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好美は訳が分からずにいた。


-⑬ 深夜営業の相談と好美の願望-


 席に着いたばかりで全くもって状況を把握できていない好美に渚が今回企てた支店の話をしていると、渚とシューゴが屋台で販売している間に店舗を切り盛りしている光の元上司、いや叔父のにのまえ 一秀かずひでがその場に到着した。渚と同様にシューゴに呼び出されていたらしい。

 ここ数年で店舗を一任される様になった一は、店主であるシューゴ自身の一番の拘りポイントである門外不出の「醤油ダレ」を唯一引き継いでいる人間だった。


シューゴ「あ、おはよう。」

一「おはよう、急な呼び出しなんて珍しいな。何かあったのかい?実は朝の仕込みがまだなんだけど。」

渚「おはよう、悪かったね。実は大将がお客さんに要望されて深夜営業を始めようかって言いだしたんだけどね、週2回から始めてみる方向でそれが可能そうな支店を出そうかって話をしてたんだよ。一応、この子がその支店のオーナー店主になる予定の倉下好美ちゃんさ。あたしらと同じ転生者だよ、来たばっかりで緊張しているみたいだから仲良くしてやっておくれ。

 好美ちゃん、この人は私の旦那の兄で光の叔父の一秀さんだよ。勿論、転生者だからあたしらの仲間さね。昔は光の上司だったんだけど今はここの店舗の店長をしているんだよ。」

好美「お・・・、お願いします。」

一秀「宜しくね、それでどこの予定なんだい?」


 何も知らない一秀に街の中心地に立つ好美のビルを指差し、その1階に支店を出すと伝えた。勿論、好美がビルのオーナーだという事も。

 それを聞いた一は急に態度を変えた。


一「す・・・、すみません。そ、そんな凄い方だとは知らず。」

好美「や、やめて下さいよ。あたしここに来て間もないんですから。」

渚「こらこら、また好美ちゃんが緊張しちゃうだろ。」

一「悪い・・・、申し訳ない。そんでだけど、店舗を出したとしてどうやって深夜営業をやるんだい?夜中にずっと起きて仕事するなんて正直大変だと思うよ。」


 すると好美が腕を組み深く考え始めた、コンビニにおいてもそうなのだがやはり経営に関する知識などない。ましてや今回は調理の知識も必要とされている。食品衛生法の観点から出来れば調理師の資格をも持つ者を探し雇う事が必要とされている。

 好美は『作成』を利用してコンビニのオープニングスタッフ募集のポスターに、今回の拉麺屋の事も付け加え貼りなおした。勿論、不動産屋に貼っている物も。


渚「因みに深夜営業の曜日の希望はあるかい?」

好美「実は来週の火曜日の夜から、こっちの世界でも週3でですが夜勤をする事になったんです。そこで相談してからでいいですか?」

渚「夜勤?こっちの世界でかい?」

シューゴ「因みに差し支えなければ、何のお仕事を?」

好美「王宮の見回りらしいんですよ・・・。」

一「凄い頑張るんだね・・・。」

好美「それでなんですが、そこでのシフトが確定次第でご相談をさせて頂きたいのですが。」

シューゴ「勿論、君がオーナーだから合わせるよ。」


 一先ず、好美には確認したい事が何点かあった。


好美「あの・・・、確認なんですが、もう1階に店舗が入るのは確定なんですね。」

渚「あれ、駄目だったかい?」

好美「いえ、私も拉麺が好きなので構わないのですがこの店ってお昼も営業するんですか?」

シューゴ「勿論、その予定だよ。どうしたの?」

好美「個人的な事なんですが・・・。」


 好美を顔を赤らめ恥ずかしそうにしている。


3人「どうした?」

好美「お酒とおつまみのメニューってありますかね・・・、私夜勤族なので昼吞みがしたいのですが。勿論、その分お家賃はお安くしますので。駄目・・・、ですか?」


 それを聞いた3人は数秒の間沈黙した後、大声で笑いだした。


好美「何ですかー?」

渚「ははは・・・、ごめんごめん、悪かった悪かった。そう言う事かい、不安そうに言うから何かと思ったよ。大将、勿論良いよね。どちらかと言えば場所を借りて世話になるのはこっちなんだから。」

シューゴ「勿論さ、何なら酒とおつまみの出前もさせて貰うよ。家賃を安くしてもらう分はこっちもサービスしなきゃね。」

好美「そこまで求めてはいないのですが・・・。」


どうやら相談は順調に進んでいる様だ。

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