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「ちゃんと魔法薬ギルドに申請した?」
「まだです」
「はぁ……これはね…よく出来すぎているよ」
ギルベルト様は私を急に引き寄せると指をパチリと鳴らした。すると頭が思いきり揺さぶられたような感覚の後、目を開けると森、そして突然の強い吐き気に襲われる。
これはまさかゲート魔法だろうか、実際に使う人がいるなんて思いもしなかった。
「うう、気持ち悪い……」
「ここは私がゲート魔法で繋いでいる場所だよ、ごめんね」
ギルベルト様は手際良くヒールをかけてくれた後、私をお姫様抱っこの体制のまま森を進むと、とても広い空き地が広がっていた。
空き地と表現するのはおこがましいのかもしれない。なんと言っても先に見える山が手のひらサイズに見え、そこまで草原が広がる広さ。そこから円を描くように平らな地面が続く。
「ここは?」
「世界のどこか、よくここで実験しているんだ。特に、誰にも見せられないような、ね」
そう言うと、私が渡していた薬を一粒飲み《ファイア》と唱える。
その瞬間、『ゴォォ!』という音と共にギルベルト様の身長程の火の玉が前へ吹っ飛んでいった。
「ひっ」
《ファイア》は攻撃魔法なので手前へ飛んでいく魔法だ。そして、初級魔法として知られている。
普通は、手のひら程の火の玉が飛んでいくと記憶していたが、まさか、私の薬のせい?
「あーギルベルト様?」
「ファイアと唱えた場合、普通であれば体内の魔力量に関わらず一定の魔力を消費して、手のひらほどの火が前に放たれる」
「ええ……」
「そして、魔力向上魔法を使う事で、その人の内部にある魔力の質があがり、使用される魔力の威力が上がる。前に話したね?」
私は黙って視線を下げた。
なるほど、5倍って結構上がるんもんなんだな。
「レティシア、5倍はよくない。私達は通常でも3倍くらいになっているのだから、これ一粒で15倍だ」
「確かに」
「確かにじゃない……こんな大発明を簡単にギルドに持っていってたら相当大変なことになっていたよ」
「………すみません」
そして私は冷や汗を流していた。
この薬はギルドで作成した物だ。しかも、その場にいた人物にはどんな物を作りたいのかを話している。
「レティシア?」
「あ、あーー。ギルベルト様ちょっと、お伝えしときたい事が…」
その後ギルベルト様が大きなため息をついたことは言うまでもなかった。
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