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132

遂に・・・。


-132 逮捕-


 数人の部下(らしき人物)達が先程から囲んで足止めしているラルクに上からのしかかり動きを制限している中にビクターも参戦し始めた、胸ポケットから警察手帳らしき物を取り出している。ご立派にも中にはしっかりと制服姿で撮影したと思われる写真が入っていた。


ビクター「天界警察のビクターだ、ダンラルタ王国における外界への違法で不当な下級魔獣とミスリル鉱石の売買及びバルファイ王国での魔学校生誘拐と婦女暴行、そして殺人未遂と人身売買容疑で逮捕する。(※スラスラと台詞を言っていますが天界警察というものはございませんので悪しからず)。」

ラルク「くっ・・・、どこで見てやがった・・・。」


 上から部下(らしき人物)たちが体重をずっとかけているので苦し紛れに質問する元国際指名手配犯、そのラルクを自らのミスでこの世界に送ってしまった上級古龍は力を強めながら答えた。


ビクター「俺含め天界にいる者をナメてんじゃねぇ、お前がこの世界に来てからずっと空から見張ってたんだ。」

ラルク「この世界に来た時からだと・・・?!」

ビクター「お前は行っては駄目だと止めたのに制止を振り切って無理やりこの世界への門に飛び込んだだろう、私の顔を覚えていないか。」

ラルク「やっぱり見覚えあると思ったら、あの時の・・・。」

ビクター「思い出したか、ミスとは言えこっちの世界では善良な市民として真面目に生きてくれると信じていたのにいとも簡単に裏切りやがって・・・。」

ラルク「俺を信じてくれていたのか・・・、そんな奴は初めてだ。くっ・・・。」


 ラルクは顔を背けて涙を流し始めた、体が小刻みに震えている。


ラルク「長くなるが、昔話を語って良いか?」

ビクター「何だ、聞こうじゃないか。」

ラルク「俺は幼少の頃に親からの虐待を受けた挙句に捨てられてな、1人泣きながら真っ暗な夜道を歩いて毎晩の様に公園で寝泊まりしていた。流石に怪しまれたさ、そして警察に保護されて施設に入った、ただそこの奴らも担当教師も親を失ったボロボロの俺の言葉を誰一人信じてくれなかったどころか口を開けば罵倒される日々だったんだ。俺は何度も施設を飛び出そうとした、その度にまた警察の世話になって施設に戻される。施設長は俺の顔を見る度に怒り、そして俺を殴った。そしてずっと「お前は信頼できない」と言われ続けた、施設長が担当教師や他の奴らと共謀して俺をいじめた。俺は耐える事が出来なくなってまた施設を飛び出した、出来るだけ遠くに。流石に最後飛び出した時は教師たちも無理だと思ったんだろうな、誰も探しに来なかった。俺は寂しかったのかもしれないが、自ら捨てられる事を選んだ。それからは自分を守れるのは自分だけだと思い、金の為なら何でもやろうと犯罪に手を染めてしまった。後悔ばかりの毎日だったが、生きる為だったんだ・・・。」

ビクター「馬鹿野郎、お前に人生があるのと同じように誘拐され売られた子達にも人生があるんだ。それが分かっていたら人身売買なんて出来なかったはずだ。」

ラルク「いくら金の為とは言え、本当に悪い事をしたと思ってる。本当に申し訳ない。」

ビクター「反省しているか?」

ラルク「嗚呼・・・、勿論だ。」


 すると、ビクターは洞穴の出入口に向けて指パッチンをした。すると部下(らしき人物)たちが子供達を連れて来た。


ラルク「何でだ・・・。」

ビクター「お前の人身売買の相手はもう既に警察が逮捕している、お前が子供達を売り続けていた奴は警察の人間が変装していたものなんだ。少しでもお前の罪を軽くするために皆に協力してもらっていたんだぞ、感謝しろよな。」

ラルク「うう・・・、あり・・・、がとう・・・!!」


 ラルクは大声で泣き叫びながらお礼をし続けた、そして大人しく護送車に乗り込もうとした。そのラルクを光明が引き止める。


光明「俺の顔を覚えているか、ラルク。」

ラルク「お前・・・、あん時のガキか・・・。」

光明「嗚呼・・・、うちの学園でもこの世界でも好き勝手に暴れやがって、俺達貝塚財閥は絶対お前を許さないからな。」

ラルク「そうか・・・。」


 一言呟き護送車に乗るラルクの横で被害者となった子供達が家族との再会していた、両親と思われる大人たちが涙ながらに子供達を抱いて迎えていたのを見た副社長は・・・。


光明「子供か・・・。」


何処か温かな気持ちになる光明。

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