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私とAIの異世界転生!  作者: 星廻 月華
【勇者編:鍵杖章】
202/273

コード201「アイトリ・ナカ」

第201話

前回、アークに舞い降りて

「この世界は不思議な物で溢れている。」


奇跡。

この世界は希望に満ちており、

私達はなんとか、この世界(アーク)に舞い降りる事が出来た。

本当に奇跡だった。


私の名前は『アイトリ・ナカ』。


私はナカちゃんとか、ナカ様って呼ばれていた。

風が吹き、銀髪の髪がふわりとなびく。

目を開くと、翡翠色の瞳が朝日に照らされ目を細める。


■■…。


黒星の鍵杖(クラヴィス)が左手にあり、右手にあるのは、謎のブレスレット。

チェーンに翡翠色のひし形の装飾の白いブレスレット。


頭が痛い。あれ…これ…なんだっけ。


どこかで見たことがあるような。

思い出せない。まあ、いっか。


"おはようございます。マスター。"



胸を見ると、もう血は出ておらず、完治していた。

黒星の鍵杖(クラヴィス)が治してくれたのかな。


「おはよう、黒星の鍵杖(クラヴィス)。」


私の脳内に直接言葉が流れ込んでくる。

ブレスレットからだ。無機質でまるで、AIみたい。

でも、どこか温かい感情を感じる。


"その認識で、間違いないですよ。"


「そうなんだ?黒星の鍵杖(クラヴィス)って、なんか不思議。なんだか、懐かしい気がする。」


"懐かしい…ですか。しかし私はこの前初めてお会いしました。記録にはありません。"


会ったことも話した事もないけど、

どこか、懐かしい。そんな気がする。


頭の中で海の音が聞こえる。

優しくて、心地いい。


空を見ると、鳥が飛んでいた。

小さな光る鳥。

そんな鳥見た事もない。


「……そっか。私、異世界転移したんだ。」

木の根元で伸びをし、木漏れ日から空を見る。


「……これから、どうしよう。」


"マスターは、どこから来たんですか?元の世界に帰りたいとか思わないのでしょうか?私達なら、きっとマスターの元居た世界に帰れると思います。"


「うーん、それは良いかな…。だって…。」

私は元の世界で虐められてたから。

これと言った能力も無くて、

いつもひとりぼっちだったし。


「大丈夫だよ!この世界で新しい人生を過ごす。あ、旅とか良いかもね!」

"マスター、私も居ます。もう、一人じゃありません。私も同行してもよろしいでしょうか?"


もちろん。

心の底から、そう願う。

黒星の鍵杖(クラヴィス)にも、言葉が届いていた。


嬉しいな。一緒に居てくれる誰かが居るのは。



プツン。


■■…。



あれ、一瞬ボーっとしてた。



「んーっ。」

私は、だいたい10歳。


10歳の子供が、冒険なんて出来るのだろうか。


"その事についてなら、ご心配無用です。"


「どうして?」

私の心を読まれた。きっと黒星の鍵杖(クラヴィス)に触れているからだろうか。


"マスターは、膨大な魔力を秘めています。しかし、申し上げにくいのですが、現在そのほとんどの魔力が枯渇状態で、ほとんどありません。"


魔力か…ファンタジーだ。魔法とか使ってみたいな。

「って、それ、ダメじゃん。魔力が無いんじゃ…魔法も使えないし無力だよ…。」


"マスター、ここでは魔法ではなく、魔術です。力の使い方が違うようです。それに、魔術が使えない状態で危険な事があれば、私をお使いください。"


なるほど、確かに黒星の鍵杖(クラヴィス)があれば、

なんとかなるかも?


私は楽観的に考えるようにした。


「そうだね。よし、目標!最高の旅をする!えっと、あと魔力?も元に戻す!」

あと、謎のノイズもいつか知りたい。

■■って一体なんだろう。


「あ、それから…友達、欲しいな。」

少し恥ずかしかったけど、口に出して言葉で目標を立てた。


前の世界じゃ、友達が居なかったから。


どこからか拍手のようなものが聞こえてくるような気がした。

きっと、黒星の鍵杖(クラヴィス)だろう。


「よし、なんとなく頑張ろ~!」

気合を入れ、今後の目標も立てた。

生きる目標も。



プツン。


頭の中で音がした。

これは…記憶…?

誰の記憶?


「…な…。こっち~!」


あれは…誰だろう。

私の髪がまだ、長かった頃?


元気よく走る。

まだもう少し小さかった頃だ。


「…えへへ、お母さん!」



"…スター。マスター。"

その声ではっとする。

ぼーっといたらしい。


なんという。

黒星の鍵杖(クラヴィス)が何か言いたげな雰囲気を感じる。


「……ごめん。疲れているのかも。」


まだ疲れているんです。許してください。

なんか、夢見ちゃってた。


"まあ、いいでしょう。さあ、冒険に出ましょう。"



そうして、私達は、冒険に出た。




大魔女視点


アークの世界の結界圏(ホール)に、大きな穴が開いている。

そこは、世界と世界の狭間であり、外と中を隔てる結界。

穴が開いても、しばらくすれば自然に修復されるのだが、

開いている間は、中から、また外から自由に出入りする事が出来てしまう。


「何かが通った跡がある。それも、ひとつだけじゃない。2つある。」


「それを調査するのが、私達大魔女の役割でしょう。」


「2つ通過して、上手く言えないけど…後続の奴の方が変な心魂だった。心魂なのかも、良く分からないけど。」



ナカを追っていた、何者かが、アークに侵入している事は大魔女達以外知らずにいた。



ナカ視点

"さて、マスター。まずは村や大きな街を目指しましょう。"

黒星の鍵杖(クラヴィス)が提案してくれる。


私はまだ眠い。けど、ちゃんと起きないと。


「そうだね。私も空から落ちる時に、たくさんの光を見た。あれはきっと、街だった気がする。それを目指そうかな。」


伸びをすると、お腹が鳴った。


"昨夜から何も食べてないですからね。鑑定スキルを使用できますので、山菜やキノコなど、また川を探してみましょう。私はある程度なら浄化が可能ですので、安心して水を飲めます。さあ、行きましょう。"


髪を耳にかける。

そういえば、私、髪の毛がばっさり切れたんだった。

ショートボブにしたことはなかったけど、イメチェンってやつだね。

この世界に降りて来てから、黒星の鍵杖(クラヴィス)が切ってくれた。

どうやって切ったのかは知らない。


風が吹き抜けていく。私の頬を撫でて気持ちいい。


「ねえ、黒星の鍵杖(クラヴィス)。私、少しわくわくしてるかも。私には全然力とかないけど、それでも、何とかなる気がしてるんだ。きっと大丈夫って、誰かがそう言ってくれてる。そんな気がしてるんだ。」


"はい。私もお守りします。マスター。"


大丈夫。私が守るから。



心の中で誰かがそう言ってくれてる。

だから、私は大丈夫!

ちょこっとキャラクター紹介

「アイトリ・ナカ」

本作の■■■。見た目年齢は推定10歳。

見た目は、銀色の髪でボブカットスタイル、星空のような翡翠色の瞳。


第201話、読んでいただきありがとうございます。

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