コード228「世界会議、最終日へ向けて」
第228話
前回、世界輝鳥調査局・ソリナが設立され
「でも、設立するのは分かりましたけど、その局の場所ってどこに建てるんですか?」
ヒノアマツ、ユウヒは素朴な疑問を口にする。
世界を自由に飛び回り、調査する。
ゆくゆくは世界中に支部を建てれば良い話なのだが、
世界のどの国にも属さない中立である為、立場という問題もある。
「最初は…ううむ…。確かに、どうするか。」
皆、悩んでしまう。
「あ、あの…王立司書委員会は最初はどうしていたんですか…?」
それを聞き、ルールアンカーは当初から考えていた考えを出す。
「どこの国じゃなくても、国と国の間でも構わないのではありませんか。実際、王立司書委員会本部は、どこの国にも属していませんし、国と国の間と言えば良いでしょうか。そこに建てればいいのではないでしょうか。」
実を言うと、輝鳥様は1人で世界中を回り、調査を行っていた。
その為、それ専用の建物は存在していない。
だからこそ、皆、悩んでいたのだが、
こんなにも簡単に答えが出て来るとは思っていなかった。
ちなみに、オリヴィア、アイジア、ルールアンカーなどはそれに気が付いており、
何も問題とは思っていなかった。
「あ…。お恥ずかしい。申し訳ありません。失態を見せてしまって…。」
ユウヒは恥ずかしそうに、扇で顔を隠した。
なんとも愛らしい。
世界中の摩訶不思議な事案や、依頼があれば、
それを調査しに行く。
危険はあるかもしれないが、教育し、
訓練をし、また、世界からの精鋭を募集する形を取れば、
何も問題はない。
「そういえば、組員はどうするんだね?どこの国にも属さないというのなら、組員はどこぞの、村の者から取ってくるわけでもないんだろう?」
そのような問いに対する答えも実は用意してある。
というよりも、完全中立な組織はもう既にある。
「王立司書委員会が良い例ですね。我々は、各国から様々な人種を雇っています。これは、その者が故郷を持っていたとしても、住民権を持っていたとしても、我が組織に属しております。もちろん、偏見などないよう、十分に教育しております。裁判官を務めてもおりますし、何なら、竜人種の役員も居ります。」
それを聞き、納得する竜の小国の王。
全てにおいて、王立司書委員会は便利である。
中立組織としての、良い例になってくれるからだ。
完全中立という事は、第三陣営として、敵対視される事も少なくないだろう。
でも、それでも、設立した。それは、必要だと感じたから。
やり方を間違えなければ、良い組織になると信じて。
文句はなくなったのだが、やはり、心配の声も上がる。
更に、文句を言わないだけで、良く思わず、内心で、色々と思う王もいた。
「新しい事をするのは何も悪くありません。保守派の意見も分かります。でも、これは、国の為とかそうじゃなくて、世界の為ですから。ね。手を取り合っていきましょう。」
オリヴィアは言葉で手を差し伸べる。
まるで、心を読んだかのように。
(聖白様は昔よりも輝鳥様に似てきましたね…。昔はもっと表情も硬く…口調までも、昔とは変わって…。)
ルールアンカーは昔を懐かしむ。
会議としては、上手く纏まった方だろう。
2日目の成果を簡潔に伝えると、
銃が世界に出回る事となる。
自由に捜査出来る調査局を設立。
の2つとなった。
「これは…悪くありませんね。銃の流通に関しては厳重に審査査定して、決めるとしましょう。調査局に関しての人員はまた、遠隔会議やらで、決めましょう。募集して面接しても良いかもしれませんね。その後の動きに関しても我々、王立司書委員会がサポート致します。」
決まればトントンと進むこととなった。
「さて、他に議案はありませんでしょうか。気になる事があればぜひ。…。無さそうですね。細かいことがあれば、王立司書委員会にまで便りを送ってくだされば、こちらで対応致します。」
今回の会議としては、そこまで長くは無かった。
その為、少し自由時間が出来る。
これは王達の話にはなる。
ルールアンカーは、多忙が極まってくる。
考える事が更に増えるのだが、
それとはまた別に、世界の事で、打開でき、
進展出来るかもしれないと、そう考えると、
忙しさすら、嬉しくもあった。
「2日目の会議を終わりたいと思います。皆様、ありがとうございました。明日に関しては、新魔王様のこれらの全ての意向を踏まえての挨拶及び、考えを聞きたいと思っています。くれぐれも…時間厳守で遅刻の無いように。よろしくお願いします。では、解散します。」
会議が終わる前、ルールアンカーは魔王達をじっと見つめていた。
やはり、ナイアではない事がバレていた。
どうやってかは分からないが、解析魔術か、
それに近いスキルのようなものだろうか。
ともかく、この2日目、3日目で
なんとか、探して連れ戻さなくてはならない。
だが、結果としては、それは無念に終わる事となる。
時刻は2日目の会議が終わった頃。
「やア。オリヴィア。昨日は会えずだったが、少シ話したいな。あ、もちろん、個人的な事でだ。国交については、追々正式な場で。少し話せないだろうか?」
オリヴィアは嬉しそうにそれに応える。
「もちろん!私も、話したいと思っていました。嬉しいですね。またアイジアに会えるなんて。ブロックチューンについては、聞かない方が良さそうですかね。」
それについては、悩んだのち、話さなかった。
「すまない、それについては…来るべき時が来れば、まタ話したいと思ってる。それまで待っていてくれるカ?」
オリヴィアもそれに同意する。
話せないことと言えば、オリヴィアも同じだったからだ。
「まあ、話せる範囲で話そうじゃなイか。最近の趣味とかでもさ。」
オリヴィアとアイジアの2人はその日、趣味について話し合う事となり、
その話は、少しだけはなくなり、かなりの時間話してしまっていた。
視点は、魔王達視点。
「おい!本気でどうするんだ!?ナイアの嬢ちゃんがいねーと、俺ら笑われちまうぜ。新魔王はビビって来ねぇってよ。このままじゃ…。」
この日はギリギリまで、探しに出ていた。
魔王は、眠気を感じず、寝なくとも活動が可能となっている。
「会議が始まるまでの間、全力で探そう。」
全員で魔術を駆使し、探す。
「ナイア…。どこに…。」
バエリアは不安が募っていた。
ナイアに何が起こっていたのか魔王達は何も知らない。
そして、ナイアはニブルティスからどうやって帰って来るのか。
世界会議に潜り込んだ奴らが何をするのか。
運命の3日目、最終日が始まろうとしていた。
聖白王、オリヴィアの昔はもっと表情が硬く、
口調も今とは全然違っていました。
何かが彼女を変えたのでしょう。
ちなみに最近のオリヴィアの趣味は色々な紅茶を飲んだり、
世界中の紅茶を集めたりすること。
アイジアの趣味は、たくさんの猫を撫でること。
2人共、良き趣味の話が出来た事でしょう。
魔王達は、皆ナイアの心配をしています。
果たして、帰って来れるのか。
世界会議編、終盤へ近付きます。
運命の3日目。どうなるんでしょうか。
第228話、読んでいただきありがとうございます。




