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夏が終わったので秋
秋、田は黄金色になる。祖母は、手拭いを二つ折りにして、袋を作る。そこに径4、5センチの竹筒を差し込む。
孫は、それを手に小学校に行く。年に一度のイナゴ取りである。田では、イナゴ(バッタ)が跳ね回っている。全校児童が捕まえに行くのである。
捕まえたイナゴは、業者が当日買い取りにくる。それが、遊具などに補填される。
皆で、田に行く。イナゴは手掴み、それを竹筒に入れれば、袋の中に貯まっていくのだ。イナゴは尻から、茶色い汁を出すから、手の平や手拭いの袋は、茶色に染まった。
孫は、休みの日にもイナゴを捕った。近くの店でも買いとってくれた。
また、祖母が、甘く佃煮にした。
孫が通う小学校は、分校と言うもので、4学年までしかない。5年生になると離れた、本校に通うことになる。山奥ではないが、児童は、十数人しかおらず、小さな校舎である。
秋になると、隣の家人が教室の窓に顔を出す。
「柿、とっさこ」
すると、教師も含め、隣に行く。
高い柿の木の下、皆、竹竿を持ち、柿を叩き落とすのであった。