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134~135

改めて感傷に浸る光明。


-134 犯人逮捕の影響-


 王国軍の軍隊員が軍隊長カップルに呆れかえっている中、光明が親子たちの感動の再会をずっと眺めて感傷に浸っていた。


光明「子供、親子、家族か・・・。」


 今思えば結愛と結婚して以来仕事ばかりの日々がずっと続き夫婦らしい事をした覚えが全くない。

 正直、そろそろ自分達も家族を持つべきでは無いかと少し考え始めた。それを『察知』したのか、好美と屋上の露天風呂での入浴を続けながら酒に酔った妻から『念話』が(都合上挿絵では衣服を着用しています)。


挿絵(By みてみん)


結愛(念話)「おい光明・・・、今「子供」とか考えていなかったか?」

光明(念話)「確かに、少し考えていたな。」


 光明は『念話』で話しながら少し顔を赤らめている、まだ酒が抜けていないのだろう。


結愛(念話)「今夜・・・、いや今からどうだ?丁度、俺今「ピー(自粛)」で「ピー(自粛)」だぜ。」

光明(念話)「今、結愛が・・・。」


 良からぬ想像をしてしまった光明は1人鼻血を出していた、正直満更でもない気分だったという。


光明(念話)「ば・・・、馬鹿野郎。何言ってんだよ、お前。」

結愛(念話)「欲しいんだろ、構わねぇぜ。」


 結愛も酒に酔っているので満更でもない気分だったそうだ、ただその『念話』を横から聞いてしまった好美が妨害した。


好美(念話)「馬鹿!!そう言う話は家でして、私だって「ピー(自粛)」で「ピー(自粛)」なんだから守と・・・。」


 同刻、豚舎で豚の餌をせっせと作っていた彼氏は好美の思考を『察知』したが故に何故か悪寒がしていた、彼女の方からあの様な台詞が出たのは珍しかった上に非常に久々だったので正直焦っている。

 隣で一緒に餌の準備をしていたケデールが守の異変に気付いた。


ケデール「守、顔色が悪いぞ。何があった。」

守「店長、今夜辺り雪が降るかも知れません。いや吹雪が来ます!!」

ケデール「おいおい、こんな暑い日に有り得ん事を言うな。」

守「そうですね、俺もバスタオルを用意しておきます。色んな意味で。」

ケデール「馬鹿か。」


 そんな中、好美達が露天風呂を楽しむビルの1階にある「暴徒の鱗 ビル下店」では先程までずらっと並んでいた客を捌き切った店長のイャンダと結愛の兄である海斗が賄いを食べ、一服しながらテレビで流れたニュースの速報を見ていた。


挿絵(By みてみん)


 「下級魔獣違法売買の元国際指名手配犯逮捕、貝塚財閥副社長と拉麵屋台店主達に感謝状か」との内容だった。渚が事件解決に協力したので「暴徒の鱗」の名前が流れたが故に、宣伝効果出ると予想した店長は一言呟いて立ち上がった。


イャンダ「今夜辺り忙しくなるかもな・・・、好美ちゃん呼んだ方が良いかも。」

海斗「好美ちゃんってここのオーナーの?」

イャンダ「うん、たまに手伝って貰っているんだ。それにここが深夜も営業できるのは好美ちゃんのお陰なんだよ。」


 店長はすぐさま連絡を入れようとしたのだが、先手を打ったのはオーナーの方だった。


好美(念話)「イャンダ、今夜19:00に店でお祝いするから外のテーブル席とっといて!!」

イャンダ(念話)「え?!手伝ってくれる訳では無く呑みに来んの?」

好美(念話)「当たり前じゃん、光明さんや渚さんのお祝いしなきゃでしょ。叉焼とお酒大量に用意していてね。」

イャンダ(念話)「う・・・、うん・・・。」


 イャンダは痛い所を突かれた様だ、実はビール含めた酒の在庫が尽きかけていたのだ。焦った店長は急いで食事を終えると副店長のデルアを連れ、契約先であるゲオルの店に直接酒を買いに行った。その隙に海斗も食事を終えたのでそそくさと・・・。


海斗「お・・・、俺帰ります・・・。」


 海斗の背中を見ながら店長と副店長は落胆していた、今夜人数的には大丈夫だろうか。


-135 お楽しみ後の祝勝会-


 好美が予約を入れた19:00、イャンダの予想通り「暴徒の鱗」には行列が出来ていた。しかし今夜の好美達には関係の無い事だ、好美と守は一足早く『瞬間移動』で店に到着して「予約席」と書かれた札が置かれた屋外のテーブル席に座ろうとしたのだが。


イャンダ「好美ちゃん、何で2人とも少し汗ばんでんの?しかも顔が赤いし。」

守「腹空かせる為に運動してたんだよ・・・、な?」

好美「そうそうそう・・・。」

イャンダ「ふーん・・・、でも主役は渚さんと光明君だろ?」

好美「いいじゃん、別に。」


 オーナーが少しいじけかけているので急いで宥める店長。


イャンダ「悪かったよ。ほら、特別にビール1杯サービスするから許してよ。」


挿絵(By みてみん)


好美「全員にも1杯ずつなら良い・・・。」


 少し笑顔を見せながら答えた好美、どうやら現金な女性に育ってしまったらしい。


イャンダ「好美ちゃんには頭が上がらないや、分かったよ。」


 イャンダの言葉を聞いたデルアは結構な量を仕入れたつもりだったが足りるかどうかが正直不安だった、何も聞かなかった事にして店内で食事したり順番待ちで並んでいる客を捌きつつ酒の肴の準備に入る。

 調理場にイャンダも加わり、ホールには魔学校生のバイトのみとなった。そして出来上がった肴と酒を持ったバイトが屋外テーブルにやって来た。


バイト「お待たせしました、自家製叉焼とビールです。」


挿絵(By みてみん)


 好美が涼しい顔をして仕事をこなすバイトに感心していた時、『瞬間移動』で今夜の主役の1人を連れた大企業の社長がやって来た。ただこの2人も先程の好美達と同様に顔を赤らめさせ汗ばんでいた、不自然にも衣服が少し崩れている。


結愛「腕立て伏せと腹筋をしていたんだよ、呑み食いの前のいつもの習慣なんだ。な?」

光明「そうそう、お陰で腹減ったよ。早く座ろうや。」

デルア「いらっしゃい、みつもんニュース見たよ。凄かったね。」


 知らぬ間に仲良くなっている2人、一緒に遊びにでも行った事があるのだろうか。ただ不自然な点が・・・。


デルア「これは俺からのサービスね。」

光明「ありがとよ、というかさっきから聞きたかったんだけど何で鎧なの?」


 店にはちゃんと制服があるのでデルアの不自然さが物凄く目立っている、焦った副店長は言い訳を考えた。


挿絵(By みてみん)


デルア「コ・・・、コスプレ・・・。」


 実は先程仕込みをしていた際に制服に醬油ダレをぶちまけてしまい、着る物が無かったデルアは何故か店に偶々あった鎧でごまかす事にしたのだ。因みにこの事にはイャンダが爆笑しながら許可している。

 そんな中、もう1人の主役である渚が光夫婦とやって来た。渚本人は至って普通の表情をしている、しかし何故か光とナルリスが4人以上に汗ばんでいた。


光「店の手伝いをしてたのよ、皿洗いが多くてね。」

ナルリス「そうそうそう・・・。」

守「あれ?母さんは?」

ナルリス「きゅ、休憩してもらっていたんだよ。朝からずっと仕事していたからね。」


 焦った様子のオーナーシェフを『察知』した副店長からそこにいる全員に『念話』が。


真希子(念話)「何言ってんだい、ずっと「ご休憩」してたのは店長だろ。」

ナルリス(念話)「真希子さん、聞いてらしたんですか。リアルな単語を出さないで下さいよ、食事前ですよ。」

真希子(念話)「自業自得ってやつだよ、観念しな。」


 皆に笑われながら席に着く光夫婦、そして全員にビールが行き渡った。


結愛「渚さん、光明!!2人共よくやったぜ!!皆お祝いしよう、乾杯!!」

真希子「こら結愛ちゃん、私無しで始めないでくれるかい!!」

結愛「お、おば様・・・。いつの間にいらしたんですか?」


いじける真希子も参加し始めた。

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