コード117「金髪のバニーガールは跳ねる」
第117話
前回、ケーシィが分断されてから
「ガードしろよ。」
グリッグからのパンチをケーシィは必死にガードすると、
遥か後方まで吹き飛ばされてしまう。
ブラックジャックを楽しんでいたお客さん達もみんな、
船の傾きにより、避難をしている。だが、
「避難って言ったってどこに避難すればいいんだよ!」
「くそ!もう少しで勝てたというのに…。」
「職員はお客様をデッキまでご案内して!早く!」
等と慌ただしくしていた。
「いたた…あら?服が…。」
グリッグのパンチで服がボロボロになってしまった。
ガードしなければ服ではなく、肌を溶かされていたかもしれない。
「厄介ですわね…!しかし…殿方の前でこの格好は…。あ!あれは!更衣室ですわね!あそこに!」
ケーシィは急いで更衣室に入る。が、
「ぐ…。これしかないのですわね…。仕方ありません。」
グリッグはケーシィを待った。
「おいおい、着替えか?まあ、俺の攻撃で服が溶けるだけで済んだのなら、命拾いしたな。」
ケーシィは、バニーガール姿で再登場した。
「これで大丈夫ですわ!さあ、再びやりますわよ!!」
「ライジェル流!<スペル・魔力速脚>!」
以前よりも素早さがアップした魔力速脚。
グリッグを翻弄している。
「ちっ!ちょこまかと!」
グリッグがブラックジャックの台を持ち上げ、
それを振り回す。
「足元がお留守でしてよ?旋脚!」
グリッグに足払いをし、そのまま顔面にクリーンヒット。
更に魔力を高めて、吹き飛ばす。
「ヒールだから、少し痛いかもしれませんが、ご了承くださいまし。」
瓦礫からグリッグが這い上がってくる。
「こんなにガッツのある奴は久しぶりだ。それに格闘系と来た。俺も高ぶるぜ。もっとやろうぜ!」
ケーシィは散らばっているチップを手に取り、それをグリッグに向け、投げつける。
「そんなもの!!目くらましか!?」
「魔力速脚!」
急加速し、更に
「来てくださいまし!魔網目帯!」
加速した状態でグリッグに魔網目帯を巻き付け、
加速エネルギーを回転力に変え、ぐるぐるとグリッグを振り回し飛ばす。
「トドメですわ!双掌…はっ!」
その瞬間、ケーシィはガードしなければならないと判断し、
両手両足を密着させガードした。
「魔力膜障壁っ…!」
「疑似溶解魔術<シェードスペル・熱解拳>…。ふぅ…。」
グリッグの拳には、ナックルダスターが装着されており、
そこから熱気が上がって、赤く変色していた。
「あっついですわ!なんだか、前にも熱い思いをしましたわ…。あれで服が…もう!」
ケーシィの黒タイツに穴が開いてしまった。
「これ…借り物ですのに…。」
足を上げ、穴を確認している。
グリッグは少し目を逸らした。
「おい、お前恥ずかしくないのか。」
「ん?それはあなたが攻撃しなければこうはならなかったんですのよ!お覚悟しなさい!」
と言っても、かなりタフだと認識した。
振り回しても全然動くし、吹き飛ばしても全然立ち上がってくる。
(でも…ダメージが無い人なんて居ないんですのよ。このまま…!)
魔力を足に込め、蹴り技を繰り出そうとするが、
グリッグに足で止められる。
「拳だけかと思ったか?俺は拳も足もどっちも行けるんだよ。」
2人の攻防が続く。
(ダメですわ…。決定打を与えられませんわ…このままじゃ…。)
その時、船が思いきり縦に揺れた。
グリッグが船尾側に居たおかげでグリッグが一瞬宙に上がる。
「ここ!!!ですわ!!!」
「しまっ…!」
「魔力速脚+魔網目帯+旋脚!」
ケーシィは急加速をしながら、片足に魔網目帯を巻き付ける。
「ライジェル流格闘魔術<スペル・魔速帯脚>!!!」
グリッグに向け、キックを繰り出す。ヒールが思いきり、グリッグに突き刺さった。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
グリッグをそのまま壁に激突させ、壁に亀裂が広がり、倒した。
「はぁ…はぁ…何事も応用が大事なんですのよ。それから、ヒールで刺してしまってすみませんわ。そういえば…名前聞きそびれましたわね。そんなことより…」
「早く、皆の元へ行かないとですわね…。あ、フェニさん、大丈夫でしょうか。」
ケーシィはフェニの元へ駆け寄っていった。
ケーシィ、どんどんと力を付けていきますね。
応用を使って頑張る人ってかっこいいですよね。
ケーシィ 勝利です。
魔速帯脚
足に魔網目帯を巻きながら、蹴り技を繰り出す、
ケーシィの編み出した新魔術になります。
第117話、読んでいただきありがとうございます。




