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102

スライムの成長の早さは凄い。


-102 子供達の為-


 スライムの口調から人化した時は完全に野郎なんだろうなと思っていた好美は、意外と可愛い女の子になったから自分の勘を疑い出した。


光「そう言えばあんた名前は・・・、ないのね?」


 人化してからずっと缶ビールに夢中になっているスライムのステータス画面をさり気なく確認した光、作り出してからそんなに経ってないはずなのに年齢が既に「25歳」だと表示されていた。


スライム「そうなんです、名前を頂戴出来まへんか?」


 関西弁なのは相変わらずだが、時間が経つにつれどんどん口調が流暢になっていった。


光「プルプルなスライムだから・・・、プルで良くない?」


 あまりにも適当過ぎないだろうかと少し引いている好美、その好美をよそにどんどん話を進めていく光達。


プル「おおきに、おおきに!!」


 関西弁をいつの間に、そしてどこで覚えたのだろうか。

 そんな中、好美が「コノミーマート」の経営を任せているウィッチのイェットから好美に念話が、どうやら深刻な相談みたいだ。


好美(念話)「ん?どうした?」

イェット(念話)「今朝ね、いつも通り孤児院から発注書が来たんだけどね。」


 弁当の注文書をいつも通り受け取ったイェット、いつもは部下のプリーストが持って来るのだが今日は珍しくアーク・ビショップのメイスが自ら持って来ていた。孤児院の職員や一部の子供達にはチキン南蛮弁当が人気で発注数が跳ね上がっている、ただ今回はかなりの訳ありらしい。


イェット(念話)「アーク・ビショップから相談を受けたんだよ、最近ずっと暑い日が続いているだろ?その所為で子供達の食欲が全く出ないんだってさ、何か良いアイデア無いかね。」


 確かに日本の平均的な夏日より気温が上昇してしまっているネフェテルサ王国、実は好美達もそろそろ食べたくなっていた物があった。ただ用意にかなりの時間と労力が必要らしく・・・。

 翌日、一先ずある物を手に入れようと農家をしているガイの下に相談しに行った。


ガイ「それだとここよりはダンラルタ王国の方が手に入りやすいと思うよ。」

光「そうですか、ちょっと聞いてみます。」


 光はスマホを取り出し、ある女性へと電話をかけた。


女性(電話)「ああ・・・、それなら叔父さんが沢山持ってるはずだよ。聞いてみようか。」

光「助かる、流石はキェルダね。相談して正解だったわ。」


 そう電話の相手はダンラルタ王国出身の女性ホークマンで、パン屋での光の同僚であるキェルダだった。本人が言う「叔父さん」とは勿論コッカトリスでダンラルタ国王のデカルトの事だ。少し経ってからまたキェルダから電話があり、期待通り持っているとの事だった。光は事情を説明する為に直接隣国の国王に電話した。


デカルト(電話)「そうですか・・・、例の物は数本程あれば大丈夫ですか?」

光「はい、出来れば眺めの物を送って頂けたら助かるのですが。」

デカルト(電話)「宜しければ私が直接持って行きましょう、丁度のっ・・・、いや林田署長に用があるので。」

光「いやいや、国王様に頼めないですって。」

デカルト(電話)「他でもない光さんの頼みですから構いませんよ。」


 その日の午後、コッカトリスの姿でデカルトが光の働くパン屋の店先にやって来た、自ら運んで来た「例の物」を降ろすと人化して友人のいる警察署へと歩いて行った。


光「すみません、助かりました。」

デカルト「いえいえ、お安い御用です。」

キェルダ「でもこれどうすんの?」


 光は自ら倉庫から持って来た鋸で「例の物」を縦半分に割り、切り始めた。


光は自ら倉庫から持って来た鋸で「例の物」を縦半分に割り、切り始めた。

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