コード41「魔駆動車と魔弾」
第41話
前回、政治家男性を連れ、魔駆動車へ乗り込んだところから
魔駆動車で、ギアチェンジをしながら上手く運転しているお姉さん
「口は閉じててね!この辺りは道路が…じゃなくて道が悪いから!舌を嚙んじゃうよ!」
やはり、このお姉さんきっと転生者もしくは転移者だ。
見た感じもなんとなく日本人って気がする。
しばらく走っていると、後ろから
首輪をつけた影のオオカミが3匹走って追いかけてきた。
「影の従魔で追跡させてあるからよ。馬車ならそのうち追いつくだろ。もし振り切られるようならお前が狙撃するんだ。いいな?」
「言われなくても分かってる。」
マスケットを持っているフードの人物は男に命令されている。
「わあああああ!目の前!前に馬車が!ぶつかっちゃう!」
「任せて!何かに捕まってて!振り落とされちゃダメだからね!」
そう言うとお姉さんは、ギアチェンジをしハンドルを切り
魔駆動車でドリフトを華麗に決め、
馬車にはぶつからずに済んだ。
(この車…ニトロはあるのかな…まあ無いよね…)
しかし、しばらくすると、後ろから真っ黒なオオカミが追いかけてくる。
お姉さんは後ろをチラ見し、オオカミに気が付いた。
お姉さんは交差点に入る前に、前を確認する。
ドリフトで魔駆動車のお尻を街灯に擦り付け
街灯を倒した。そして、影のオオカミの1匹がそれに巻き込まれ
残り2体となった。
「お姉さん…何者…?」
ちょび髭おじさんが少し苦しそうにしている。
「ポニーテールのお嬢ちゃん!おじさんの傷口を抑えてて!」
おじさんが出血で死ぬまで残り7分。
病院まで隣都市。
「おいおい、あの馬車くそはえ~じゃねぇか!てか、馬も居ねぇのになんで走れるんだぁ!?」
「…?」
影のオオカミが追跡してくる。
目の前に、壁が現れる。
「待って待って!目の前に道がないよ!」
「隙間なら、あるでしょう?」
そう言うと、レンガに乗り上げ、
魔駆動車を片方浮かせ、
隙間の壁を走っていった。
オオカミ達はその隙間を1匹ずつ通り抜けていく。
隙間を抜けると、河が見える。
お姉さんは魔石に注目した。
魔石からは魔力の輝きが噴出しており、
それが動力になっていることに気が付いた。
もしかしたら…試してみる価値はあるかもしれない。
河沿いを通り抜けると、通行禁止の標識が建てられており、
その先には、隣都市へ通り抜けられる大橋が見えた。
その手前に河へ向けて廃材の板がレンガに乗せられジャンプ台のようにあった。
「まさか…ちょっと…噓でしょ…!?」
ニトロはない。でも、ニトロの代わりになら!
お姉さんは魔石をレンチで思い切り叩いた。
すると、魔石の魔力が一気に噴出し、
魔駆動車が急加速した。
廃材に乗り上げ、大橋向けて河を飛んだ。
魔駆動車が宙を飛び、大橋へと届いた。
大橋を渡っている人や馬車に乗っている人たちが驚いていた。
「お姉さん、凄すぎ…。」
オオカミは1匹同じように廃材から飛ぼうとしたが、河に落ちていた。
もう1匹は回り道をし、追いかけてくる。
だが、動力の魔石を叩いたことにより、魔力が無くなってくる。
魔駆動車がどんどんと減速してしまう。
「そんな…!隣都市まで来たのに!魔力が!もう少し頑張って!」
お姉さんの魔力と言う言葉にカナリーが反応した。
「魔力が必要なの!?それなら、私の魔力を使って!」
カナリーは魔力を魔石へ注ぎ込む。
魔駆動車の動力が回復した。
そうだ!この車、ミラーが無い!
それなら!
魔力之魔術<スペル・魔破片>
ミラーが出来た。
広い階段が現れ、魔駆動車でその階段を下りていく。
オオカミも当然追跡してくる。
お姉さんは魔破片のミラーで後ろを確認する。
影のオオカミが追いつこうとしていた。
「このままじゃ…はっ!あれは!」
お姉さんが、運転席の扉に体当たりをし、扉を吹っ飛ばした。
すると、その扉にオオカミがぶつかり、
そのまま噴水の銅像へと突っ込んだ。
影のオオカミは水に濡れ、消えていた。
「はぁぁぁ…よかった!これで脅威は…!」
腐食魔弾魔術<スペル・魔弾Ⅲ>
雷のような射撃音が響き渡る。
後輪を撃ち抜かれてしまった。
激しく火花が散り、減速してしまう。
後輪辺りの車体がどうしてか腐ってしまった。
「まあ、あとは全部任せるわ~。俺の従魔はやられちまったからよぉ。先帰ってるぜ。」
フードの人物に命令をしていた者はそのまま帰っていった。
「…。」
魔駆動車が傾きながらお姉さんは何とか運転テクニックで走らせている。
「私に任せて!」
「魔力之魔術<スペル・魔破片>複数発動!」
魔破片が複数に発動され、光の車輪へと形成された。
そして、腐り落ちた部分を魔破片で補った。
「面倒だ。もう一発使わないと。」
狙撃手が弾替えをしている。
分裂魔弾魔術<スペル・魔弾Ⅳ《フライクーゲル》>
放たれた魔弾は4つに分裂し、車輪4つへと向かっていった。
しかし、
「魔力之魔術<スペル・魔破片>上面展開!」
カナリーが手を掲げると結界のように魔破片が上面に展開された。
丸く全面展開をすると、地面がえぐれてしまう為、上面だけの展開となった。
魔弾は結界に全て弾かれた。
「ちっ!止まらない!逃げられてしまう!」
重圧魔弾魔術<スペル・魔弾Ⅴ>
魔駆動車の通る道の先にあらかじめ魔弾を放つ。
すると、その放たれた3m程に重力がかけられ、
止まる勢いで一気に減速してしまった。
というより、車体が沈み込む。
「魔石に…!魔力を込めました…!さっきみたいに、叩いてください!」
お姉さんは重圧に耐えながら、魔石をレンチで叩いた。
すると、魔力が噴出し、魔駆動車が急加速した。
これにより重圧を抜けられた。
「こんなにも…止まらないなんて!でも、これなら!」
追跡魔弾魔術<スペル・魔弾Ⅵ>
お姉さんがドリフトを決めながら魔弾を避けようとするが、
魔弾の軌道がブーメランのように曲がり、追跡し、
エンジン部分へと向かってくる。
「魔力之魔術<スペル・魔破片>!上面展開!」
魔弾を弾いた。しかし、
弾かれた魔弾が地面から飛び出て、追跡してくる。
「その魔弾からは逃げられないよ。それにもう後がないんだ。7発目を使わせないで。」
どれだけ弾いても、追跡してくる。どうすれば…!
「あ!そうだ!」
カナリーは思い付いた。
今度は魔破片を魔弾の方へ全面展開し
魔弾そのものを結界で封じ込めた。
中で、弾きまわっているが、封じることが出来た。
そして魔破片を圧縮し、そのまま、追跡魔弾を消し去った。
「あ!見えた!もう少しよ!頑張って!」
病院はすぐ目の前だった。
「はぁ…この魔弾は使いたくなかった。でも使うしかないよね。お願い、ザミエル。」
(あぁ、任せろ。)
跳躍魔弾魔術<スペル・魔弾Ⅶ>
7発目の魔弾が放たれた。
今までとは違い、黒い弾丸が発射され
魔力の風のようなものが、銃口からフードの人物の後ろへ向け発生した。
その魔弾は撃ったと同時に、亜空間へと消え去った。
「あ!危ない!」
カナリーがちょび髭おじさんを庇う。
ちょび髭おじさんの背後から亜空間が生成され、
魔弾が跳躍してきた。
「いった~い!」
カナリーの額に魔弾が命中したように見えたが、
額に魔破片を展開していた為、それに弾かれた。
当たった煙の跡が出来ていた。
「あいつ…何者なんだ…。ってか、代償が…来る!どこから…!」
(当てようが当てまいが、それは避けられねぇ。)
7つ目の魔弾には呪いがかけられており、
それを放つと、最終的に、自分に帰ってきてしまう。
どれだけ避けようが、最終的には必ず、撃った自分が撃ち抜かれてしまう。
亜空間が生成され、フードの人物へ魔弾が跳躍してくる。
避けても、避けても、亜空間が生成され、魔弾が追ってくる。
「くっ!」
フードが撃ち抜かれ、その姿が現れる。
薄桃色の髪に、濃いピンク色で若干ジト目気味な
クール女子が現れた。
そして、目に魔弾が飛び込みそうになった。
左手で魔弾を受け止め、事なきを得た。
「いった…。弾取り除かなきゃ…。」
カナリー達は無事に病院へと到着し、ちょび髭おじさんは助かっていた。
凄腕女性ドライバー
カナリーの見立てでは恐らく転生か転移者。
この人が居なければ、カナリーが病院の場所を
知らなかった為、仮に魔駆動車を運転出来ていたとしても
政治家男性は出血で死んでいた。
MVPをあげるなら絶対にこの人。
魔弾の狙撃手
若い女性。薄桃色の髪で、濃いピンク色の目をしている。
ちなみに、目がかなり良い為、スコープが無い状態で全て撃っていた。
魔弾
弾には魔術式が描かれており、
撃つ前に狙撃手の考えた弾を放つことが出来る。
第41話、読んでいただきありがとうございます。




