コード29「魔女帽を被った少女」
第29話
前回、探偵部アライバルへ訪ねたところから
探偵部の2人にフィリナちゃんとフィオラさんの捜索依頼をし、数日。
カナリーとマナの2人は探偵部の事務所兼部室を訪れる。
「ごめんくださ~い。誰かいますか?」
声をかけるが誰も反応しない。
ソファーに目をやると黒いウサギの耳が飛び出ていた。
「はっ!お客さんかい!?あ、な~んだ君たちか。おあよ~」
ニハイルが目をこすりながらゆっくりと起き上がった。
特別、焦っているわけではないのだが、
少しでも捜索を始めたい思いから、部室へと足を運んでいたのだった。
「ふーむ。フィリナ・ホウローさん、フィオラ・ホウローさん。今回の捜索対象だね。探し出すのはかなり難しいだろう。学園内であれば、時間をかければなんとか見つけ出せれたかもしれない。だが、衛星都市から探し出すのは…至難の業だ。まぁ引き受けたのは私なんだがね~。」
とりあえずは、学園内で聞き込みをすることから始まった。
学園内でもかなりの人数がいるため、聞き込みは骨が折れる。
「聞き込みを始めてから、1週間、何も情報が入らないね。そろそろ学園外に出るべきか…」
探偵部の皆さんと一緒に学園外へ出た。
アミルダさんへ事情を話し、外泊する旨を伝え、
休日に学園外へと出た。
「あ、やっほ~お待たせ。部長さ、あんまり外に出ないものだから、少し酔っちゃったみたいでね。この通りさ。悪いけど、少し休憩させるよ。」
ニハイルは人酔いをしてしまい、気分が悪そうだった。
「ニハイルさん!これどうぞ!お水です!大丈夫ですか?ゆっくり行きましょう!1日や2日で見つかるものでもないのに…手助けしてくれて本当に助かります!」
「なぁに、我が探偵部に不可能という文字はない…!人助けがモットーだよ。うぅ…。」
セントラルトレインステーションのベンチで休む。
たくさんの種族の人々が忙しそうに皆歩いている。
「そろそろ…大丈夫だよ。久しぶりに外に出たし、聞き込みをしながら、ゆっくり都市観光でもしながら回ろうか!」
セントラルトレインステーションで聞き込みを始めた。
「あの、すみません。少しよろしいでしょうか?本当にちょっとだけ。フィリナ・ホウローと、フィオラ・ホウローという人の名前をご存知でしょうか?人を探しているんです。」
「いや~知らないねぇ。申し訳ないが、急いでるんで。これにて。」
「はて…わしは知らぬな。この都市のことは良く知っておるが…。この都市の歴史はな…」
「ん~知らないわぁ。あ、そろそろセールの時間だわ!ごめんなさいねぇ。」
やはり、この広大な衛星都市で聞き込みをしたとて、知っている者は少ないだろう。
「すみません。そこの方。お聞きしたいことが…」
薄群青色の長髪に小さな体で
とんがった魔女帽に大きく長い剣のようなものに
布を被せたものを片肩にかけている少女へ声をかけた。
「あれ…?あなたどこかで…?」
どこかで見たことがある少女だった。どこだろうか。
「マスター、以前にホテルミルキィリヴァーでぶつかってしまった方にございます。」
そういえばそうだった。あの時に出会ったことがあったんだった。
「ん…?私に何です…?」
その少女は以前と同じく、眠そうな目をしていた。
「私達、人探しをしていて、フィリナ・ホウロー、フィオラ・ホウローと言う者達を探していて…何か知っていますか?心当たりだけでも構いません。」
その少女は少しだけ驚いたような顔をし、考え込んでいた。
魔女帽の少女はカナリー達には聞こえないくらいの小声で
「んー…どうしてその名を…」
何か知っている様子であった。
「もしかして知っているんですか!?何か知っているのなら、教えてください!」
ついに知っていそうな人物に出会ったことで少しだけ希望が見えた。
「ん~…そうだな…じゃあ、付いてきて。私からも聞きたいことがあるです。」
その少女は常に眠そうであった。
久しぶり?に学園外へ出ましたね。
章設定とかあまりしていませんが、新章突入です。
第29話、読んでいただきありがとうございます。




