コード55「学園長の庭園」
第55話
前回、賞状を渡されたあとから
開け放たれた扉を見つめながら私と学園長は紅茶を一口飲んでいた。
「おい!どういうことだ!ジジイ!」
青年。
ずかずかと入ってくる。
あ、お花踏んでる…。
「おい、その小娘が、万年魔術師Bランクのダンテを捕まえて、ランクが上がっただと?」
本当は私じゃなくて、マナなんだけどね。
「それがどうかしたのか?」
学園長はもう一口紅茶を口に運ぶ。
「どうもこうもない!有り得ないだろう!こんなちんちくりんがどうやって倒せんだよ!バカか!?」
ち!?確かに、仮魔術士だけど…。
「待って。それじゃあ説明不足よ。あの人は確かにBランクだが、実力的に言えばAランクもしくはそれ以上だ。そんな奴を、どうやってその子が倒せるの。が正しい。」
メガネをかけた女性が説明に入った。
「というか、俺たちを呼び戻したのは、魔術大教会だ!つまり、あんたに呼び戻されたも同然なんだよ!で、行ってみたら事件は解決済みと来た。はぁぁ…。あのさぁ、隠してないで出せよ。」
話が見えない。どういう話?
「何をだ?」
「言わせんなよ。"主席"が帰って来てるんだろ!?あいつが!あいつが、ダンテを倒し、あの巨大な塊を穿ち壊したに決まってるだろ!あんなことが出来るのはあいつしかいない!今どこにいる!!」
学園長は紅茶を飲み切った。
「私は何も知らない。と言うか君はSランクじゃないだろう。まあ確かに、あの子なら可能だろうが、その姿を誰も目撃していないし、知っているのは現場に居た者だけ。でも、現場に居た者達も何も分からないと言っている。確かに可能性としてはあるが、あの子を見た者は誰も居ない!それにダンテは自ら捕まったと聞いている。話が逸れてるぞ。それともあの子の居場所を聞きたいがために、君は私の庭を荒らしに来たのかな?」
いきなり入ってきた男の人は居所が悪そうにし、
私を睨んだ後、帰っていった。
メガネの女性も、一礼した後、扉へ戻っていった。
扉には他にもう何人かいたけど、光の加減で良く見えなかった。
「嫌な思いをさせてすまなかった。紅茶のお替りをどうぞ。」
でも、私はきっと何か事情があるんだろうと、認識した。
花を踏んだことについては、少し悲しい気持ちになったけど。
「あの人たちって誰ですか?」
「あの子らは、七魔席、通称セブンスの子達だよ。Sランク以上の魔術師のみが挑戦可能であり、もし彼女達に勝って、その力が認められれば席を貰うことが出来るんだ。」
なるほど。7人の強者達ってことだね。
「まあ、Sランクの魔術師になると、国から協力要請が来るようになってしまうんだけどね。それでも、Sランク以上の魔術師は国にとっても無くてはならないものなんだ。」
大変そうだ。
そう思いながら、カナリーは紅茶を飲みほした。
「ところで、私が最初に入ってきた時、女性がいらっしゃったんですけど、あの方は…?」
学園長は何も知らないように
「いや?知らないね。精霊でも入り込んだのかもしれないね。」
うーん…まあ学園長が精霊だというのならそうなのだろう。
「何か質問やら、私にお願いしたいことはあるかな?」
お願いしたい事か…
「あの、それなら昇格試験をもう少し増やせませんか?年に3回しかなくて…。」
学園長は真剣に聞いてくれた。
「うーん、管理も大変なのは知ってるから…どうしようか。うん、わかった。その話持ち帰らせてもらうよ。話してくれてありがとう。」
昇格試験、増えないかもしれないけど、
もしかしたら増えるかもしれない。
話せてよかった。
「賞状ありがとうございました。これからも精進します。では、私はこれにて。」
「また、いつでも遊びに来て良いからね。今度はお友達を連れて来ても大丈夫。待ってるよ。」
廊下に出ると雨音が聞こえてくる。
そういえば、雨降ってたんだった。
学園長室が快適すぎて忘れていた。
なんだか、疲れちゃった
講義中に寝てしまったからかな。
今日はもう学生寮に戻ろう。
マナ、どこだろう。
新たなワードが出てきましたね。
”主席”、七魔席、セブンス。
7人の魔術等の強者だと思っておいてください。
第55話、読んでいただきありがとうございます。




