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129

どうにか怒りを鎮めようとする結愛。


-129 動き出した隣国-


 許せないからと言ってまさか結愛をパシリに使うとは、好美はかなり肝が据わっていて度胸があるらしい。ただ、一応その人、大企業の社長なのだが。


好美「だって本当に許せないんだもん!!」

結愛「と言うか「一応」って何だこら、俺はちゃんとした社長だぞ。」


 す・・・、すんません・・・。また聞こえてやがった、怖い怖い。・・・ゴホン。

 所有するビルの最上階にあるプライベートプールに突如モーターボートが現れ、そこら辺がびちゃびちゃになったので好美が怒るのも分からなくもない。まぁ、正直言って過去に誰も経験した事が無いはずなのだが。最低でも俺(作者)は経験なし。


結愛「ほら、持って来たぞ・・・。」

好美「結愛も入んの!!」


 どうやら一緒に呑みたかったらしい、ただ素直に「呑みたい」とは決して言わずに今回のハプニングをチャンスに変えようとしている様だ。

 結愛自身にとったら予想通りなのだが、一先ず改めて旦那に連絡を入れておく事にした。


結愛(念話)「今回の事件に義弘は関与無し、義弘派閥の(元)株主2人やクァーデンもシロみたいだ。さっき言った通り俺は一時離脱する、今日は好美んちにいるからそのつもりで。」

光明(念話)「分かったぁ・・・、後は任せろぉ・・・。」

結愛(念話)「お前、どうした?」

光明(念話)「俺は大丈夫だぁ・・・。」


 『念話』での様子から見てどうやら出来上がってしまっているらしい、結構強い酒を犯人グループに呑まされているのだろうか。まぁ、作戦の内だろうと許容した結愛は脱衣して湯に浸かった(挿絵では色々とあるので都合上水着を着用しています)。


挿絵(By みてみん)


 一方、今夜は王宮での夜勤が休みの好美はビル1階部分にある「暴徒の鱗」、そして「コノミーマート」の両店舗共に人数が足りているとの事でヘルプに入る必要もなく今日は心置きなく呑むつもりらしい。ただ1人で呑むのもつまらないと思っていた所に丁度良く結愛が出現した、これは好美にとって絶好のチャンスだった。

 日の光が差し込み、別の方向では虹が出ているビル屋上の露天風呂で2人は缶ビールを開けて一気に煽る。因みに冷蔵庫に在庫はたっぷりあるので『転送』を使えばお代わりし放題だ。

 その頃犯人グループの洞窟にいる光明たちは「お頭」らしき人物が現れないままリーダー達に今でも呑まされているらしい、そんな中で野郎だらけの中でマスクをした女性らしき人物が1人副社長に気付いてにこやかに笑っていた。親指で少し離れた場所を指し、コクコクと頷いている。


光明ハンジ「リーダー・・・、ちょっとお手洗いに。」

リーダー「そうか、すぐ戻れよハンジ。」


洞窟内で犯人グループ達が使っているであろう人気のない仮設トイレの前で先程の人物と2人きりになり、酒の力もあって光明はまんざらでもない気分になっていた。


光明「駄目だ、何考えてんだ俺は。俺には結愛と言う嫁がいるじゃないか。」


 それを察知したその嫁からもれなく脅しの『念話』が。


結愛(念話)「おいお前、変な気起こすんじゃねぇぞコラ。」

光明(念話)「わ・・・、分かってるって。」


 少し焦る光明の様子を見てクスリと笑う女性はマスクを外しながら話しかけて来た。


女性「光明君、私よ。」

光明「ああ、あなたでしたか。」


 目の前にいる女性は「冒険者ギルド名物のドーラお姉さん」ことネフェテルサ王国警察警部補のアーク・エルフ、ノーム・マーガレット・林田だった。

 今回の事件について友人のデカルトから応援を要請された署長である義父の希からの指示で先立って潜入していたのだという。


光明「でも男だらけの場所でよく今までバレませんでしたね。」

ドーラ「なぁに、服装を合わせて『変声』すれば簡単なもんよ。」


 ムカリトがしていたのと全く同じ作戦で犯人グループを騙していた様だ。


ドーラ「さぁ、怪しまれない様に早く戻らないと。」


捜査、いや呑み再開。

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