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夜勤族の妄想物語 4.異世界ほのぼの日記2~異世界でも夜勤になったので堂々と昼呑みします~  作者: 佐行 院


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52

真希子は息子との再会に訳が分からなくなっていた。


-52 息子達の再会-


 改めて肉屋と飲食店2店舗との契約が成立したのも束の間、真希子はシューゴやケデールと談笑するナルリスに時間を貰って久々に再会した息子に話を聞く事にした。


真希子「あんた、いつの間にこの世界に来たんだい?母ちゃんに一言あっても良かったじゃないか。」

守「まさか母ちゃんが異世界に転生していたなんて思わないだろ?えらく長い間トイレに入っているなと思ったら、「貝塚財閥筆頭株主行方不明」のニュースがテレビで流れたからびっくりしたんだよ。それから数か月かけて資料を引っ張り出しながらニュース見たり、新聞を読みまくって貝塚義弘の釈放や行方不明に関連付けて調べたらここにたどり着いたって訳。」


 流石は大企業の筆頭株主、本人は正体を隠してひっそりと暮らしていたつもりだったが巷ではかなりの有名人になっていたらしい。

 それにしてもこの世界は調べるだけで簡単に来ることが出来るものなのだろうか。


守「行方不明直前に義弘がいたと聞いた山小屋に忍び込んだ時、奥の部屋の床が抜けてて滑り落ちたらこの世界だったって訳。」

真希子「そうかい・・・。そう言えばあんた、結愛ちゃん達とはもう会ったのかい?」

守「結愛って貝塚結愛の事か?あいつもこっちに来てんの?」


 まさかこの世界で聞くとは思わなかった久々の名前に驚きを隠せない守、ただ驚くのはまだ早い。

 すると守の背後から忍び寄る様に伸びていた手が肩を軽く2回、後ろから叩いていた。正体は勿論・・・。


守「うわっ!!結愛に光明!!何でここに?!」

結愛「るせぇな・・・、いきなりでけぇ声出してんじゃねぇよ。好美から『念話』が飛んで来たから来たんだよ。」

守「いや、訳分かんねぇ。好美がいつの間にそんな事を?神様が言ってた『作成』ってやつの影響なのか?」


 結愛がこの世界にいる事に関しては母の悪い冗談と思っていた守、正直何が何だか分からなくなっている。

 ただ守は神からこの世界や『作成』のスキルについての一通りの説明を受けてはいたのだが、転生してからすぐにケデールに拾われ養豚の仕事に就いたので他の転生者と同様のスキルはまだ身につけてはいない。自らのステータスも見た事ない位だから本当なのだろう。


光明「それにしてもお前、ずっとこっちで何していたんだ?」

守「ここの店主に拾われてずっと養豚の仕事してた、でもどうして俺普通に言葉を話せてんだ?この世界の標準語は日本語なのか?」


 どうやら守を転生させた時、神様が『自動翻訳』についての説明を忘れていたらしい。光がいれば何とか説明がつくのだが、ナルリス曰くこの時間は家で家族の朝食を作りつつ洗ったばかりの洗濯物を干している為忙しいそうだ。

 因みに真希子は日本にいた頃、「赤鬼」と称された光の母・渚と肩を並べていた走り屋だった事を内緒にしている。当時の愛車スルサーティーは地下深くの格納庫にて厳重に保管し、普段は渚と同様に軽バンを使用していた。

 そんな中、以前から真希子と約束していた渚がお風呂山での朝のひとっ走りを終えて『瞬間移動』して来た。現場に全く現れないので心配して『探知』で居場所を探したそうなのだ。


渚「真希子、こんな所にいたのかい?全く来ないから心配したじゃないか。」

真希子「悪かったね、店長が行こう行こうって言うもんだから。」

渚「ナルリス、大将。私に一言あっても良かったんじゃないのかい?」


 状況を察してか、実はかなりの豚肉好きである渚は誰からも誘われなかったから少し涙目になっていた。

 するとその瞬間、店の前からエボⅢの排気音エキゾーストと中に組み込まれているCPUによる破裂音に似た爆音が響いた。


真希子「あんた、エンジンつけっぱなしじゃないか!!」

渚「あら、置きっぱなしにしていたからスーさんが持って来てくれたのかね。」


 車の調整の為、朝から渚に付き合っていた「車屋のスーさん」こと商人兼商業者ギルドのマスターである珠洲田がわざわざ届けてくれたらしい。調整の最終確認を兼ね、敢えて走らせて来たそうだ。

 その時、新たにやって来た母の友人の為、先程と同様の生姜焼きに白米と味噌汁をつけて和定食として提供しようとした守が、驚きの表情を見せていた。


守の驚愕の理由とは。

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