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私とAIの異世界転生!  作者: 星廻 月華
【入学試験編】
18/273

コード17「魔力の塊」

第17話

前回、魔人との闘いが激化した後から

巨大な塔がカナリーの頭上に落ちてくる。


「ふん!」


カナリーは魔力を3%程度の魔力を全開放をすることが出来た。

だが、魔力で出来た地形そのものが破壊され、亜空間がむき出しとなった。

迷宮の外側。亜空間。それは無限の空のような空間であった。

カナリーと魔人の2人、そして大きな塔がカナリーへ向けて落ちていく。




落下の魔人、フォールンは元々人間だった。

本名、フィル・ホウロー。魔術は扱えない。

彼の両親は、病気だった。もう体が保たず、

病気が体を蝕んでいた。その病気は、『魔力漏核(ロッブ)』。

魔力が乱れに乱れ、魔力核にヒビが入り、魔力が漏れ出てしまう

というものであった。

ホウロー家は4人家族。両親と妹と、フィルだった。


「おい、フィル!お前もたまには、母さんの薬買ってこい!」

フィルから見て父親は、鬱陶しかった。

だが、父親も同じ病気にかかっており、魔力核から魔力と体力が抜け落ちていってしまう。

そんな父親を見ると、嫌味を言おうとしても言えなかった。


「ちっ、しょうがねぇ。今日は俺が薬買ってきてやるよ。フィリナ行くぞ。」

フィリナはまだ小さかったため、誰かが見ていてやらないといけない。

彼女はニコニコと俺の服を掴みながらついてきていた。


魔力漏核(ロッブ)は流行病として、この都市で流行っていた。

薬というのも、魔力強制増強剤を飲むことでしか、しのげないものだった。

だが、根本的問題を解決することは出来なかった。他者の魔力核を

どうこうすることなんて不可能であった。


「今日も、1つしか買えなかったな…フィリナ、早く帰ろうぜ。」


家に帰ると、両親の状態がかなりひどくなっていた。

俺は、どうなったっていい。フィリナを悲しませないようにしてくれ。


「なあ、親父。薬…ひとつしか買えなかったよ。はぁ…先に母さんにあげたら、良いんだよな?…。親父?親父!親父!!」


親父はもう目を覚まさなかった。

起きて、いつものように俺に悪態をついてくれよ…。

どうして…こんなことに…

フィリナにどう説明したらいいんだよ。


「母さん…薬買ってきたよ。母さん…これ、飲んでくれ。」

母さんはまだ保っていた。

父親が目を覚まさなくなったことを母さんに伝えると

母さんは夜、一人で泣いていた。


フィリナが俺の寝床にやってくる。


「にいに、いっちょにねる…」


恐らく、ちゃんと説明していなくても

なんとなくわかるのだろう。

俺はフィリナの頭を撫でながら寝かしつけた。


「とーと…かーか…にいに…すぅ…すぅ…」


フィリナが寝息を立てながら寝事を言っていた。

俺は今まで泣くことはなかったが、

その寝言を聞いたとき、初めて妹の前で泣いてしまった。

なんとしてでも、母さんとフィリナを守らなければ。


父親が居なくなってから俺は、薬を買う事が難しくなり

窃盗に手を付けてしまった。

母さんのための薬、そしてフィリナの食べ物。


だが、ある時ドジってしまった。

魔術警察に見つかり、逮捕されてしまった。

俺は、母さんと、フィリナを守らないといけないのに…。


俺は魔術を扱えない者専用の監獄へ連れていかれた。


早く脱獄して…早く家族の元へ…


どこかに穴が…あれば…


俺に魔術があれば…


「あなた、魔術が欲しいの?」


ある人物が檻の外から俺に話しかけてきた。


「あぁ、あなた、世界を恨むのね。へぇ、なるほどねぇ。」


誰か分からないが、うざったかった。

何もかもがどうでもよかった。

謎の人物が俺に手をかざしてきた。

俺の体に魔術式が刻まれる。


「あなたを魔人にしてあげる。その力で抜け出したら?でも、魔人になったら、自我が持っていかれる可能性もあるけど、まああなた次第ね。穴だったわね。あなたの魔人名は…そうね、フォールン。じゃあ、その力で暴れなさい。またね。」


胸の奥が熱い。苦しい。


フィルの腕に付けられた鎖が引きちぎれるかと思われるほど暴れ回る。


額に、魔術式が刻まれた。


「俺は…フ…。フォールン…。魔人のフォールンだ!さっさとこんなところから出て、会いに…って、誰にだっけ?力がみなぎる!めんどくせぇ!この監獄塔ごと、穴に入れて!」


巨大な監獄塔ごと、穴に取り込み、俺は脱獄した。


場面が、カナリーの頭上に監獄塔が落とされたところに戻る。

地面がカナリーの魔力により破壊され、亜空間に落ちていく。

まるで、夕暮れの空を落ちているかのようだった。


「あなた…なんだか、悲しそう。どうしてか分からないけど、そんな気がした。」


フォールンは頭が割れるような感覚に陥った。


「カナしい…?オレが…?なぜ、涙がどうして…。」

フォールンの目から涙があふれ出ている。


(でも、私…この塔を何とかできないんですけど~~どうしよ~~てか落ちてるし~!これはやばい!)


迷宮が上に遠くなっていく。

だが、迷宮から一つの光が高速落下してくる。


「マスターーー!」

マナが高速落下してくる。

私は、手を伸ばし、マナと合流できた。


「マナ!?どうやって!?」


マナによると、そこら中カナリーの魔力に満ちていたらしく、

それを辿ると、迷宮に大穴が開いており、亜空間に落ち続けている

カナリーを発見し、魔力を込め急降下してきたらしい。


マナは私の手を強く握りしめた。


「魔人を確認。状況の確認。完了。相手の感情の確認。完了。その相手を殺傷せず無力化ですね。了解しました。」

この一瞬でわかってくれるなんてすごい…!


「今、私と手を繋いでいます。なので、スキル<コネクトリンク>が可能です。マスターの魔力を私が制御可能になり、マスターも魔力玉を生成することが可能にございます。実行しますか?」


「うん!一緒に!そして、相手を殺さずに!助けてあげたい!」


カナリーとマナが手を繋ぎ、マナがスキルを発動する。

「スキル発動<スキル・コネクトリンク>」


マナとカナリーが接続され、魔力操作権がマナとなる。

その際、制御も外れ、一時的に100%の魔力出力が可能となった。


カナリーが片手を掲げ、

監獄塔よりも更に超巨大な魔力の塊が生成されいく。


突風と雷が荒れ吹き、超巨大な魔力の塊が監獄塔を飲み込んでいく。

魔力の塊が監獄塔を取り込みドクンドクンと収縮していく。

最終的に、カナリーの手の中に包まれ、監獄塔は消滅した。


「はは…バケモノかよ…俺の…とっておきだったんだがな…。」


マナは魔力の鎖をフォールンへ巻き付け、捕らえた。

そして、マナがカナリーの魔力を使い、一気に上昇し、迷宮へと戻っていった。

フォールン君、どうなってしまうんでしょう。


第17話、読んでいただきありがとうございます。

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