コード31「夕日を見つめるその瞳の奥には」
第31話
前回、リベラと知り合ってその次の日から
ミルキィリヴァーでの朝を迎えた。
朝風呂を済ませ朝食ビュッフェでお腹を満たし
朝支度を進めた。
「あ、リベラさんおはようございます。ミルキィリヴァーのご飯は温かくていつも美味しいです。」
リベラは昨日と変わらず眠そうにしていた。
「おはようです。皆さん本日のご予定はあるですか?」
予定という予定はなかったため、その旨をリベラさんに伝える。
「いいえ、私たちは絶対にこれと言った予定はありませんよ。都市歩きをしながら聞き込みでもしようかなと思ってたところです。」
「ん…それなら今日は私が、都市案内するです。ホテル従業員として…。皆さんが良ければですが。」
「え!良いんですか!?それはこちらとしても是非お願いしたいです!」
というわけで、ホウロー家を探すついでに、みんなで都市観光をすることになった。
「とっても楽しみです!そういえば、観光はまだしたことが無いんですよね。ずっとお屋敷か、一番外側の露店エリアにしか行ったことがなかったので。」
「ほう。カナリーさんはまだこの都市の魅力をまだ知らないというわけですな~!これからたくさん知っていくといいよ~。謎もたくさんあるんだ。いつかミステリーツアーでもしようじゃないか。」
ニハイルさんはミステリーに目がない。
5人で楽しく雑談しながら、都市を回った。
複合商業施設レストガーデングループが経営している大きなショッピングモールだった。
服屋や、アクセサリーショップ、カフェなんかも点在している。
そんなこんな楽しく話をしながら移動しつつ、展望エリアへとたどり着いた。
「ん…ここ…私の好きな場所です。都市が一望できて…綺麗で、よく来るです。」
サンセットビッグスクウェア。夕刻になると多くの人が集まる。観光名所である。
リベラは沈みそうになっている夕日を見つめながらその瞳の奥には何か考え込むように、
少しだけ寂しそうで悲しそうな表情をしていた。
カナリーは胸の奥がキュッとなり、思い切って聞いてしまう。
「今日はとっても楽しかったです。リベラさん、あなたは何者ですか?あなたは…悪い人には見えないです。でも、あなたが何か隠していることは…分かってます。教えてください。あなたのこと、そしてフィリナさんとの関係を。」
ただ一人、ニハイルだけが驚いていた。
皆が静かにリベラを見つめる。彼女から何か聞けるのではないかと期待して。
リベラは天を仰いで、深く息を吸い込み、大きく吐き出した。
「……ただの…従業員…です。フィリナも同僚…です。隠し事なんてないです。」
唐突にリベラに通信が入る。
「アールエム、その者らを拘束せよ。命令だ。」
リベラは悔しそうな表情をしたのち、返答する。
「承知です。」
そう言うと魔力を解放し魔力の爪を生成した。
「……ごめんです。」
リベラが4人に襲い掛かる。
マナがニハイルとアンセルを守る体勢に入る。
カナリーはリベラの指を組み、止めようとする。
「わっ…わわっ!」
だが、その勢いが強く、展望エリアから二人とも落下する。
「リベラさん…どうして…。」
リベラは空中で体勢を立て直し、カナリーへ追撃する。
「あわわわわ…た、た、大変だ~!2人とも、魔術警察へ連絡…」
ニハイルが全てを言う前に、マナがニハイルとアンセルを背後から眠らせベンチに座らせた。
「申し訳ございません。迎えの者をよこしますので。」
マナはそういうと展望エリアから降り、2人を追いかけた。
対リベラ戦始まりました。
第31話、読んでいただきありがとうございます。




