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130

潜入作戦は続く。


-130 お頭-


 「潜入作戦」と言う名の宴に警部補と副社長が戻った時、プレハブの前では最高潮と言っても良い位に盛り上がっていた。

 犯人グループのリーダーは戻って来た光明ここではハンジとドーラを見つけると、すぐに絡み酒を始めた。


リーダー「お前ら別グループ同士なのに偉く仲が良いんだな、連れションか?」


 何故か顔を赤らめ、マスクを上げるドーラ。その横で光明がフォローする様に返事をした。


光明ハンジ「偶然トイレの前で出くわしただけですよ、俺が長かったからずっと待ってくれてたんです。ほら呑みなおしましょう。」

リーダー「分かっているじゃないか、ほら2人共開けろや。」


 例の「お頭」が来るまであまり酔わない様にセーブしておこうとしていたが、ここで断るとリーダーに何を言われるか分からない。と言っても先程の『念話』で結構酔っていた気もするが。

 自分達を犯人グループの一員だと勘違いしている内にリーダーを酔い潰し、改めて作戦会議をしようと考え始めた潜入メンバー達。

 そんな中、リーダーは嬉しそうに語っていた。


リーダー「お頭絶対喜ぶぜ、何せ上物のヘルハウンドといつもの倍の量のミスリル鉱石が手に入ったんだからな。」


 夜中に渚達が洞窟で救出したミルとカランの事だと思われるが、この言葉を聞いたデカルトが怒りでビールの缶を潰しかけているのを見て、ドーラが何とか落ち着かせた。今はとにかく堪えるべき時だ。

 光明は下級魔獣達を捕まえ、ミスリル鉱石を手に入れてどうするのかを聞きたかったが何も知らないのかと疑われそうなのでやめておいた。

 それから1時間程経過しただろうか、外が完全に明るくなっている。全員昨晩からずっと呑んでいたのでつい時間を忘れてしまっている。


リーダー「おっと、もうこんな時間か。そろそろいつも通り拉麵で〆て寝ておこう、昼間にはお頭達が来るはずだ。」


 リーダーの言葉を聞いて皆プレハブの中からカップ麺と寝袋を持って来た、ただ潜入メンバーのお陰でカップ麺は大丈夫だが寝袋が足らなくなっている。


リーダー「あらら、どうしよう。」

光明ハンジ「俺達は大丈夫ですよ、もうちょっとだけ呑んでいたいし。」

リーダー「皆、お前ら良いやつだな。俺からのお礼だ、これも呑んでくれ。でも早く寝ろよ?」


 作戦会議の為とは言え、受け取らない訳には行かない。

 一先ず受け取ったビールを片手に犯人達が寝たのを確認すると改めて作戦会議を始めた。


ドーラ「やはり「お頭」が来たらすぐ逮捕する方が良いかな。」

光明「いや、やめておきましょう。奴らの目的と証拠を押さえる為に敢えて泳がせるべきだと思うんです。」

デカルト「私も光明さんに賛成です、ブロキントさんはどうですか?」

ブロキント「泳がせましょ、わいらのミスリル鉱石が何処に行っているのかが気になりますんで。」


 光明の作戦が可決になった所で、潜入メンバーは受け取った缶ビールを一気に煽ると眠りについた。

 数時間後、犯人達がぐっすり眠る洞窟に男性の怒号が。


男性「お前ら何寝てやがんだ、起きろコラ!!」

リーダー「その声はお頭・・・、何があったんですか?」

お頭「あっちの洞窟で見張っていたAとBが警察に逮捕パクられたんだよ!!てめぇら行くぞ、あいつらは兎も角、ブツが気になるだろうが。」


 リーダー達が眠い目を擦りつつ動き始めたのを察知し、潜入メンバー達は無理くり体を起こして「お頭」の顔を確認しようとした。

 フラフラな意識の中、目に飛び込んできた顔に驚きを隠せない光明。


光明「どうしてあいつがこの世界に?」

デカルト「お知り合いですか?」

光明「ちょっとね・・・。」


遂に「お頭」の正体が発覚する。

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