コード21「ビュッフェとバルコニーで」
第21話
前回、ビュッフェ会場へ向かったところから
4人で客室を出て、ビュッフェ会場へ向かっていた。
「楽しみですわ~!たくさんの食べ物が並べられてて、好きに取っていって食べていいんですのよね!?」
ケーシィさんが目を輝かせながら料理達を見渡している。
「ふふ、ケーシィさんが楽しそうで何よりです。まずは席を取ってから取りに行きましょうか。」
私達は、河が良く見える大きなテーブルの席を取ることが出来た。
ケーシィさんはこれでもかと言うほどたくさんの料理を手に持っていた。
「わたくし、ビュッフェって初めてでして…あ!あれもこれも欲しいですわ~!」
ケーシィさんはたくさんの料理を取ってきていた。
「すごい量ですね…。そんなにたくさん食べられるのですか?」
リルフ君がケーシィさんについて教えてくれた。
「ケーシィは、昔から大食いでね、あれくらいなら食べれると思うよ。それに、みんなと一緒に食べに来てるから、はしゃいでるのかもしれない。見て、あんなに楽しそうだ。あ、ケーシィ、口回りすごいよ?」
リルフ君がケーシィさんの口回りを拭っていた。
束の間の休息って感じだと思った。
みんなでディナーを楽しんだ。
私は河の方を見ると、月が水面に照らされていた。
ケーシィとリルフは2人まだ食べているみたいだった。
カナリーは1人、バルコニーへ出てきていた。
「お腹が…ちょっと休憩!…。風が…心地いいなぁ…」
マナはカナリーを邪魔しないようにその様子を少し離れたところから静観していた。
もし、魔術学園に入学出来たら…もっともっと楽しい事がたくさんあるだろうなぁ…
あ、でもその前に…落下の魔人さんにお願いされた事も進めていかないとだね。
夜空に浮かぶ月を見つめながら思い出していた。
場面は、壁を破壊しながら突き進んでいるところに戻る。
「なぁ…あんた、図々しいのは分かってる…でも、俺思い出したんだ。俺には家族がいた。いや、今でもきっとどこかで生きてる。俺の家族を探してはくれないか?心配なんだ…妹のフィリナ。母さんの方はフィオラって言うんだ。ホウロー一家だ…。頼む…俺は…俺にとっての…大切な家族なんだ。俺はきっとこのまま魔術警察に捕まっちまう。探しに…いけねぇ…。頼む…。生きてるか…死んでるか、それだけでも構わない。俺に知らせに来てはくれないか。ほんとに…図々しいよな…こんな時に。一生のお願いだ。俺が出所できればの話になってしまうが、その時はあんたのお願いを俺は何だって聞くよ。だから…頼む…!」
彼の話し方、表情からも、悲痛な思いを抱えていることは良く分かった。
「分かった。あなたの妹さんとお母さんだね。探してみるね。私は、みんなに幸せになってもらいたいから。安心してって強く言えないかもしれない…でもね、目の前で助けを求めてる者がいれば、私は必ず手助けをしたいって思ってるから。私はあなたの味方だよ。あと、何でも聞くとか軽々しく行っちゃダメだよ?悪い人に騙されちゃうんだから。」
フォールンは涙を流しながらただ一言。
「ありがとう。」
そんな会話を思い出していた。
フィリナちゃんとフィオラさん、
出来る限り探してみよう。
だが、カナリーは気付いていなかった。
それもそのはず、フォールンは1回目の投獄をされた時点から
ある者に力を貰うまで、10年の年月が流れていた。
フォールン自身も、度重なるストレスや逃げ出したいという気持ちから
10年もの時が過ぎていることに気が付いていなかった。
カナリーは少し寒さを感じ、みんなの元へ戻っていく。
「あ!カナリーさん!デザートも食べ放題なんですってね!別腹ですわよ~!」
重い話題の思考から一変、ケーシィさんのおかげで少しだけ気が紛れたのだった。
フォールン君報われて欲しいですね。
そういえば、フォールン君からカナリーの名前を聞いていないのはわざとです。
ここではまだ聞いていなかったということになります。
第21話、読んでいただきありがとうございます。




