「はい。もちろんにございます。それにその時に見なくとも私はマスターの"全て"を知っています。安心してくださいませ。」


マナに異世界転生者ということがバレちゃった…

それに…いじめられていたことも…。

でも気にする必要はないか~と、前向きに考えるようにした。


カナリーはマナにより転生したことを未だ知らない様子であった。


マナは黙々とカナリーに紅茶を出す準備をしていた。

日常パートです。

第7話、読んでいただきありがとうございます。

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