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「パートナーとは、自分の魔力との相性90%以上の人物の事を言い、平均的に3人以上………」
先生が急にパートナーについての復習を始めるほど、私の学校は浮き足立っていた。
パートナーの定義なんてこの学校に入った直後に習うほど常識的な内容である。特に今話している『世界に候補者は数人存在する』『一度パートナーとなると変更はできない』『相手が死亡の場合変更可能』の部分などは、パートナーを作る際には必ず確認作業が入るので、私よりもパートナーがいる人達の方が把握しているはずなのである。
そっと教室を見渡すと、今から戦闘でも始まるんではないかと思うほどギラギラと目を光らせている生徒たち。
君たちみんな、パートナー居るはずだけど、一体どこを復習しているのだろうか……。
とりあえず、最近魔法学校で急な戦闘が始まって退学者が続出しているという記事の原因は判明したとして、もしかして私達の学校にまで来たということは既に他の学校はしらみつぶしに探してきたということなのだろうか。
そうだとしたら理由は恐らく1つ。
彼のパートナーがこの世界に1人だけしか居ないから。
かなり特殊な例として、唯一無二のパートナーがいる人物が存在する。
それは数百年前の勇者と言われた人間と聖女と言われた人間が有名ではないだろうか。
彼らは他の人間の魔力は全く馴染むことはなく、しかし互いに唯一魔力が溶け合い、結果、実力の数十倍の力を発揮した。と、されている。
その後も何人か該当する人物はいるが、いずれも著名な人物として記録に残っているだろう。
その人物は全て年は離れておらず、離れていても1歳との研究結果があり、彼は私より1つだけ歳が上なので、一応私のクラスも該当しているということらしい。
『それは非常に面白いですね。』
さて、そろそろ授業も終わりにさしかかる。
私は机の上を急いて片付けると、いつものように薬学室へと向かった。
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