表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私とAIの異世界転生!  作者: 星廻 月華
【アトラベルト編】
146/274

コード145「蠢く深海の者ら」

第145話

前回、ポーラがヤドカリを仲間にしてから

ポーラがヤドカリの体を借り、他の生物達にも呼びかけ

捜索範囲を広げていく。

ヤドカリ自身も海流に身をまかせ、怪しい人物らを探す事1時間。

小魚達が怪しい人物らをついに発見する。

小魚から他の生物へ、ヤドカリへ伝言されていく。


(ポーラ、見つけたぞ。)

(えぇ、視えてる。ありがとう。)


深海に存在する神殿から謎の気泡を確認。

中はシャボンルームになっていた。

ヤドカリがひっそりとその神殿へ潜入していく。


「……画……なって…」



(発見はしたが上手く聴こえないな。どうする?リスクはあるが、もう少し近づくか?)

(いいえ、口の動きから分かります。会話内容はばっちり。)


ポーラは読唇術を会得している。

これは魔術的な不思議な力でもなんでもない。

ポーラ自身の単純な特技であった。



「『計画はどうなっている?』」


「『順調です。やっと今までの屈辱を晴らせますね。』」


(屈辱…?一体何を企んでいるの…?)


「『にしても、こんな文献どこから出て来たんだか。』」


「『あまりにも非人道的であるが故に、意図的に封印されていたのかと。完全に消失させなかったのは、軍事的利用が出来るかもと思ったからでしょうね。まあ、こんな深海の海底火山付近の神殿、基本的に誰も来ないでしょうし見つけられなかったのでしょう。』」


(軍事的利用…、聞き捨てならないワードね。)


「『あくまでも、エネルギー問題を解決するためにやっている事だ。戦争を起こそうとは思わないさ。しかし、この力でアトラベルトのトップに立てるというのなら、それも悪くないかもな。』」


「『ははっ、戦争?おいおい冗談やめてくれよ。俺達の仕事が増えるじゃないか。俺はじいちゃんの為にやってるだけだ。勘違いするなよ。』」


(情報を整理する必要がありそう。封印されている何かを復活させれば、アトラベルトのエネルギー問題を解決することが出来ると。その力は絶大で、クーデターも可能…?大変じゃない。それに非人道的って、まさか…。)


「『攫うのはお前たちに任せる。頼んだぞ。くれぐれも傷物にしたりはするなよ。そして計画の決行は、噴海祭初日。ショーの一目が多い時、月が上がり始める時、あの方を復活させるんだ。夜は魔力が満ちるからな。いいな。』」


ポーラはある最悪の可能性に気が付いてしまう。

(まずい…、これは1人の力では止めることが出来ない…。自国だったなら、秘密裏に動けるけど…政治的問題が…。というか、私、アトラベルトの為に動こうとしてる…?いやいや、困る人がたくさん出てしまう上に、何より、非人道的行為は絶対に許せない…!)


ポーラがヤドカリにその場を離れさせようとしたとき、

気になるワードが見えた。


「『…術だ。噴海祭で使うくそでかい魔術書のコピー。あれを忘れるなよ。あの方の力は絶大だが、予備はあった方がいいからな。先にこちらが仕掛ける。おい、新人、色々準備しとけよ。』」


(噴海祭で使う魔術書…?何の魔術書?先に仕掛ける…?最初が見えなかった。重要そうなのに。先走っちゃった。)


しかし、その者らの会議が終わってしまい、重要な所が分からずにいた。


(視界を外した私が悪い。すまない。ポーラ、食い止めねば大変な事が起こるかもしれない。ポーラ、私からのお願いだ。必ず食い止め、あ)


視界ジャックが途切れてしまった。

(え?ヤドカリさん!?どうしたの!?まさか、見つかっちゃった!?って、もう会話できない…、どうしよう。)


(…。食い止めなきゃ。私は、諜報員だ。ルナリアは無くなっちゃったけど、それでも、誰かのためになりたいという思いは消えない!見てるだけなのは嫌!なんとかしなきゃ…。)


ポーラは海辺から離れ、都市へと走り出した。



一方その頃、カナリー達はというと


「お~~!これが海藻!すごい!すごいよ!わぁ~!」

リルフ、大はしゃぎである。


アミアとも無事に合流することが出来、海中都市のマーケットを散策していた。


「まさか、海中に来てるなんて。というか、メンバーも違うんだね。」

アミアは病院から直行してきた為、学生服を着ている。

デザインがとてもかわいい。


「そうだ。なんなら、ネプトゥスも見て行かない?すぐそこだしさ。」

こうして、カナリー達はネプトゥス海術学園へと向かうのだが、


そんなカナリー達を監視している者達が居た。

マナがなんとなく気が付いているが、その目的までは予測不可能であった。


「あ~ごめんねぇ、今ネプトゥスの一部改修工事してて。入れないんだよ~。ごめんねぇ。」

ネプトゥスに入ることが出来なかった。

メイスィとアミアが若干怪しんでいたが、特に問題無い為、

仕方なく、マーケットへ戻って来る。


みんな各々、観光を楽しみ、そしてホテルへ戻る時間となる。

正直、もっと見て回りたかったのだが、

日が落ちてきた為、カナリー達はホテルへ戻る事となり、

メイスィとアミアは2人で帰路につく準備を始める。

ポーラの読唇術、そして視界ジャックの魔術。

合わせるとかなり強く、更に、視界ジャックには

その生き物の言語翻訳まで出来るという代物。


ヤドカリはどうなったのか、

一体何が起ころうとしているのか。

カナリー達の知らない所で何かが動いています。


第145話、読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ