コード72「サマーバケーションwith女子会」
第72話
前回、試験が終わり、サマーバケーションが始まってから
輝鳥歴224年 7ムーン終盤
ついに、サマーバケーション、夏休みが始まりました。
時期的に、インペスト大山脈にある大火山群が活動してしまう。
世界中の、火竜や炎系のモンスター達が活性化し、群れを成す。
そのせいで、温暖期となる。7ムーン~9ムーンまでこれが続く。
毎年そういうわけでもなく、6ムーンや10ムーンまでも暑い時もある。
すなわち、その間は暑い時期になるというわけである。
世界各地で討伐隊が編成されるが、その数が尋常ではないため、
暑さが和らぐと言ったことは基本的に無い。
あらかた掃討されるまで大体2ヶ月かかる計算となっている。
しかし、別にデメリットだけではなく、恩恵も存在する。
この時期に、火竜等、炎系モンスターの素材を
今の内に集めておくことで、冬に備えることが出来る。
中でも、火竜の鱗は装備や、日用品などにも多く使われている。
「暑い~~…マナ~、この世界に冷房とか無いよね…。」
カナリーは長めの丈の半袖に短パン、髪は三つ編み団子にしている。
「マスター。この世界に冷房はありませんが、冷感魔具を使用した施設なら存在しております。例えば、今から行く商業都市にあるショッピングモールなどが当てはまります。」
マナはワンピースに日傘をさしてカナリーの隣を歩いていた。
カナリーはマナと一緒にショッピングモールへ向かっていた。
「うへぇ~~、ん~~涼しい~。ここは涼しいね!」
以前、リベラとカナリーがぶつかった際に駆け巡った場所である。
魔列車の駅と直結した商業施設。
リベラとリーナ、ケーシィは既にその場に居た。
「初めまして!わたくし、ケーシィ・ライジェルと申しますわ!よろしくお願いしますわ!」
ケーシィとリーナはまだちゃんとした挨拶をしていなかった。
「う、うん。私は、リーナ・カミンタフ。アステライト家の新しいメイド。よろしくお願いします。」
リーナはたまに人見知りしてしまう。少し緊張しているようだった。
そんなことはお構いなしに、ケーシィはリーナと握手していた。
そこへ、カナリーとマナが到着する。
「お待たせしました~!みんないますね!あれ?リルフ君は?」
「あぁ、リルフでしたら、なにやら男性のお友達が出来たからと、その方と遊んでいるらしいですわ。なので、今回は、女子会!ですわね!」
リルフ君は、私たちと一緒に居るときにそわそわしている様子だった。
それもそのはず、カナリー、マナ、ケーシィ、リベラ、リーナ。
女性5人に対し、リルフの男性1人だからである。
リルフは学生寮の同室となった人と、仲が良くなったとの事。
旅行については、付いて来れるらしく、楽しみにしてくれているらしい。
女子会ではそれぞれ見たいものを見て回ったりしていた。
リベラとリーナは新しい服を見に、
ケーシィさんはグローブが気になると、
カナリーは魔術本をじっくり読み、
マナはベンチでみんなを観察していた。
「リベラさん、これどうかな?似合うかな?」
大きめの麦わら帽を被ったリーナがそこに居た。
「えぇ。とっても似合ってるです。私とお揃いですね。」
リベラは大きめの魔女帽を被っているため、お揃いと表現した。
「このグローブ…耐久性もばっちりで…通気性も手触りも凄く良いですわね…。即決!買いますわ!」
ケーシィは良さそうな夏用手袋を3枚ほど購入していた。
かなりのお値段である。
「この魔術…凡用魔術なんだ!へぇ~!今度試してみようかな?ケーシィさんはこれ知ってますか?」
カナリーは書店にて、立ち読みしていた。
凡用魔術本とは普及されている日常的な魔術であり、
それなりに種類が存在している。
例えば、料理に使える凡用魔術であったり
掃除の際に、上手く汚れを落とせる魔術だったりと
本になっていたりする。
「あぁ、それ、あんまり上手くいきませんわよ。それなら、こっちの魔術本がおすすめですわ。ブランドものの本で、効果はばっちりですのよ。」
それでも、全てを信用は出来ず、
確かに発動する魔術もあるが、
しっかりと汚れが落ちなかったり、
信用のないものもある。
本には、無断使用妨害魔術が施されており、
購入しなければ、立ち読みをしたところで
それが使用できるわけではなかった。
しっかりと購入し、その魔術陣を手に移すか、
購入し、正式な術式を見て覚えるかで、使用することが可能である。
マナは、ベンチにただ1人座り、
人の行き交いと、みんなを観察していた。
(そういえば、マスター、課題はやったのでしょうか。確認が出来ていませんでしたね。<スキル・リモートパネル>で、リンクし、記憶を見ましょうか。)
マナの確認によると、カナリーは今日の分の午前中の課題は大分進んでいたが、全てはやっていなかった。
暑さにやられて、やる気が削がれてしまっていたらしい。
(まあ、今はみなさんで楽しんでいらっしゃるようですし、今言うことではありませんね。)
「マナも!ほらこっちこっち!これ見て~!」
マナは呼ばれた方へ歩みだした。
女子会というわけで、皆で商業施設で存分に楽しんだ。
「ん~!今日は楽しかったね!いっぱい遊んだ~!」
日が落ちるのが遅く、夕暮れ時でさえも、まだ暑かった。
学生寮へ私達は帰ってくる。
「おかえり~みんな暑かったでしょ。水分補給もしっかり取ってね~。」
アミルダさんがみんなに注意喚起していた。
サマーバケーション、通称夏休み。
寮に残っている人も居れば、
実家に帰っている人も居たりするが、
それでも、マンモス校。
休み期間でもやはり人は多かった。
「マスター、今日はとても楽しかったですね。それで、午前中に終わらなかった課題の方、夜ご飯の前に、今日の分しっかりと終わらせてしまいましょうね。」
リベラは苦笑い、リーナも課題の事に気が付く。
「あ!忘れてた!てか、マナ…見たね?今すぐやる!みんなで夜ご飯食べようって言ってたのに、ごめんね!先食べてて!」
しかし、マナ、リベラ、リーナは待ってくれていた。
みんな…優しい…。ありがとう。
「夜ご飯の後には、みんなで大浴場へ行くですよ~。」
そうして、彼女達の何気ない青春の1ピースがはめられたのだった。
完全に、日常回ですね。
こういうのもたまにはいいかなと。
青春ってやつですね。
次からは、夏の別の子のお話が始まります。
ちなみに、マナとリベラさんは午前中にこの日の分の課題を終わらせています。
終わらせていなかったのは、カナリーとリーナなのであった。
第72話、読んでいただきありがとうございます。




