コード109「豪華列車と豪華客船」
第109話
前回、学園長達との話が終わり旅行の日から
「では、お師匠様、私はしばしの間ハイブヘイヴンに帰省します。新学期には戻りますので、何卒。」
ロードベルト、セントラルステーション魔列車乗り場にて、
ミアリーゼとアミルダが居た。
「お、そういえば、みんなも今日が旅行だったね~。」
アミルダとミアリーゼは師弟関係にあった。
「あ、皆さん!先日は私もパーティに誘って頂きありがとうございました。とても楽しい時間を過ごせました。その、こちらでは知り合いが少なかったので、嬉しかったです。」
ミアリーゼはハイブヘイヴン国、セレスティア天術学園の
シスター見習い交換留学生である。
先日のサマーデュエル後のパーティに誘うと
ミアリーゼは顔を輝かせてパーティに来てくれていた。
そこで、カナリー達と交流を深めることが出来たのだった。
「皆さんにもお伝えし忘れていましたが、私、サマーバケーションにしばしの帰省をするので…。その、しばらくの間、私の事忘れないでくださいね…?」
カナリー達は顔を見合わせ、くすっと笑った。
「忘れたりしませんよ!実は私達も旅行に行くんです。ミアリーゼさんが良ければ、途中まで一緒に行きませんか?」
パーティの時に見せたような顔を見せて、
「はい!是非、途中まででもご一緒させてください!」
「それでは、アミルダさん!行ってきます!」
アミルダはモニカに皆の事をお願いされた。
「もちろんです。皆さんの事お任せください。ミアリーゼさんも途中まで送っていきますね。」
アミルダとモニカは良い友人関係になれそうだった。
魔列車に乗り込む。
サマーバケーション中だからか、乗客が多い。
それでも、皆の顔は楽しみに満ちていた。
旅行へのルートとしては、
魔列車で2日かけて南に進む。
そして港に到着し、港で船に乗る。
船で更に2日間、乗り換えを挟みアトラベルト直行便に乗り込む。
「旅行~♪楽しいなっ!」
魔列車もロングトレインと呼ばれる、長距離を移動する魔列車に今現在乗り込んでいる。
車両の中は、マギア・ターコイズ・グランド・エクスプレス。
ロードベルト魔列車運営会社が誇る最大級の豪華列車となっている。
チケットの特典にも入っていた為、みんなはこれに乗り込むことが出来た。
「私は、アミルダ師匠にこのチケットを渡されて…。あはは…過保護なんですから。」
車窓から見える景色はどこも綺麗で美しかった。
夜はレストラン車両に移動をし、ビュッフェ形式で楽しんだ。
ケーシィさんがとてもはしゃいでいた。
シャワールームや展望車両も存在している。
そんなこんなで、目的のロードベルト港都市に着いた。
港都市では、海産物が主に取り扱われており、
魔列車の運用でサテリッズにもお魚が入ってくる。
ここは観光都市にもなっている為、人が多い。
皆でお昼休憩を取り、時間を確認する。
13時、ミアリーゼとはここで一時お別れとなる。
「皆さんとご一緒出来て嬉しかったです!ではまた9ムーンに学園でお会いしましょう!神のご加護がありますように。」
ミアリーゼは飛空艇に乗り込んだ。
ハイブヘイヴンは空に浮かぶ大きな島であり、
飛空艇や飛竜でなければ行くことが出来ない。
「また~!学園で~!」
ミアリーゼは良い友人が出来たと心の底から嬉しくなった。
飛空艇はゆっくりと空へ飛んで行った。
そして14時頃、皆で港に向かった。
カナリー達が乗り込む船はロードベルトの誇る世界旅行の豪華客船だった。
マギア・アクア・グランド・クルーズ。
かなり大きな船であり、これで世界のどこにでも行くことが出来る。
ロードベルトからアトラベルトは近い方ではあるのだが、
それでも2日はかかる。しかしこれでも短縮された方である。
その理由は後々分かることになるのだが。
「うわぁぁ~!すっごーい!大きい!船だ!」
カナリー達は大興奮だ。船に乗るのは前世でもしたことが無い為、
とても楽しみにしていたらしい。
超巨大豪華客船の中は、煌びやかな装飾ばかりで
貴重な鉱石や宝石、魔石なども使用されている。
レストラン、プール、カジノ、コンサートホール、
大浴場、スパ、バー、お店、資料館なども併設されている。
また家族連れなども多く利用されるため、
キッズコーナーも豪華なものとなっている。
「本日は、マギア・アクア・グランド・クルーズをご利用頂きまして誠にありがとうございます。皆様の日々の疲れがここで癒されますように。Thank you for your attention.」
こうしてマギア・アクア・グランド・クルーズが無事に港都市を出航した。
ターコイズには旅の安全という言葉が込められています。
中央大陸を行き来し、皆の安全を運ぶ為の豪華列車。
それが、マギア・ターコイズ・グランド・エクスプレス。
彼女達を無事に運んでくれました。
道中にも、ミアリーゼとカナリーらは更に仲を深めることが出来ました。
豪華列車から豪華客船に乗り換えましたね。
しばしの船旅を。
第109話、読んでいただきありがとうございます。




