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夜勤族の妄想物語 4.異世界ほのぼの日記2~異世界でも夜勤になったので堂々と昼呑みします~  作者: 佐行 院


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78

2人の様子を陰から眺める者が。


-78 過去の悪戯と新たな悪戯-


 2人が遠い昔の思い出に浸りながらハンバーグを味わっている場面を遠くから見ている者がいた、同級生でサブシェフのロリューだ。

 有する資格や知識をフル活用すべくサブシェフとソムリエを兼任していたケンタウロスは、特別料理に合う赤ワインを選んで2人の下へと運んで行った。

 その様子はレストランのサブシェフとしてと言うより、ただただ同級生の1人として。


ロリュー「おいおい、俺を忘れていたりして無いだろうな。ほら、ぴったりなワインを持って来たぞ。」


 3人分持参してきたグラスを1本ずつ、上客であるかつての同級生とオーナーシェフに手渡してワインを注いでいく。

 ロラーシュはロリューからワインボトルを受け取ると、サブシェフにグラスを手渡してワインを注いだ。


ロラーシュ「何を言う、ここにはお前にも会いに来ているに決まっているだろうが。」

ナルリス「ほらよ、お前も食えよ。」


 吸血鬼は小皿に小さく切ったハンバーグを乗せると、デミグラスソースを少しかけてケンタウロスに手渡した。

 ロリューはハンバーグを1口食べると、昔を懐かしむ様に噛みしめていた。実は例のカフェでロラーシュが食べた最初の煮込みハンバーグはナルリスとロリューの合作であった。

 勿論、大臣はロリューにも感謝していた。ロリューもナルリスと共にロラーシュの為、カフェの店主に頭を下げていた。

 2人に非常に感謝していた大臣は涙ぐみながらハンバーグを味わっていた、2人に救われたミスリス・リザードはそれから真面目に働き今でもダンラルタ国王であるデカルトの下で大臣職を務めている。


ナルリス「何泣いてんだよ、再会に乾杯しようぜ。」


 ワインで満たされたグラスを改めて手渡し、3人での乾杯を促した。

 少し顔を赤らめながら3人は学生時代を思い出していた、そんな3人の座るテーブル席に店の副店長が近づいて来た。貸切にしているが故に暇になってしまったのだろうか。

 そう思っていると、副店長は空いていた席に座った。どうやら3人の思い出話に興味を持ったらしい、手にはチーズが数切れ乗った皿が。


真希子「やけに楽しそうにしているじゃないか、私にも思い出話をきかせておくれな。」

ナルリス「そうですね・・・、今もそうですが私達は3人共悪戯が大好きでした。」


 魔学校時代、同じゼミに所属していた3人は教授の所有する乗用車の運転席をラップで巻き、そこにたっぷりの蜂蜜を塗りたくっていた。

 気付かずに乗った教授は、甘い匂いを発するヌルヌルの運転席に違和感を覚えながらも大学を後にして家に帰ったと言う。

 ラップと蜂蜜に気付いたのは家に着いた時で、しかも教授の衣服に違和感を覚えた娘に指摘されてだ。

 また別の日には、偶然拾った教授の教員証のカードに書かれていたバーコードの上に切り取ったポテトチップのバーコードを貼り付けていた事があった。図書館に入ろうとしたが機械が反応しなかった時に異変に気付いたそうだ。


ロラーシュ「あれよくバレなかったよな、今となっては懐かしい思い出だよ。」

ナルリス「そんなお前が数年にも渡ってずっと大臣やってんだもんな、一度結構な悪戯してたけど立派なもんだよ。」

ロラーシュ「それを言うなって、お前だって立派なオーナーシェフじゃねぇか。」

ナルリス「本当、この店開くまで苦労したな・・・。」


 3国の国王に料理を披露し、認められたが故に開いた店だ。しかし自分だけの力ではないという事を重々承知している、自ら似合わないと思う位に馬鹿真面目にやって来たが故に神が光と出逢わせてくれたんだと語った。


ナルリス「良い悪戯をくらっちまったよ、まさかこの俺がやられるとはね。」


 そんなオーナーシェフを隣でサブシェフが眺めていた、と言うより手元をずっと睨みつけていた。どうやらこっそりと悪戯をしかけていた様だ、ただ吸血鬼はずっと気付かぬフリをしていたらしい。


ナルリス「おいおい、お前らやったな?」

ロリュー「ははは、流石にバレていたか。」


 そう、ロリューがワインを注ぎ、ナルリスがじっとグラスを見ていたタイミングを見計らって吸血鬼のスプーンをロラーシュがこっそりと蜂蜜付きにすり替えていたのだ。


今でも変わらぬ3人。

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