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いよいよ好美は気になっていた事を聞くことに。


-㉝ 副店長の思い出-


 好美は気になっていた事を1つずつ片付けていく事にした、まずはオーナーとして気になっていた事。


好美「パルライさん、「ビル下店」っていつの間に名前を決めてたの?」

パルライ「シューゴと2人で呑みながら話していく内に満場一致で決まったんだ、ダメだった?」

好美「いや、知らない内に話が進みすぎてるから頭が追いつかなくなって。それだけなんだけど。」

パルライ「ごめんね、ちゃんと言わなきゃと思っていたんだけど。」

好美「分かりやすくていいじゃん、これコンビニにも使って良い?」

パルライ「勿論、許してくれてありがとうね。」

好美「それは良いとして・・・。」


 今度は個人的に気にしていた事を聞いてみる事にした、「あの人」のいち友人として。正直、店名などどうでも良い位にこっちがメインだと言えよう。ただ決して相手を傷つけない様に間接的にやんわりと・・・、それとなく・・・。


好美「デル、子供の時何が好きだったの?」

デルア「ガキん時か・・・、そうだな・・・。ポテトサラダかな、死んだお袋がよく作ってくれてたんだ。マヨネーズがたっぷりで、それでいてじゃが芋がほくほくで、食感のアクセントにピクルスが入ってた。」

好美「思い出の味なんだね。」

デルア「ああ、それでお袋がいない時は兄貴が作ってくれてたんだよ。兄貴のはピクルスじゃなくていぶりがっこだったな。サラダに入れるためにわざわざ大根から作ってたんだよ。

そんな折、お袋はヴァンパイアを毛嫌いしていた奴らに殺されちゃってな。俺は何とかその場から逃げて皆と離れ離れに・・・。

 それで最近、実は俺に似た奴がこの国にいるって知り合いに聞いてな。生き別れたあいつなんじゃないかって言ってて、俺も兄貴かもと思って確かめにこの国に来たんだ。あいつ・・・、幸せになってるかな・・・。」


 意外な位にあっさりと簡単に過去を語ってくれたデルア、これから一緒に働く仲間として力になってあげたい一心で会話を続けた。あの人に『念話』で現状を飛ばしながら。


好美「優しいお兄さんだったんだね。」

デルア「ああ・・・、そのお袋と兄貴の影響でヴァンパイアである事を隠して料理を習い始めたんだ。」


 デルアの背後に男性の人影を確認した好美。


好美「ねぇ、お兄さんに会えたら何て言いたい?」

デルア「そうだな・・・。「生きててくれて、ありがとう」かな。」


 するとデルアの背後から男性の声が。


男性「それは俺の台詞だ、会えて嬉しいよ、デルア。」


 後ろに振り向いたデルアからは涙が溢れていた、そう『念話』で話を聞いたあの人が『瞬間移動』でコックコートを身に纏ったあのヴァンパイアを連れて来ていたのだ。


デルア「その声はナルリ・・・、兄・・・、貴・・・。」

ナルリス「随分立派になったじゃないか、黒竜将軍ブラック・ドラグーンなんてなかなかなれないだろ。拉麵屋になんかならずに、そのままの方が良かったんじゃないのか。」

デルア「それ以上に兄貴の様な料理人になりたかったんだ、折角の機会と思ってこの国に引っ越して来たんだ。」


 その光景を見て微笑み合う光と好美、ただ好美は光が何かを忘れている様な気がした。光の服装・・・、制服?


好美「光さん、パン屋さんは?」

光「あ、まずい!!お昼休み終わっちゃう!!」


 好美の言葉を聞いた光は慌てた様子で『瞬間移動』でその場を離れた、好美は気を利かせイャンダとその場を離れる事にした。


好美「イャン、そう言えば醤油ダレって準備出来てたかな?」

イャンダ「え、醬油ダレ?あったかな・・・、ちょっと見に行こうか。」


 それから兄弟は久々に2人で吞み明かしたという。


兄弟を見てもらい泣きしかけた好美。

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