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私とAIの異世界転生!  作者: 星廻 月華
【勇者編:調査章】
251/273

コード250「砂中から這い出るもの」

第250話

前回、レールの修復作戦を開始して

それぞれがデュンワーム・ビィと相対し、

各々のやり方で掃討している。


「やぁぁぁぁ!<スキル・サイドアウト>!か~ら~の!<スキル・クロープレス>!」


岩井(いわい) 祈里(いのり)の柔道とスキルの組み合わせ技が炸裂する。

巨体で、人型でもないのだが、祈里は大外刈りをかけ、

そして、そのまま、魔力を込め、掴み、地面に叩きつける。


砂煙が立ち上る。


「岩井さん!体力管理は平気!?それだとすぐにばてちゃうわよ!」

羽島に心配される祈里は自身の体力の事を一瞬忘れていた。


「あ!ごめんごめん!うっかり忘れてた~!出来るだけ抑えないとだね!うおー!」

デュンワーム・ビィに向かって突っ込む祈里であった。


羽島はそんな岩井の様子を見て、額に手を当てる。

(まったく…あの子、抑えてって言ってるのに。)


羽島は他サイドも見渡す。


(勇者組の他で…心配な子と言ったら…あ、居た…。)


空中を蹴り駆ける少女が居た。

「えへへっ!行くぞ~!いーんちょー達が頑張ってる間にっ!ふん!

<スキル・エアスタンプ>!」


五十嵐(いがらし) (はるか) 空気系スキル。

空気を操るスキルを持っており、スキルの種類は多種多様。

空気を攻撃だけでなく、防御にも使えるのが強力。

結界スキルとまでは行かないが、風を操り、簡易的な結界を作り出す事も可能である。


「おーい!しおりーん!がんばー!応援してるよー!」


ピースを向けている。

ここ戦地って事、忘れてない?


「あの子も…元気が良いんだから。」

羽島が五十嵐の背後の魔物に向け矢を放ち、即座に回収し援護していた。


「ふぅ…。スキャンして分かったけど、こっちの群れは掃討したみたい。そっち手伝うよ。」

天音ユウリは全てを斬り、他戦闘が苦手な者らに駆け寄る。

そこに魔物達が群がっており、即座に走り出す。


「<スキル・ジャストスラッシュ>!エドガーさん、保科さん、小張さん、大丈夫?」

一閃で、4体のデュンワーム・ビィを全て斬り裂いた。


小張が結界を張り、そこに、保科、エドガーが待機している。

「あれ…?これは…ドーム状の結界…。ここに入っていたんだ。」


「はい。私の結界で、皆さんを。この結界内に居れば私達は安全なので、お気になさらずに。他のみんなを手伝ってあげてください。」


天音ユウリはコクリと頷き、一旦、作業中の黒見藍達を見に来た。


「修理組は進んでる?こちらは、問題なく防衛出来てるよ。そちらの状況を知れたらなって思ってるけど。」


作業をしながら、顔は向けずに口だけを動かして

「こちらは、現在30%が終わっています!あと70%ですね。魔物の群れが多いかと思いますが、お互いに頑張りましょう!」


それぞれが集まって修理しているわけでは無く、

少し離れた場所で4名は修理を行っている。


4名を守るように、それぞれがポイント別に防衛をしている。


黒見藍地点には、

ナカ、セリン、フェニが守っており、


十六夜栞地点には、

岩井祈里、長谷川夏未が守っている。


橘環菜地点には、

小張が張った結界で完全に守られており、

そこに保科、エドガーが居る。


取替(とりかえ) 莉央(りお)地点には、

五十嵐が簡易結界を取替に施しており、

少し離れた位置で羽島が援護している。


(うん…これなら、みんな無事に終わりそうだ。私は…。スキャン範囲を広げて…デュンワームの成体を探そう…。


<スキル・エリアスキャン>。)



天音ユウリの脳内に、レーダー表示で敵影が映し出されていく。

(デュンワーム・ビィの数は…合計…56体。結構多いな…この中のどこかに成体が居るのか…ん?地中に…大きな反応が…)


天音ユウリは思考する。

これは、橘環菜の居る地点だと。



(ん…?橘…環菜…。確か、結界…を張っている地点…。地中から…?はっ!)


「まずい!!!ドーム状の結界は、下からの攻撃に弱い!!くっ!間に合うか!?

<スキル・疾走一閃>レベル3!!!」


3連撃を何度も繰り出し、天音ユウリは橘環菜の元へ走る。


「逃げて~~~~!!!!!!!!!」


天音ユウリのその叫びで、全員が橘地点に目を向ける。


すると、地面から、巨大なデュンワームが現れる。

「オォォォォォォォン………」


橘環菜が上空に打ち上げられ、デュンワームが大口を開ける。

(くそっ!ミスった…後手に回ってしまった…!足に魔力を乗せて……疾走一閃を繋いで…あの子の元に!)


しかし、天音ユウリの地点からだと、間に合わない。


「今度は……私の足なら!!!届くんだ!!!もう負けたくないから!


<スキル・チャージダッシュ>!!!!」


長谷川夏未がスキルを溜め、一気に解放し、砂埃が爆発したかのように舞う。

橘環菜を抱きしめ、空を駆け抜けた。


「もっと…早く助けなさいよぉ…ばかぁ!でも、ありがとう…。」


長谷川は鼻をかき、助けられた事に安堵する。

他の者達も一安心するのだが、


「待って。デュンワーム、どこ行った!?」


今度は…逃がさない!!!

天音ユウリが走りながらエリアスキャンをかける。


大きな穴の中から、どこに向かったのかを、

デュンワームの魔力に全集中する。


「見つけた!!!黒見藍!気を付けて!その地点のみんな!彼女を!」


ナカ、セリン、フェニが臨戦態勢を取る。

黒見藍はその声を聞くが、作業を止めない。


「皆さんを…信じます!」


黒見藍の周りに3名とも、集まり、地面を注視する。

地面が揺れる。だが、黒見藍は集中して、手元を狂わせない。


黒星の鍵杖(クラヴィス)!お願い!!!」


"スキル発動<スキル・ナイトベイト>"


少し離れた位置にて、ナカが誘導スキルを発動する。


(ここなら…!)


地面が割れ、ナカの下から、デュンワームが飛び出してくる。

「オォォォォォォォン………」


ナカがデュンワームによって打ち上げられる。


空中で体勢を立て直し、

黒星の鍵杖(クラヴィス)を構える。



この子に…フルスイングを!!



だが…



そんなデュンワームを下から掴む腕がナカから見えた。


え?今のは…



飛び出したデュンワームが引きずられたかと思うと、

突然、地面が大爆発し、砂煙が上がる。


「くっ!な、なに!?」


飛び上がったナカが地面を見ると、

そこから二つの光る眼が輝き、


「はっ!?」


赤い"ブレス"がナカに向け浴びせられてしまった。


空に昇る炎の柱。



「グルルルゥ…」


獣…いや、まるで恐竜が唸っているかのような声。


「グオオオォォォォォォン!!!!!」


砂と同色の姿をした、ドラゴンが地中から現れる。

そのドラゴンの口元には、デュンワームの血が付着しており、

それが不気味に光る。


ドラゴンは口に着いたデュンワームの血を舐め取り、咀嚼する。



「ナカちゃん!!!!!!!!!」



皆がナカの無事を祈る。


炎の中から、丸い結界が現れる。


"間に合いました。<スキル・ボールシールド>。マスター、想定外の事態です。非殺傷制圧の成功率6%。現在生存率28%。すみません、マスター。


<スキル・インストール>。"



ナカの目の色が変わり、黒星の鍵杖(クラヴィス)が入り込み雰囲気が変わる。


「インストール完了。反撃開始します。」

勇者達の奮闘も輝いて見えますね。


デュンワーム・ビィの群れの中から、デュンワームが現れるが、

そいつを喰らい出でるはドラゴン。

ナカの中に入った黒星の鍵杖(クラヴィス)


大砂漠のドラゴン戦が始まります。


第250話、読んでいただきありがとうございます。

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