115
一国でも早い事件解決を願う国王。
-115 偉くなった同級生-
怒りを抑えきれないデカルトを抑えるべく、結愛はハーブティーを勧めた。1国の王は数口啜った後に息を荒げながら、改めてソファへと座った。
結愛「だ・・・、大丈夫ですか?」
デカルト「すみません、画像の奴らがどうしても許せなくて。落ち着きました、ありがとうございます。」
デカルトは息を整え、静止画像を改めて見ながら結愛達に告げた。
デカルト「すみません、こちらの画像を参考資料としてダンラルタ王国警察に提出しても宜しいでしょうか。私どもも可能な限り捜査にご協力させて頂きたいので。」
結愛「勿論です、私達に出来る事があれば何でも仰ってください。」
一旦王宮から本社へと戻った2人は同ビルにある開発施設へと向かった、昼間は普通の監視カメラとして、そして夜間は赤外線による暗視カメラに自動で切り替えて使用できる優れものの開発を進めていた。
結愛「ある程度日が沈んで暗くなると暗視カメラに切り替わる優れものさ、捜査に役立つはずだぜ。」
光明「お前、俺のアイデアだって事を忘れんなよ。」
結愛「それにしても暗視カメラに切り替わったとして、犯人らしき人物が近づいたかはっきりと分からないと意味ねぇよな・・・。」
そう言いながら丁度、今度の会議で使用する資料を纏めた物を手渡そうとした社長秘書に思い出す様に聞いた。
結愛「そう言えば貴女ってラミア(蛇)でしたよね?」
そう、結愛の秘書の正体は以前シューゴの屋台で日ごろの業務についての悩みを夫婦で解決したラミアのヒドゥラだった。
ヒドゥラ「そうですけど、何か?」
結愛「蛇って夜間に獲物を見つける時はどうやって探すんですか?」
ヒドゥラ「熱・・・、ですかね?相手の熱を感じつつ探すと言いますか。」
光明「熱・・・、か・・・。」
そう聞いた光明はカメラの先端に熱感知センサーを取り付ける様に指示を出した、お陰で犯人を見つけ出しやすくなりそうだ。
結愛「ありがとうございます、お陰で事件解決に1歩近づきそうです。」
ヒドゥラ「え?あの・・・、私なんかでよろしければ。」
光明「今月分のお給料をお楽しみに。」
ヒドゥラ「本当ですか?!」
当然、結愛は全くもって考えてもいなかったのでヒドゥラへのボーナス分は光明のお小遣いから天引きされる事になったのは言うまでもない。
そんな中、ダンラルタ王国の王宮にいるデカルトから直接社長室に電話があった。
デカルト「ダンラルタ王国警察の方がこれから王宮に来るのですが、お2人もお越し頂けませんか?」
結愛「勿論です、すぐに参ります。」
丁度サンプルが出来上がった新型の監視カメラを手にした光明を連れて結愛は王宮へと『瞬間移動』した、因みに新しいカメラも今まで通り王宮の監視室にあるスクリーンで映像を見える仕様にしている。
デカルト「結愛さん、光明さん。お越し頂きありがとうございます、こちらダンラルタ王国警察警部の・・・。」
結愛「プニじゃねぇか!!」
以前貝塚義弘絡みの爆発事件に爆弾処理班のリーダーとして参加した鳥獣人族のプニであった、しかし何処か違和感を感じてしまうのは何故だろうか。
最初に気付いたのは光明だった、口調と爆弾処理班という以前の職業から今まで気づかなかったのも無理は無いが魔学校時代から本人に申し訳ない位の勘違いをしてしまっていたらしい。
光明「お前・・・、女性だったのかよ!!」
プニ「今まで男と思っていたのかよ、失礼な奴だなてめぇ!!」
結愛「本当だよ、俺は学生時代から知ってたぞ(ごめん、俺も今知った)。」
このタイミングで悪ノリした社長。