コード20「入学試験の後のひと時」
第20話
前回、集団面接を受けた次の日から
入学試験の面接はまだ続いているらしく、
私達が面接を受けた次の日のこと。
私は、ホテルでマナの淹れてくれた紅茶を飲みながら、
ベランダで河を見ながら風を感じていた。
「今日も…穏やかな一日だねぇ~鳥さん達も鳴いていて…眠くなってきちゃうね」
ベランダのリゾートチェアに座りながら目を閉じゆっくり過ごしていた。
マナも部屋の中で本を読みながら過ごしていた。
すると、部屋に備え付けの通信魔具が鳴ったため
マナが受話器を取り、話を聞いていた。
「はい、少々お待ちください。確認いたします。」
マナはフロントから何かを聞いているようだった。
「マスター、ケーシィ様とリルフ様がお尋ねになっているようです。私達の今いる部屋に尋ねたいようですが、いかがなされますか?」
私はもちろん大丈夫と伝え、それを聞いたマナはフロントに伝えても問題ないと言っていた。
しばらくすると、扉をノックする音が鳴り、扉を開けると、
ケーシィとリルフが私達を訪ねてきた。
「おふたりともごきげんよう。入学試験依頼ですわね。遊びに来てしまいましたわ!」
「二人ともこんにちは。マナさん、迷宮ではありがとうございました。僕だけでなくケーシィの事も助けてくださってありがとうございます。」
ケーシィは相変わらず元気で、リルフに関しては、人見知りが少し緩和されたみたいで
私達に対しても、落ち着いて話しができるようになっていた。
「お久しぶりです!ケーシィさん!リルフ君!私達も今ゆっくり過ごしていたところで、暇してたんですよ~!2人なら大歓迎です!」
マナは席を立ち、紅茶の準備を進めていた。
「そういえば、聞きたい事があったんですのよ。カナリーさん、あなた…どうやって魔人を倒したんですの?」
ケーシィとリルフが訪ねて来た本当の理由でもあり、それが気になっていたらしい。
「どうやってって…うーん…それに倒したわけじゃなくて、捕まえただけですよ?マナと協力して。ね?」
本当にマナと協力して捕まえただけだから、
これ以上説明のしようがないとカナリーは思っていた。
ケーシィは純粋にパチパチと拍手をしてくれていた。
「素晴らしいですわ!あんなに強かった魔人を捕まえるだなんて、とてもすごい事ですわ!称賛をおくらせてくださいまし!」
リルフも同様に、すごい事だよと言ってくれていた。
嬉しい。でも、実際に捕まえたのは、マナだと言うと、
「いいえ。実際、捕まえられたのはマスターの力あってこそです。私はあくまでもサポートをしたまでです。」
謙遜されているが、マナが来なければ、私は巨大な塔にぶつけられていたことだろう。
「ううん、マナが居なかったら、私はどうなっていたことか。本当に感謝しているんだよ。それに、ケーシィさんも、あの時はありがとう。」
私はマナの手を取り、いつものように感謝の気持ちを伝えた。
それでもマナは謙遜するように、
「私はマスターの為に出来ることをしているだけです。しかし、こちらこそありがとうございます。」
そんなこんなで、ケーシィとリルフを含む4人で楽しく談笑した。
しばらく話し込んでいると、日が傾いてきた。
「あら、もうこんな時間。おふたりは大丈夫ですか?」
ケーシィ達は元々別のホテルに泊まっていたらしいが、
今日、こちらのホテルに宿泊し直したらしく、
時間は全く問題ないとのことだった。
「そうですわ!もし、カナリーさんとマナさんが良ければですけど、ディナーをご一緒しませんか?」
当然、大丈夫だった。むしろ、ご一緒できないかと考えていたところだった。
ホテルミルキィリヴァーには、レストランやビュッフェ形式のものもあり、
宿泊している者は選んでディナーを楽しめる。
また、その日のうちに予約をしていれば、部屋でディナーも楽しめるものもあった。
だけど、私たちは今日は予約をしていなかったため、
4人でレストランかビュッフェのどちらにするかを相談していた。
「それなら、わたくし、ビュッフェを経験してみたいですわ!その存在は知っていましたけれど、未だ経験したことが無いんですの。よろしいでしょうか…?」
ケーシィはビュッフェを経験したことがないらしかった。
「それなら、みんなでビュッフェを楽しみましょう~!」
4人は客室を出て、ビュッフェ会場へと向かった。
入学試験を終わらせた4人での日常会
第20話、読んでいただきありがとうございます。




