コード113話「船上開戦」
第113話
前回、スペルキャノン砲を見てから
仮面を被った大男がリベラを睨む。
リーナはフードを被ったまま、臨戦態勢を取っている。
モニカはそれほど戦いに慣れていない為、後ろで見守っている。
「…了解しました。」
大男がリベラに再び掴みかかる。
リベラは両手に魔爪を発動。両手が魔力の手となり大男と交戦を開始する。
「モニカさんは私の後ろへ。っ!?」
ナイフが飛んでくる。
リーナとモニカはなんとか避ける。
サマーデュエルの時にミナリーにやられた男だった。
「今日は、あの女も居ないな。お前たちを拘束させてもらう。」
一方その頃、フェニとケーシィはレストランエリアに向かっていた。
「ちょ~っと待ってくれよ、2人とも。」
黒いスーツを着た男が2人の前に立つ。
「すまないが、今は急いでいる。レストランエリアで騒ぎがあったらしくて、私達の友人もそこに居るんだ。そこをどいて…。え…?あなたは…クロウ叔父様…?」
「久しぶりだなぁ!フェニちゃん!元気にしていたか~!?」
フェニから発せられたのは意外な言葉だった。
そう、そこに居たのは、カナリーやフェニの叔父。
クロウ・アステライトだった。
「姉さんの事は本当に残念だった。」
クロウはカナリー達の母親の弟の立ち位置にある。
「生きて…らっしゃったんですね。」
「あぁ…、魔術大戦で死ぬかと思ったわ。帰ってこれなくてごめんな。俺にもやるべきことがあったんだ。」
フェニはクロウの事を何となく知っている。過去に何度かだけ会った事があったから。
しかし、フェニから見て、クロウは少しチャラけてるように見えていた。
「昔はあんなんだったが、今はちゃんとしてるんだぜ。カナリーちゃんは元気か?」
昔よりも確かに少し雰囲気は変わったような気はする。
「…私の自慢の妹は元気です。今はそれよりも、そこを通りたいのです。」
しかし、フェニ達は急いでレストランエリアに行きたかった。
「そんなつれない事言うなよ~。感動の再会だろ?な?」
(ここで、フェニちゃんを止めないと、合流されちまう。この子が合流しちまうと少し厄介だ。家族に手はあげたくねぇんだが…。てか、隣は…。報告によれば確か、ライジェル流の使い手…。)
「そこを通してください。クロウ叔父様。本当に急いでいるんです。」
(はぁ…仕方ねぇのか。殺さない程度には動けなくするかぁ。)
「…ごめんな。フェニちゃん、別に嫌いってわけじゃねぇんだ。むしろ姉さんの忘れ形見。大事に思っている。だから、今は少し眠ってくれ。」
(悪く思わないでくれ。フェニちゃん。)
クロウがフェニとケーシィの前に立ちはだかる。
「え!?なに!?レストランエリアで乱闘が起こっているの!?警備員は!?…。乱入できない!?どうなっているの!?」
それを聞いて、カナリーとエリナは少し不安になる。
「カナリーさん、行ってください。子供たちは私が見ておきます。」
エリナが代わりに子供たちを見ると言ってくれたので、カナリーは駆け出して行った。
廊下にて
ペストマスクを付けた白髪の女性がそれを追いかけようとする。
「お待ちになってください。あなたは一体何者ですか。カナリーさんに何か用ですか。」
エリナがその者の前に立ちはだかり、遮る。
ペストマスクの女性は何も言わない。
子どもたちはクルミの持っている部屋で2人で待機している。
エリナと白髪の女性が対峙する。
カナリーがデッキを走っていると、空模様が悪くなっていた。
船尾側のデッキにて、海の奥をマナが見つめていた。
「あれは…。」
アトラベルト国にて。
「報告です!アトラベルト近海にて未確認の超巨大なエネルギー反応を捉えたとの報告があります!魔獣でしょうか…。」
黒衣の占い師の恰好をした人物がそれを聞いて、何か考えていた。
「みんな…!」
カナリーは走っていた。
ルナリアがリベラとリーナを奪取する為動き出しましたね。
それぞれの船上での戦いが始まろうとしています。
ちなみに、ノーマンはリルフの様子を見に行っています。
第113話、読んでいただきありがとうございます。




