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反省

いつも読んで頂きありがとうございます!


しばらく会話内のアウル=レイティアということで話は進んで行きます。分かりづらくてすみません!


その前提で読んで頂くと、混乱は少ないかと思います。

楽しんでいただければ嬉しいです。

 


「本当に申し訳ありませんでした。ただでさえご迷惑を掛けている立場なのに、更にお手間をとらせて…」



 レイティアはカインのある種の訓示を受け、非常に恥ずかしくなり大いに反省した。新しい自分の姿でも変わっていないと言いつつ、実は一番変わったような気分になっていたのだろう。



 レイティアが騎士の姿をしても、騎士になれる訳ではない。わきまえていたつもりだったのに、いつの間にか間違っていたようだ。騎士にはなれないからこそ、慎重に騎士に見える努力をしなければいけなかったのだ。



「いや、そこまで落ち込む程の事では無いんだが…。お互いにこれから気を付けようという意味だっただけで」

「私の迂闊な行動が皆を危険にさらすかも、など考えも出来ませんでした。助けていただいていることに甘えきっていたのです。本当に申し訳ありませんでした。罰として部屋の掃除など命じてもらえれば進んでやりますので!」



 レイティアは反省の意味で部屋の掃除をしたいと思ったが、カインは懐疑的だった。



 ―レイティア嬢は何かというと掃除って言うけど、何かこだわりがあるのか?―



 カインにあらぬ心配を掛ける結果となったが、レイティアは気付いていなかった。



「掃除って言われても宿屋だし、それにそこまで気にしなくていいって。分かってもらえたら、それでいいんだ」

「でも何か…」

「しっ!もう罰だの何だのの話は終わりだ。時間は有効に使わないとな。第一アウルは、掃除が出来る状況なのか?」

「それは…」



 カインに問いかけられレイティアはプルプルと震えている自身の足を見て、首を横に振る。



「だろ?じゃあ、アウルは食事の前に風呂に入ってくるといい。もしかしたら、他の客と一緒は厳しいか…?その時はどこか借り上げて入るようにしてもいいが…」

「いえ、大丈夫です。なるべく人のいない時間を見計らって入ってみます」

「本当に辛い時は必ず言ってくれ。今日風呂に浸かって自分の足をマッサージすれば、明日はかなり楽になっているはずだから」

「そうなんですね。分かりました、必ず行います」



 お風呂についてまで指示されるのは…、と思う人間もいるかもしれないが、レイティアは仮初めでも騎士生活は初めてだ。ましてやそれがカインからの指示なので、特に疑問もなく受け入れている。



「それがいいと思うぞ…それからひとつお願いがあるんだが。アウルって呼んでいいか?ってもう呼んではいるけど、一応な。間違ってレイティア嬢と呼ばないように、騎士の間は常にアウルだと思って話すよ。そして失礼だとは思うが、お前とかあんたとか言ってもいいか?」

「勿論です。カイン様は上司のようなものですから!それに今までもあんたって呼んでましたよ」



 先程の訓示が相当効いたのか、どうしても上司のように思えてしまう。今まで学校以外の組織に属したことが無いので、上下関係とはこういうものかなどと肯定的だ。



 ―カイン様に付けてもらった名前、それをカイン様が呼んでくれるってなんだか特別みたいでちょっと嬉しい。それに実は、あんたって呼ばれるのも…好きかもしれない。今までそんな風に私を呼ぶ人は居なかったから、新鮮なのよね―



「上司なんて言うなって、堅苦しくなるだろ?そしてすまない。悪気は無いんだが、自然と出てしまうな」

「カイン様に言われるのは全然嫌じゃありませんから、アウルもあんたも好きに呼んで下さって問題ありません」

「こっちがアウル呼びなのに、カイン様は無いだろ?同僚として任務に向かっている設定なんだ、あんたもカインって呼べよ」

「…わ、分かりました。努力しますね、うー…カ、カイン!」



 満面の笑みでカインが頷いていた。






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