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急転直下

歯の治療をしたら、逆に歯が痛くなりました。

つらいです…。

頑張ります。

 


 ―それから数時間後―



 カインとレイティアは、それぞれ馬上にいた。数人の騎士と帝国へと馬を走らせている。レイティアの提案からすぐにカインが上司のトマスの元へと急いだ。トマスはすぐにその提案の有効性を認識して、即座にクレイの指示を仰いだ。



 その結果が今だ。クレイの判断で、鉄は熱いうちに打てとばかりに本日中の出発となった。レイティア以外の騎士達は、任務上の急な移動などに馴れているので指示後速やかに準備が出来た。



 一方のレイティアも元々自分の荷物が無い状態だったので、予備の騎士服が届いて直ぐに出発出来るようになった。ただ女性騎士のものでも体格が違えば不自然なので、丁度良いサイズを用意して貰うのに少し時間が掛かった。



 それと念の為、かつらも用意して貰った。カインの魔法で髪色は変えられるようだったが、どうしても髪の長さが不自然だ。レイティアの髪は胸元までの長さがあるのだが、騎士としては長過ぎるだろう。その為ミディアムボブのかつらを被り、地毛を隠す事にしたのだ。色はアールグレイにしてある。



 目立つ髪は隠したが、レイティアの瞳も紫という特徴的な色なので結局カインに魔法で色を変えて貰った。お陰で今のレイティアは、アールグレイの髪の緑目の女性となっている。王国では普通にある色合いだろう。



 レイティアが出発の準備をしたのは第三部隊の滞在する宿屋だったのだが、騎士服を着てかつらを被り別な人間となった。更に瞳の色まで変えて貰う段階では、新しい自分に出会ったようでワクワクしていた。



 ―まるで自分じゃないみたい!これから何が起こるのかしら?カイン様達騎士団の方々や公爵家に迷惑をかけておいて、楽しんでる場合じゃないのは分かってるけど…。新しい世界に飛び立つ気分ね!家族の皆、ごめんなさい。いつか元気な姿で会えるのを待っていてね―



 服装や髪を変えてもレイティアの綺麗な顔立ちは変わらないのだが、例えるならば元の髪色の時は百合や蘭のように気高く手の届かないようなイメージだったが。髪と瞳の色を変えただけで、マーガレットやすずらんのような可愛らしく親しげのあるイメージになった。



 外側が多少変わっても中身は同じレイティアのままなのだが、見た人達からするとだいぶ違って見えるらしい。



 カインの他に4人の騎士と国境を越える事になったのだが、その中に王太子妃候補時代のレイティアを見たことのある人もいたようだ。見た目の変化もさることながら、公爵令嬢が騎士服を来て生き生きと馬に乗るとは思いもよらなかったらしい。



 陽の光も浴びず、室内で静かにお茶を飲むよう令嬢だと思われていたのだろうか。それも好きだが、やはり外に出る方が気分がいい。



 レイティアからすれば乗馬服から騎士服に変わったくらいで、公爵家の日常に近いのだがやはり普通では考えられないことらしい。



 そして実は、一番驚いていたのがカインだったりもした。初めにレイティアの提案を聞いて、剣も持てるし乗馬も出来ると分かっていたのだ。だがレイティアの着替えが終わり魔法で瞳の色を変える為にカインが部屋に入ると、その吸い込まれるような美しい瞳を真ん丸にして変装したレイティアを見ていた。



 ―カイン様のあのお顔は見物だったわ!今まで色々驚かせてしまった事があったけど、あれは唖然という言葉がピッタリの顔ね!―



 レイティアはカインの驚きの表情を思い出し、馬上で一人微笑んだ。



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