表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私とAIの異世界転生!  作者: 星廻 月華
【勇者編:鍵杖章】
201/273

コード200「心魂と鍵」

第200話

??視点

「私は■■が好きだ。」


不意に出たその言葉。その言葉は、思ったよりも重く。

目を深く閉じる。目を閉じると、あの時の光景が目の裏に焼き付いている。


貫かれて、奪われる。


あぁ…なんで、なんでこうなっちゃったんだろう。


私は、空に落ちる。

辺りは星空に満たされ、キラキラと輝きを放っている。

空間が鏡が割れるかのように、私は落下していく。


気が付くとそこは夜であり、見たこともない高層ビル群が立ち並ぶ。


まるで近未来。


そして、冷たい豪雨が私の肌を突き刺す。

雷も鳴っている。すると、私が突き抜けて来た空間から、

一人、魔女帽を被った者が追いかけて来る。


「……っ!」


私は体をねじり、受け身を取る。

力が入らない。苦しい。痛い。

私はゴミ捨て場に落下する。


どうしてこんなことに…。


■■に会いたい…。

一瞬、私の頭の中で砂嵐が、ノイズが走る。


「早く…逃げないと。」


胸を見ると、血が溢れている。


痛い…熱い、冷たい。

帰りたい…。


その間、魔女帽を被った謎の人物が、少女へ歩みを進める。


ダメだ。弱気になっちゃダメ。

私は生きなくちゃ…!

足が震える。ダメ……。違う…!


ダメじゃない!!!


私は、生きて帰るんだ!!!



ここは、見知らぬ世界。

とにかく、どこか逃げないと。


"こっち…"


どこからか、声がする。


…どこ?


雷が鳴り、一番高いビルへ、その雷が落ちる。


"ここに…来て。"


頭が…鳴り響く…声がする。私を呼んでいるのは誰?


"時間がないの…"


…良く分からないけど、そこに行けばいいの?


私はなんとか、必死に走った。

体が、髪が、雨に打たれる。


胸は熱い。でも、体が冷たい。


後ろから、エネルギーの刃が空間を斬り裂くかのように飛んで来る。


「うっ…。」

辛うじて避ける事が出来たが、綺麗な長い髪が斬り落とされる。


「私は…生きるんだ…!こんな所で…!」


私は建物の壁にもたれこむ。

まるで、誰かに受け止めてもらうかのように。

諦める…もんか。


必死に前に進み、エレベーターにもたれかかる。

音も無くゆっくりと最上階に辿り着いた。


そこは謎の白い空間であり、

中央に、黒いひし形のクリスタルが宙に浮いていた。

そのクリスタルはまるで宇宙のような煌めきを放っていた。


それに近付こうとした瞬間、私は力尽きた。


もう…ここまでなの。


そう思ったその時、地面が、建物が揺れる。


"私はあなたを待っていました。全システム、スキルアルゴリズム・オン。

スキル・ジェネレート。


黒星の鍵杖(クラヴィス)。"


大きなひし形のクリスタルが変形し、

膨大なエネルギーを放ちながら一つの大きな鍵へと姿を変える。


その鍵へ、私は手を伸ばす。


私は…死ねない…まだ…


まだ、生きたい…!!!



声に反応するかのように、大きな鍵が、私の前に浮いている。


鍵が…、鍵を私は掴んだ。



"認証開始。セキュリティレベル:シエル エトワール。

アクセス権限を解放。全ての準備が完了しました。

ご指示を。■■■■。"



鍵を掴んだその瞬間、私は使い方を理解した。

ノイズが少し消える。


「……そうか、これは…こんな所に…うん…、分かった。」


黒星の鍵杖(クラヴィス)、世界の扉を開いて。


光が空へ放たれる。


私は世界の扉の鍵を開く。

そして、空間が割れ、目の前に、


星空で満たされた世界(マルチバース)が、映る。


「……綺麗。」


"さあ、いきましょう。私も連れて行ってください。□□□□(マスター)。"


「……それ、懐かしい。うん…、一緒に。」


背後には、魔女帽を被った者がこちらへ向かって、飛んで来ており、


私達は、星空、マルチバースへ飛び込んだ。



どこへ向かって落ちているのか、分からない。


"マスター、私につかまってください。"


黒星の鍵杖(クラヴィス)にしっかりと掴まる。

しばらく落ちていると、謎の声が聞こえてくる。


…。

何をしている。


マルチバースを安易に飛び越えてはならぬ。


貴様らを消去する!



<存在を消滅させる攻撃>が、私達を狙う。

なんとか、その攻撃を避けると、

空間が、音も無く消える。


後ろにあった、星空が、まるで元々何もなかったかのように、

空虚さだけが残っていた。


大いなる者達が、私達を狙う。


"加速を実行します(アクセラレーション)。捕まっていてくださいね。マスター。"


星の鍵杖(クラヴィス)が星屑を放出しながら、超加速する。


背後から、魔女帽を被った者が追いかけてくる。


その魔女帽を被った者が、大いなる者へ、手をかざす。


な、なにを!


謎の光が、空間を飛び、何者かへ攻撃をすると、

大いなる者が消えてなくなった。


「なんだったの…。」


これは…あるまじき事だ。


有り得ない。


そんな事、不可能だ。


なぜ。


あれは…あれは、存在してはならぬ何かだ!


逃げなくては!



<存在を消滅させる攻撃>は止んだものの、

魔女帽を被った者は依然、私達を追いかけて来る。



"もう少しです。もう少しで…"


目の前に、魔力に満ちた世界が見えて来る。


"マスター!今です!!!"


「うん!!黒星の鍵杖(クラヴィス)!」


自分の体と同じくらいの大きな黒星の鍵杖(クラヴィス)をかざす。

すると世界の扉が開かれ、私達は魔力に満ちた世界、アークへ突入した。


大気圏に突入すると、黒星の鍵杖(クラヴィス)がバリアを張り、

私を守ってくれている。バリアの残骸がキラキラと輝く。



あぁ、私今星になってる気がする。



アークから、謎の流れ星が観測されていた。

遂に、200話更新です。

少し前に100話だと思っていましたが、もう200話なんですね。早いものです。

さて、200話の内容として、話せる部分があまりないのが難点です。

説明をしようとすると、ネタバレになってしまうのがほとんどであり、

難しいですね。


まあでも言えるのは、物語の鍵を握る者の話という事だけ。

ここから世界情勢やら他の視点の話が差し込んだりします。

分かりずらい部分もあるかもしれません。そこは申し訳ありません。

でも、それでも、必死に生きる彼女達の物語を最後までお楽しみください。

まだまだ終わりません。続きます。


200話、読んでいただきありがとうございます。


これからも何卒宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ