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深夜の背徳感付きのカレー。
-80 王女の力と騒動-
妹達を加えた三つ巴の三姉妹が「お供え物(2日目のカレー)」に夢中になっている中、その光景に見入って未だ感動が冷めていないサラマンダーは目をうるうるとさせて思わず素が出てしまっていた。
エリュー「おらぁ500年程生ぎでぎだが・・・、んな貴重な光景見る事出来だんは初めでだ。」
好美「あんたその訛り・・・、何処の出身なの。」
好美がこれからエリューと王宮やコノミーマートでちゃんと会話や仕事が出来るか不安になっている中、瞬時に冷静に戻ったエリューは恐る恐る姉妹に質問した。
エリュー「あの・・・、御三方は頻繁に会われているのですか?」
トゥーチ「いや・・・、俺達3人が揃ったのは久々なんじゃねぇの?」
次女はカレーに夢中だった妹を軽く注意しながら思い出した。
セリー「トゥーチ、はしたないですわよ。そんなに頬張って神らしくない、お姉様それにしてもこうやって私達姉妹が揃って食事するのは15年振りでしょうね。」
クォーツ「ほう(おう)・・・、ほうはっはは(そうだったか)?」
セリー「お姉様まで!!皆様、申し訳ございません。」
やけに腰の低い次女の横で好美の胸中では別の問題が発覚しかけていた、誰も次女と三女までが天界から降下して来る事を予想していたはずがない。
儀式を行ったエリューすら分からなかったのだ、ニコフや好美は勿論、カレーを用意した光本人までも。という事は・・・。
好美「ニコフさん・・・、まずくないですか?」
ニコフ「好美さん・・・、正直言って私も同感です。」
妹達の出現により、いつも通りの量だけが用意されていたカレーがいつもの倍の勢いで減っていく様子を見て2人は顔を蒼白させていた。そう、全然足らないのだ。
好美はさり気なく鍋の中を見てより一層顔を蒼白させた、当初たっぷりのカレーで満たされていた鍋の底が見え始めている。不意に思い出したのだが、このダルラン家のカレーは王と王女も後ほど食べる物でもあった。
時間は午前1:30、正直言って光が起きている様には思えない。念の為、『念話』を飛ばそうとしたその時・・・。
女性「お・・・、お姉ちゃんが3人もいる・・・!!」
噂をすれば影というやつか、厨房の出入口にお馴染みの部屋着姿をしたペプリ王女の姿が。初めての光景に震えが止まらずにいる、そんな王女に当然の様に三女が突っかかった。
トゥーチ「おうおうおう、俺達一応神だぞ!!何が「お姉ちゃん」だ、偉そうにしてんじゃねぇ!!」
クォーツ「トゥーチ、やめろ!!この子はこの国の王女様だ、それに俺にとったらお前らの様に大切な妹の1人なんだよ。いくらお前でも許さねぇぞ!!ペプリ、わざわざ会いに起きて来てくれたのに悪かったな。」
ペプリ「大丈夫、それに私一応・・・。」
その瞬間、トゥーチが「ふぎゃあ!!」と声を上げて伏せてしまった。
ペプリ「上級古龍使い(エンシェント・ドラゴンマスター)だから。」
クォーツ「だからやめろって言っただろ?」
トゥーチ「そう言う事か・・・、悪かったよ。良かったら一緒にカレー食おうぜ、えっと・・・、何て呼べば良い?」
ペプリ「ペプリで、ただもう・・・、カレー・・・、無い・・・。」
セリー「ん?あ、私ったら・・・。」
そう、騒ぎの間に次女が全て食べてしまっていたのだ。好美は急いで光に『念話』を飛ばした。
好美(念話)「光さん、起きてますか?!」
光(念話)「あー、お姉さん皮の塩2本を熱々で追加ねー。後生もよー。」
ピューアによると渚やナルリスと「暴徒の鱗」でずっと呑んでいたらしく、酔っぱらってしまっていたのだ。とてもじゃないがカレーを用意出来る状態ではない。
絶望していた好美は何かの匂いを感じた、何かしらの食材を炒める良い匂い。
何の匂いかと辺りを見回すと、寸胴鍋でニコフが何か料理をしている。パニックの中、唯一冷静だった将軍長はどんな最善策を見つけ出したのだろうか。
将軍長の行動とは。




