コード141「ラリマーのロビーラウンジ」
第141話
前回、メイスィ達の夜ご飯と雑談してから
コテージの中にてリーナは銃のメンテナンスをし、
それをカナリー、マナが一緒に見ている。
「リーナ様、使い心地はいかがですか?」
2丁の黒い銃の部品などを見ながら
「凄く使いやすいし、どの距離でも対応できるのが使いやすい。それに、弾替えが物凄くやりやすい。以前の銃だと、銃口から弾突っ込んでたんだけど、この回転式はすごく使いやすい。マナさん、ありがとう!」
マナの力作の変形機構持ちの銃である。
2丁の手持ち銃を1つのライフルにするというのも
設計など難しかっただろうが、そこは流石マナと言ったところ。
「そういえば、リーナ様に見せたいものがあります。」
リーナは不思議そうな顔をしている。
「見せたいもの?なんでしょう?」
マナがニヤリと笑う。
「その銃を少しお借りしてもいいですか?」
マナが2丁の銃を変形させ
新たなパーツを合わせ組み立てていく。
「それから、ザミエルさんに少しだけご協力を。」
マナがリーナの胸に手を置き、コネクトリンクし、
マナがザミエルにあるお願いをしていた。
(うん…。多分出来る。覚えた。)
"ザミエル様…?なんだか元気が無さそうですね。"
(ザミエル…私とは話してくれないのに…。)
そしてその夜、銃声が鳴り響く。
「えっ!?すご…。」
リーナはマナの放った弾を見て驚く。
ザミエルは新しい通常弾を生成することに成功し
リーナの銃のバリエーションが増えていた。
「今の音なに~!?」
モニカが驚き、3人の元へやってくる。
「申し訳ございませんでした。防音ボックス内でするべきでしたね。」
そんなこんなして、後片づけをし、
みんなでゆっくりと雑談をした後、
全員、就寝する。
朝、日が昇り、コテージで目を覚ます。
カナリーがあくびをしながら桟橋を歩いていると、
「…。ふっ!あ、カナリーさんおはようです。」
リベラが先に起きて、体を動かしていた。
「リベラさん、おはようございます!稽古ですか?」
リベラは魔力武器で華麗に剣を振っていた。
「稽古というかなんだか、動きたくて。先に起きちゃってました。」
ぞろぞろと皆起き出し、朝ごはんとしていた。
朝ごはんも軽めなのだが豪勢なものであった。
一方、メイスィが朝、目を覚ます。
起きて、台所で顔を洗った後、
朝ごはんを作っている。
まずはベーコンをじっくりこんがり焼く。
次にベーコンから出た油を使い、コーンを乗せ、
ペッパーをかけて火を通していく。
使い込まれたフライパンであった。
「またやっちゃった…。後で焦げ落とししておかなくちゃ。」
ここで油を追加するのはもったいない。
そのまま卵を焼き、目玉焼きを作っていく。
パンは節約して、半分にカットする。
ワカメスープの準備をし、
焼きコーンとスープを合わせて
朝ごはんの完成である。
「いただきます。」
現在時刻、朝の7時前。
そんなメイスィの朝ごはんの匂いに、他の学生達も起き始める。
メイスィは、パンにベーコンと目玉焼き、
緑の野菜を乗せて食べている。
何気ない朝の時間であった。
朝、午前中。
アトラベルト内、都市にて。
「お~!アトラベルト~。久しぶりに来たなぁ~。」
魔女帽を被った元気の良い女の子が観光していた。
その女の子は魔女帽を指で少し上げ、大噴水塔を見上げていた。
同時刻、ブルーリゾート・ラリマーの駐舟場に、大型ヴィーヴルからメイスィが降りて来る。
「休み期間だからか水路が混んでて少し遅れちゃった。時間は大丈夫…。確かここのラウンジで良いんだよね…?」
メイスィはホテル入口のロビーラウンジに座って待つ。
時計を確認する。9:30。
10時までは30分ほどあった。
メイスィはドリンクコーナーに目をやり、悩む。
こんな豪華なホテルに泊まった事なんてない為、
どのドリンクを飲もうか迷う。
何種類もの果実を使ったジュース、上品な味わいのスッキリ紅茶、芳醇な香りの高級コーヒー。
「ここのコーヒー高っ!ジュースか紅茶か…。紅茶にしようかな。」
ホテルには人が多く居り、メイスィは外を見ながら紅茶を楽しんだ。
休暇を楽しむ客で溢れている。
奥の方から、誰かの話す声が聞こえてくる。
「これは?リベラ先輩、似合ってるよ。」
薄桃色の髪の女の子と、
「うーん…水着ですか…。そういうリーナは白の水着とかどうです。あなたには立派なものがあるじゃないですか。」
薄群青色の髪の少女が話していた。
仲が良さそうだ。
ホテルには、必ずと言っていいほど、水着売り場が存在している。
アトラベルトの文化を考えればそれも当然だろう。
「あ、これなんかリベラ先輩にすっごく似合いそう。スクミズってどういう意味か知らないけど。」
リーナがスクミズなるブランドの水着を発見し、リベラに合わせる。
そこへ、青髪の女性もやってくる。
「あら!リベラさん!それ良いですね!とっても似合ってますよ。」
旅行客だろうか。メイスィはぼーっと外を見ていた。
「カナリーさん達…。まだかな。」
ぼそりと呟くメイスィ。
「スイさーーん!」
メイスィが振り返ると、下に水着らしきものを着たカナリーが
手を振りながらやってくる。
「おまたせしました!」
リーナ、新しい銃を手に入れていました。
どんな銃なんでしょうね。楽しみです。
メイスィの朝ごはんは質素なものですが、
どこか良さがありますよね。
魔女帽を被った女の子がアトラベルトに来ています。
一体誰なんでしょうか。
彼女は大噴水塔を見上げていましたが…。
次話からは本格的な観光が始まります。
第141話、読んでいただきありがとうございます。