転生したっぽい
第一作目です。楽しんでいただけたら幸いです。最初の方だけ一気に上げます。
俺は死んだ。死んだということがわかるのは、どうやら、俺がファンタジー好きなら誰しも一度は想像する、異世界転生を果たしたようだからだ。だが俺には死んだときの記憶がない。というか、俺は本当に死んだのか?
…よし、一回落ち着いて状況を整理しよう。
俺は新庄爽。現代社会に生きる大学を卒業したばかりの新社会人だ。
小さい頃から人よりちょっと妄想するのが好きだった。
歩きながら妄想の世界にトリップして気がついたら知らない場所、なんてこともよくあったなぁ…車に引かれそうになって母さんにしこたま怒られたこともあったっけ…今となってはいい思い出だ。
今日は異世界にいる妄想をしてて、ちょっと昼飯でも食おうかなーなんて思って目を開けると…
パッと見30代くらいの銀髪紫目のすっごい美人と、その傍にはこれまた30代くらいの金髪碧眼のちょっとダンディーなイケメンがいた。
「……あー?あぅ?(へ?誰?)」
「まぁ、かわいらしい声だこと...ねぇ、あなた?」
「あぁ、あぁ。とてもかわいいなぁ。よくやった。リリー!」
え、マジで誰?あなたたち髪とか目とか色々おかしくないです!?ここはどこ!?なんか体の感覚がおかしい、声もうまく出ない!俺の手なんかちっちゃくね?まるで赤ちゃんみたいな…
「旦那様、奥様、おめでとうございます!使用人一同、心よりお祝い申し上げます!」
え、よく見たらみんな明らかに日本人じゃない顔してる。てか地球上にこんな人いないよ!しかも使用人いるし!
まさか、これはあれなのか、異世界転生ってやつなのかっ!!(ヤケクソ)てか赤ちゃんかー
そして冒頭に戻る。
異世界に転生しちゃったってことはどうやら確定っぽいな…
うわー、まじかぁ!!神じゃん!まさか本当に異世界に転生するなんて…!
妄想してきたものの、実現なんてできっこないと思ってたけど…ヤバイ、めっちゃ興奮する!
この体はまだ赤ちゃんだ。時間はたっぷりある。めいっぱいこの世界を楽しんでやろうじゃん!!
そしてその日の夜、俺は一人になったので、部屋を詳しく見てみることにした。といっても、さすがにまだ動き回ることはできないので、首を動かすだけなのだが。
ふむふむ。この部屋広っ。俺の暮らしてたマンションの部屋より圧倒的に広いんだけど。なんか凹むわー...じゃなくて!この部屋って俺、つまり赤ちゃん一人に与えられた部屋ってことだよな?やばくね?この世界の基準は知らんがさすがに平民ってことはないだろ。家具とかもすげえ豪華だし…
いや、異世界ってことで勝手に身分制度があると思い込んでたが実際どうなんだ?早いうちに確認しておこう。
ふぁ~...眠くなってきた。そろそろ寝るか…
そうして俺は異世界での一日目を終えたのだった。
作者です。
この度は作品を見つけて、読んでくださってありがとうございます!
小説を書くのは初めてなので、拙いところはありますが、読んでくださると嬉しいです!
次回:爽、自分の名前を知る。
一緒に読んでくださいm(_ _"m)