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私とAIの異世界転生!  作者: 星廻 月華
【アトラベルト編】
162/273

コード161「青き水流を穿つ拳」

第161話

前回、フェニが勝ってから

空中に打ちあがったケーシィとウミューシー。

体勢を立て直し、脚を天高く掲げるケーシィ。


「はぁぁぁぁ!ライジェル流!鈍回脚レッグス・ターンハンマー!!!」


ウミューシーはアーマーで防御をするが、

ケーシィの攻撃の重さで、防御ごとウミューシーを海面に叩きつける。

叩きつけた後、ケーシィは地上で待つのだが、


「…?全然、上がってきませんわ。終わった…んですの…?」

フェニの元へ向かおうとした


その瞬間、

大粒の水のパンチがケーシィの頬をかすり、

ケーシィの頬から血が少し流れ落ちる。


「待ってよ。まだ、逮捕出来てないし。先輩は伸びてるし。それにアーマー着てて負けるとか洒落にならないし。」

ウミューシーはイライラしながらもパンチを放ったらしい。


見たところ、ダメージというダメージは無いように見える。

(あの方を倒さないと、行かせてもらえそうに無いですけど…。ダメージが無さそうに見えますわね…。仕方ありませんわ。全てを出し切らないと、勝てませんわね…。)


「…わたくしにも、負けられない理由がありますの。あなたに勝てなくては、あの鬼にも勝てませんものね。」

ケーシィはウミューシーの放つパンチが、

過去、シュテンが放ったパンチに似た威力を感じ取っている。


事実、威力としては近い。

ウミューシーの着ているアーマー、

シーアーマーtypeマンティス。


シャコをモデルにしているアーマーであり、

水中限定で鬼人種並みのパンチ力を出す事が可能となっている。

直撃すれば、ひとたまりもないだろう。


ウミューシーは水中から、ケーシィへパンチを繰り出す。

なんとか、躱すが、癖が強い。


「…ふふっ、相手として申し分ありませんわ!」


(見たところ…パンチの種類が2種類…。溜めて打つパンチと、即時放つパンチ。どちらも高威力。それなら何故、常に即時パンチをしないのか。それを見極めなくてはなりませんわ。)


ケーシィの目に魔力が集まり、観察しながら戦っている。


ウミューシーもまた何かを考えながら、盤面を整えていった。

(…やっぱりこの装備、海の中で使う事を想定している。先輩が使いにくいって言ってた理由はこれだったのね。でも、私なら、この使い方分かるから平気。)


水のパンチをかわしながら戦っていると、ケーシィは

ウミューシーを見失ってしまう。


「はっ!しまった!どこですの!?ここで見失ってしまうと…!」


下から、高威力パンチにより、石橋が破壊されてしまう。

ケーシィは海の中では不利な為、なんとか片手で橋を掴むのだが、


「遅いよ~。つ~かまえた。」

足を掴まれており、ケーシィは海の中に引きずり込まれてしまう。


(しまった…!ここじゃ、わたくしの方が圧倒的不利!早く、地上に!はっ!!!)


「ちょこまかと、もう終わりだよ!出力全開!!

水鎧圧魔術<スペル・水蝦砕(マンティスブロウ)>!」


重く速く爆発するような一撃がケーシィのお腹に入ってしまう。



ダメ…ですわ…意識が…。それに骨が軋んで…。



ーーー

場面は、カナリーらみんなで温泉に入った後の夜コテージにて。

「ふ~~、温泉の後話し込んでいたら、湯冷めしてしまいましたわ…。」


桟橋を歩きながら、マナと話す。

「それなら後程、コテージに伺ってもよろしいでしょうか?是非使って欲しいものがあります。」


ケーシィは何のことだろうと思ったが、快く承諾する。

「お待たせいたしました。ケーシィ様、これを使ってくださいませ。」


マナの手にあったものは、

ーーー



そして時は現在。

「ん…?あれ、手ごたえが変…。何が…。え!?」


ケーシィの服は弾け飛び、水着姿になるのだが、

そのお腹周りには、


「なんで腹巻してるの!?なにそれ!ズルじゃん!」


ケーシィは、魔網目帯(マギテオス・カーフ)を腹巻代わりにお腹に巻いていた。

これは偶然ではなく、マナから湯冷めの腹巻を受け取った時から、

魔網目帯(マギテオス・カーフ)がプロテクターにも応用できると考えていた。

その為、戦闘が始まってから、編みながら戦闘を行っていた。


魔網目帯(マギテオス・カーフ)は魔力で編む為、

水で重くなるような事は無い。巻いていても何のデメリットも無かった。


(はっ!!一瞬、意識が飛んでましたわ…。しかし、魔網目帯(マギテオス・カーフ)を巻いていても、あれだけの威力、もうまともに受けられませんわ。次は確実に骨が折れる…。だから、ここで、わたくしは、新たに殻を破らなくては!!!)


実際、ケーシィのアバラにヒビが入っている。

激痛に耐えながらも、ケーシィは水中にてウミューシーを見据える。



(先輩の事も気になるし、早く決めないと。でも、この子かなり手強い…。あのパンチを受けて、意識を保っているなんて有り得ない。次は…"合わせて"打たなきゃ。もう次で、終わらせる…。)


ウミューシーは構える。その時、ケーシィは気が付いた。

魔力の揺れに。


(…魔力…。2種類のパンチ…。…。はっ!!やっとわかりましたわ!)


ケーシィはもう防御を捨てる。

ありったけの魔力を込め、手に、拳に巻き付ける。


「もう、終わり…!捕まえるんだから!!出力全開!!!

流鎧水拳魔術<スペル・蝦砕竜(マンティスト)>!!!!!」


大量の泡を出しながら、高出力攻撃をウミューシーは放つ。


ケーシィはその泡を、見逃さなかった。

(チャンスは一度きり…あなたの攻撃は速くて、重かった…でも、あの鬼に比べたら、なんてことありませんわ!!!)


ウミューシーの蝦砕竜(マンティスト)をギリギリで躱す。

躱したその瞬間、腕にしがみつくケーシィ。

「マヴィヴーム!」


水面へ二度目の打ちあがりが起こる。


「はぁ…はぁ…!これ、2度目ですわよ!それから…もう逃がしませんわ!!」


ケーシィは拳を力いっぱい握りしめる。

避けようと、体勢を変えるのだが、

「な、なんで!?は、放して!!」


手を伸ばし、魔網目帯(マギテオス・カーフ)をロープがわりにし、

ウミューシーの体に巻き付ける。逃げられないように。


「ま、待っ…!」



「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!魔力全開!!!


ライジェル流格闘魔術<スペル・魔帯杭拳(マギテオス・テイク)>!!!」



巻き付けた魔網目帯(マギテオス・カーフ)を巻き取り、引き寄せながら

右手に巻き付けた魔網目帯(マギテオス・カーフ)の拳がウミューシーのお腹にモロに入り

爆発を起こしながらウミューシーのアバラが粉砕し、建物を次々と貫いていく。


「はぁ…はぁ…!!押し通りますわ!!」


魔網目帯(マギテオス・カーフ)が揺らめき、

その姿はまるで、鬼のように。

何故躱せたのか、それは、ずっと一直線にしか打てなかったから、

ケーシィはその軌道を予測することが出来た。

更に、高威力である仕組みにも感づいており、

それは、溜めて打つ際には、アーマーの中で水を圧縮し続け、

そのエネルギーを利用し、放つもの。

魔力で圧縮した水で即時放つパンチの2種類であった為である。


合わせて打つというのは、この2種類を合わせ、少し溜めて魔力も合わせて

パンチを放ったという事です。


ケーシィの説明する暇が無かったので、こちらで説明する形となりました。


第161話、読んでいただきありがとうございます。

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