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113

困った言い掛かり。


-113 親族登場-


 悪名高き貴族の娘による言い掛かりの電話を治めてくれた国王に感謝の意を表す代表取締役社長、事態はこれで終わる訳ではないが協力してくれた事が何よりも嬉しかったという。


結愛「突然お呼びして申し訳ございません、本当に無茶なお願いを。」

デカルト「何を仰いますやら。光さんやのっ・・・、林田署長のお知り合いの頼みとあらば、お応えしない訳にも行きませんよ。」


 一国の王と思えない位の腰の低さに驚きを隠せない結愛、しかし事態はそれどころではない。何気にまだ貴族との電話は繋がっている。


リラン(電話)「こ・・・、国王が何よ!!ただ偉そうにしているコッカトリスじゃないの!!」

結愛「お言葉ですが、こんなに腰が低いのに人々に偉そうに出来るとでも思えますか?」

リラン(電話)「うぐっ・・・。」


 数十秒経った後にリランの方から電話を切って来た、これ以上抵抗する方法が見つからないのであろう。


デカルト「貝塚財閥の方々に感謝しているのは私の方ですよ、大切な住民である下級魔獣の親代わりとしてそだてて下さっているのですから。」

光明「親代わりだなんて、そんな・・・。」

結愛「お前は何もしていないだろ!!」


 『瞬間移動』でデカルトを王宮に送り返した後に取り敢えず一段落した雰囲気の中で結愛はダンラルタ王国にある施設についての資料を取り出した。


結愛「なぁ、あそこって今は昼間だけだが確かあのババァが管理していなかったか?」

光明「おいおい結愛、ババァって言って良いのかよ?」

結愛「大丈夫だよ、よっぽど強力な『念話』を持って無い限り聞こえてねぇだろう?」


 しかし、結愛の予想はあっけなく外れるのであった。夫妻の脳内にある女性からの『念話』が飛んで来る。

 『念話』を受けた代表取締役社長は顔が蒼ざめた様子でいた、よっぽど話したくない相手だったのだろうか。


女性(念話)「結愛ちゃん・・・、ババァって誰の事だい?」

結愛(念話)「み・・・、美玖みく叔母様!!聞き間違いでは?!」

美玖(念話)「ちゃんと聞こえてたわよ、あんたあの子程じゃないけど性格悪いね?」

結愛(念話)「お願いです、給料上げるから許して下さい!!」


 『作成』で作り過ぎた光程ではないが、かなり強力な魔力を持つネクロマンサーである結愛が恐れるのも無理は無い、美玖は弟の義弘以上の上級賢者アーク・ワイズマンなのだ。

 美玖は結愛や義弘より数年も前からこの世界で修業を積み重ねて今の魔力を手に入れたらしい、数年前にあった本人の葬儀より数日前からこの世界での修業を始めていたという。

 因みに異世界こっちで2人が再会したのはつい1週間前の事で、美玖が元々働いていたステーキハウスが潰れてしまった事を偶然知った結愛が空いてたポストに美玖を任命したのであった。

 実質、結愛は美玖の上司に当たるが姪っ子は叔母に頭が上がらなかった。

 一先ず、クァーデン家からの言い掛かりについて報告をする。


結愛(念話)「最近、運営に当たって変わった事は無かったのですか?」

美玖(念話)「全くだね、施設の周囲に光明君に渡された監視カメラを張り巡らせていたが怪しい物は何も映らなかったからね。」

結愛(念話)「そうですか・・・。」


 すると、部屋の端で資料を纏めていた秘書が声をかけた。


秘書「社長・・・、こちらをご覧頂けますでしょうか。」


 秘書から手渡された資料は、デカルト公認の下で貝塚財閥がダンラルタ王国に張り巡らせた隠しカメラの映像を静止画像化したものだった。資料によると黒ずくめの者達が下級魔獣を麻袋に無理矢理はめ込んで何処かへと運んで行っている、顔が見えている訳では無いがどうやら犯人はこいつららしい。


結愛「どう見てもこいつらが怪しいな、ババァに見て貰うのが一番か?」

光明「おいおい・・・、だからババァはまずいだろ・・・。」

結愛「よく考えろよ光明、あの老けたババァが『瞬間移動』できると思うか?」

女性「結愛ちゃん、逆に出来ないって思ったのかしら?」


上級賢者はナメてはいけない。

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