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17、公爵令嬢エリカ ~その2~

ラインハルトに抱きしめられながら、「自分は間違っていなかった」とようやくエリカは安心していた。


「運命の人を見つけた」とあの男爵令嬢を熱い目で見ながら、ラインハルトに言われた時は、本当に心臓が止まるかと思う位、衝撃だったが、この世の終わりのような顔で、その日、家に帰ると、ラインハルトの叔父である王弟殿下が、なぜかザラニーニ家の居間で優雅にお茶を飲んでおり、「面白いことに巻き込まれてるね。」と言った彼のニヤニヤした顔を見た瞬間、昔の事を思い出したのだった。


ずっと昔、王弟殿下の一言で、二人で遊び半分で決めた合言葉!まさに想定通りにラインハルトは動いていることに、エリカは遅まきながら気づいたのだった。ひょっとしたら、違うかもしれないと不安になりつつも、「今気がつくなんて、私ったらまだまだだわ」と自分を鼓舞し、来るべき日に備え、準備をしていったのだった。


自分の様子を心配して声をかけてきた、カワイイ弟ミカエルには、現状を説明し、殿下に対し何もしなくて良いが、その代わり殿下の状況をこちらに逐一知らせる事。昔から一緒に遊んでいた魔法バカのモロットには、殿下に危害を加える者がいれば魔法で守るよう伝え、もし可能であれば魔法でシャーロットの何かしらの証拠を押さえるよう頼み、ついでに今日という日には、万が一に備え、会場の外側に結界を作ってもらうよう頼んだ。腹心の侍女コレットには、侍女ネットワークを生かし他の令嬢達の状況把握する事と、「影」にシャーロットの追跡と、証拠を押さえるように伝えた。


また、最初にシャーロットと仲良くなっていた商会の息子には、多少の公爵権力と今後の新規取引をチラつかせ、今までに何を彼女に贈って、何の情報を伝えたのか吐かせた。まあ、おまけにはなるが、シャーロットに陥落したはずの教師のファラットが持ってきた証拠も、ミカエルに言わせれば調べが甘いらしいが、まあ多少は役にたった。


こう完全に丸く収まるとは思わなかったし、ずっと自分を抱きしめているラインハルトを思うと、彼も結構必死だったのだと今更ながら感じ、以前よりもずっとエリカは彼を愛おしく思うのだった。


しかし、自分が気に病んだ事には、違いなく、今なら多少ラインハルトにわがままを言っても許されるのではないかと、若干黒い事をエリカは考えていた。とはいえ、意外とお高い宝石やドレスを要求した事で、自分が輿入れする前に国庫を傾けてはいけないので、除外する。


エリカは傾国の妃にはなりたいわけではないし、なんなら、王家より実家の方が、金は持っている。「わがまま」は一般公開していない宝物庫の見学でも良いし、閲覧権限最高レベルの本の閲覧許可でも良いわね。でも最初はかわいく馬での遠乗り位にしておいた方が良いかしら。




さて、何をお願いしようかしら...


とエリカは、最愛のラインハントの胸に抱かれながら、考えていたのだった。



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