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何故かお笑いの件の様に倒れたネスタ。


-㉚ 宴会で出た結果-


 すぐに起き上がったネスタの横で、冷静となっていた渚が思い出したかのように好美に質問をした。渚以外にも気になっている者がいる事だ。


渚「そう言えば好美ちゃん、あんた夜勤になったって言ってたけどいつからなんだい?」

好美「明後日の夜ですね、王宮の見回りの仕事です。」


 どうやら好美の事を聞いた林田が友人のニコフに一言話しておいてくれたらしく、転生してからの生活準備にある程度の期間が必要と考慮してくれたそうだ。

 夫である林田署長に番号を聞いていたネスタが好美の雇い主のニコフに電話してみた。


ネスタ「もしもし、ニコフさんかい?倉下好美ちゃんの事で確認したい事があるんだけどね、本人の夜勤は明後日の夜からで本当に大丈夫なのかい?」

ニコフ(電話)「勿論、本当の話だよ。」


 ニコフは本人の結婚式以来、林田家と家族ぐるみでの付き合いをしており、ネスタとも良き友人として呑みに行く程の仲になっていた。


ネスタ「それにしてもあんた、結構心が広いんだね。」

ニコフ(電話)「可愛い女の子の為なら何でも・・・、がふっ!!」


 電話の向こうから嫁のキェルダに大き目の一発を喰らわされた音がした、数年前からパン屋で接客だけではなくパンの製造も行っているので十二分に筋肉がついていた。


キェルダ(電話)「今「可愛い女の子」って聞こえたけど何の話をしているんだい?」

ニコフ(電話)「し、し、仕事の話だよ。俺を疑おうってのかい?」

ネスタ「キェルダ、本当の話だからやめておやり。」


 ネスタの一言で電話の向こうで握っていたであろう拳を開いたキェルダ、ニコフ将軍長に何かしらの前科があったのだろうか。

 そして最近はずっとネスタの事を「ネスタ姐さん」と呼んでいた。


キェルダ(電話)「ネスタ姐さん、甘やかさないでよ。この前この人の制服からスナックの名刺が数十枚も出て来たんだよ、前の日は男と呑むって言ってたのにだよ。」

ネスタ「うちの人や息子だってたまにする事だから気にする事ないさね、間違いを起こさない限りは大丈夫だから。私が保証するよ。」

キェルダ(電話)「ネスタ姐さんが言うなら良いけど・・・、うん・・・。」


 何処か納得のいかない様子で声を小さくしながら電話を切ったキェルダ、一先ず渚達が気になっていた事は解決したので問題なしとしよう。

 さて、気を取り直してといった感じでそこにいた者達は改めて料理に箸を延ばした。ネスタが電話をしていた間に唐揚げが増えている、ただ最初に揚がった物以上にサクサクしている。と言うよりまだ大量に焼いたり揚げたりした後だというのに鶏肉が残っていた事が驚きである。


ネスタ「ああ、私が持って来たんだよ。唐揚げがどうしても食べたくてね。」


 ネスタが持って来た鶏肉の唐揚げに箸を延ばす好美、1口食べると先程以上にサクサクの衣と少しあっさりの鶏肉が嬉しい。


ピューア「持って来て下さったのが鶏むね肉だったので、今回は2度揚げの唐揚げと棒棒鶏バンバンジーにしてみました。」


 棒棒鶏に使った胡瓜やトマトの水分が口の中をサッパリとさせる、そしてリセットした口で焼き肉に・・・、そしてビール・・・。


好美「最高の無限ループ、しかも牛肩ロースだから甘い脂が嬉しいよ。」

渚「あんた良い顔してるね、料理を作ってくれてるピューアちゃんも嬉しそうだよ。」

ピューア「作り甲斐がありますよ、これから夜勤同士だからいつでも昼吞みが出来ますね。」


 暫くの間3人で呑んでいた結愛と真希子、そしてネスタはこれからの経営戦略について話し合っていたらしいが、かなり酒が入っているので記憶に残っているかどうかが正直怪しい。

 美味い物と美味い酒を堪能していると時間はあっという間に過ぎていった、ただ宴会はずっと続いていた。

 料理に疲れたのか、ピューアは皆とテーブルを囲んでビールをずっと吞んでいた。ただその時人魚には気になる事があったので好美に質問をぶつけた、この宴会の本来の目的。


ピューア「いかがですか?料理はお口に合いましたかね?」

好美「文句なし、合格です!!」


そう言えばこれ味見だった様な・・・。

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